これまで、戸建てはマンションよりも売れにくい傾向にありましたが、新築住宅の販売価格高騰で中古住宅を選択する人が増え、中古の戸建てでも住宅ローン控除を適用しやすくなったため、首都圏ではマンションと戸建ての売れやすさに数字上の大きな違いは見られなくなりました1。
しかし、戸建てはマンションと比較すると管理状態の差や、周辺状況など「物件の個別性」が一軒一軒異なるため、販売が長期化する場合も依然として多いです。
そうなんですね。住み替えのスケジュールを立てるためにもできるだけ早く売りたいのですが、コツや注意点はあるでしょうか?
一般的な「仲介」での売却は早くても3カ月程度かかりますが、不動産会社に直接購入してもらう「業者買取」であれば、1カ月以内での売却も可能です。ただし買取の場合は仲介よりも値段が下がってしまうため「向いている物件」「売却の事情」を加味して選択することが重要です。
「イエウリ」は戸建ての買取査定額の比較に最適
戸建ての売却のためにこれから一括査定サイトを使う、あるいは既に一括査定サイトを活用して査定依頼を行なった方もいらっしゃるでしょう。
不動産の一括査定サイトはイエウール、HOME4U、すまいValueなどが有名ですが、戸建ての買取査定額を比較する際は「イエウリ」の活用もご検討ください。
手間なく合理的に最高額の戸建て買取業者が探せる
「イエウリ」は登録した物件情報に対して、複数の不動産会社の査定額を手間なく比較できるサービスです。
「イエウリ」に登録して各不動産会社が査定を行う際、運営会社が不動産情報の説明を代行するので、自ら1社ずつ連絡を取る必要がありません。
連絡をとりたい不動産会社は売主が査定額を確認してから選べるため、業者からの一方的な営業電話なしで売却活動を始めることができます。
また、一般的な一括査定サイトの多くは査定依頼を出せるのは6社まで、そして多くは仲介のみの査定額が算出されるので、業者買取の査定額は比較しにくいのがデメリットです。
「イエウリ」では、仲介・買取のどちらか、もしくは両方を選んだ上で、登録物件を対象にしている全ての不動産会社に査定依頼することができるため、相場や適正価格もわかりやすいのが特徴です。
ハウスドゥやセンチュリー21、リクシル不動産ショップERAなどのフランチャイズ加盟店を中心に、大手から地元の中小業者まで、1,800を超える全国の優良不動産会社が参画しています。
業者買取でも高く売却できる競争入札システム
イエウリの買取一括査定は「業者買取では売却価格が相場より安くなる」という点を解消しやすくなっています。
これは査定額の提示の際に入札形式を取り入れており、複数の業者間での入札競争が起こり結果的に高額で売却できる仕組みになっているためです。
また、イエウリでは「この不動産会社は過去に査定した物件を、最終的にいくらで買取したか」といった情報も把握しています。
そのため、「実際に家を見てもらったら、机上査定の金額よりも大幅に値段を下げられた」ようなことが起こりにくいように、査定の精度と買取実績が豊富な不動産会社を紹介可能です。
買取での戸建て売却を検討している方は「イエウリ」をぜひご利用ください。
イエウリカスタマーサクセスの島村です。イエウリでは、宅建士の資格を持つカスタマーサクセスに戸建て売却の疑問・悩みをご相談いただくことも可能です。お気軽にお問い合わせください。
全国1,800社以上参画
イエウリで 戸建て買取の
無料一括査定に申し込む
戸建て住宅の売却方法:「買取」と「仲介」の基本
不動産会社に「家を売りたいです」と相談したときは、「不動産会社が代わりに買主を探す仲介」が提案されるケースがほとんどです。
一方で「買取」は、不動産会社が直接購入する売却方法です。
- 仲介:メルカリやヤフオクに出品して、自分で購入者を見つける
- 買取:ブックオフなどの店舗に商品を持ち込んで、お店に買い取ってもらう
日用品や家電の取引で例えると、上記のイメージに近いでしょう。
仲介とは
仲介では、不動産会社と媒介契約を結び、物件の購入者を探してもらう。
仲介とは、不動産会社に戸建て住宅売却の仲介役を引き受けてもらい、買主を探してもらう売却方法です。
買取とは
業者買取では、不動産会社と売買契約を結び、物件を直接買い取ってもらう。
買取とは、不動産会社に戸建て住宅を直接買い取ってもらう方法です。
買取した業者はリフォームをして再販売するので「買取再販」と呼ばれることもあれば、すぐに買い取ってもらうことから「即時買取」、あるいは不動産会社が直接購入するため「直接買取」と呼ばれることもあります。
戸建てを売るときの「買取」と「仲介」5つの違い
買取と仲介の違いとして確認しておくべきポイントを解説します。
買取と仲介の違い比較表
買取 | 仲介 | |
契約 | 売買契約 | 媒介契約 |
売却価格 | 相場価格よりも安くなる (相場価格の5~8割程度) | 相場価格で売れる可能性がある |
査定額 | 買取価格 (売れる金額) | 売り出しの参考価格 (売れる金額とは限らない) |
売却までの期間 | 引き渡しまで数週間 | 3~6カ月程度 (物件によってはそれ以上) |
諸費用 | 不要 | 仲介手数料 (解体・補修費用がかかることも) |
契約不適合責任 | 免責 | 引き渡しから3カ月 |
結ぶ契約の種類が違う
仲介と買取では不動産会社の役割は異なるため、結ぶ契約の種類にも違いがあります。
- 仲介:買主を探してもらうために媒介契約を結ぶ
- 買取:直接購入してもらうために売買契約を結ぶ
仲介の「媒介契約」は、不動産会社にレインズへの登録やポータルサイトへの広告掲載といった広告活動を行い、買主を探す販売活動を行ってもらうための契約です。
一方で買取の「売買契約」は文字通り 「不動産会社に物件を買ってもらうための契約」となります。
▼関連記事

売れる価格が違う
買取と仲介は売れる価格が違います。
買取では不動産会社は買い取った後、自社の利益を確保する必要があるため、高くても市場価格の8割程度での買い取りとなるのが一般的です。
不動産会社が買取して再販売する際のコストや利益を差し引いた金額で取引されるため、仲介よりも金額が安くなる。
一方、仲介の場合は相場価格通りで売却できる可能性があります。
とはいえ、仲介の場合でも、最終的にかなりの値引きをして売買契約を締結するといったこともあるため、必ずしも相場通りで売却できるというわけではありません。
「査定額」の意味が違う
不動産を売却する際は、仲介でも買取でもまずは不動産会社の査定を受けるところからスタートします。
算出された査定金額を確認するときの注意点は、仲介は売り出し価格の参考にする「市場で売れそうな価格」であり買取の場合は「その金額で不動産会社が購入する=売却金額となる」という点です。
仲介の方が相場価格付近で売れるため、買取の金額よりも査定額は高くなります。
しかし、その金額は「売れる金額」ではなく、「これぐらいで売れそうですので、うちで媒介契約を結びませんか?」という意図が含まれる提案の価格です。
仲介の査定金額通りに売れるとは限らず、むしろ買主からの値下げ交渉を前提に、少し高めの金額が算出されることが多いのです。
また、媒介契約を結ぶために、相場と比べると明らかに高い金額を提示して売主の気を引こうとする不動産会社も少なからずありますので、注意しておきましょう。
売れるスピードが違う
買取の場合、買主が不動産会社のため、ほとんどの場合現金一括払いです。
このため、条件がまとまれば売買契約~引き渡しまで1週間程度で終わってしまうことも珍しくありません。
一方、仲介の場合、おおむね3カ月以内に売れる価格で売り出しを始めることになりますが、タイミングが悪かったり、もしくは設定した価格が相場通りでなかったりした場合には、半年~1年以上売れ残ってしまうこともあります。
特に戸建ての場合、間取りや立地、周辺環境など個別性が高く、マンションに比べて相場通りの査定が簡単ではありません。
そのため、マンションよりもリフォームにかかる費用が見えにくく、一般の買主を仲介で探すのは難しいことも多いです。
仲介と買取で売れるまでにどれぐらいの差があるのか
実際に「イエウリ」で査定申し込みをした戸建て住宅が、仲介・買取でそれぞれ売買契約を結ぶまでに何日かかったかの統計は、以下の通りです。
成約日数:戸建て | 平均値 | 中央値 |
仲介 | 184日 | 152日 |
買取 | 83日 | 51日 |
このデータも、売れるまでの日数を推測するまでの参考にできるでしょう。
成約日数:マンション | 平均値 | 中央値 |
仲介 | 121日 | 91日 |
買取 | 51日 | 38日 |
マンションの場合は上記の通りで、やはり戸建て住宅はマンションに比べて売れるまで時間がかかるケースが多いと言えます。
なお、東日本レインズの統計によると、2024年の中古戸建ての成約日数平均は97.3日であり、マンションの85.3日と比較すると若干 長期化する傾向にあります。
ただし、冒頭でもお伝えした通り
- 新築住宅は高すぎるから、割安な中古戸建てを購入する人が増えた
- 住宅ローン控除適用の築年数に関する条件が緩和されたため、中古の戸建てが選択肢に入りやすくなった
といった事情もあり、特に1982年以降に建てられた新耐震基準の家であれば、仲介で売却する際のハードルは従来よりも低くなっています。
買取は住宅ローン審査の影響を受けない
仲介で買主が見つかって売買契約まで進んでも、「買主の住宅ローン本審査が否認となってしまったため、白紙解除」となってしまうことがあります。
事前審査の承認を得ている買主が、本審査で否認になる割合は5%程度だと言われており、決して多くはありません。
しかし、白紙解除となった場合は「売却活動が振り出しに戻ってしまう」点に注意しましょう。
現金一括決済の買取であれば、ローン審査の影響を受けません。
買取業者が事業用のローンを利用する場合もありますが、融資が満額まで下りなくても自己資金を充てることが多いため、売買契約後に契約解除となるケースは稀です。
かかる諸費用が違う(買取は仲介手数料がかからない)
買取と仲介とでは、かかる諸費用が違います。
買取の場合、かかる諸費用は登記費用と売買契約書に貼る印紙代、売却後の譲渡所得税くらいです。
仲介手数料
一方、仲介の場合は、上記に加え売買が成立した段階で仲介手数料を支払う必要があります。
800万円を超える不動産取引となった場合、仲介手数料は物件価格の3%+6万円+消費税が仲介手数料の上限です2。
割引してくれることもありますが、多くの仲介会社はこの上限額を仲介手数料として売買主に請求します。
もし家が2,000万円で売れたとすると、仲介手数料の額は
60万円+6万円=66万円 これに消費税10%を加えて 72.6万円
となり、決して安くはありません。不動産売買における諸経費のほとんどはこの仲介手数料です。
もちろん仲介手数料を支払うからこそ不動産会社に営業を行ってもらい、契約等でトラブルが無いように協力してもらえるのですが、買取で業者に直接売却する場合は仲介手数料はかからない点も押さえておきましょう。
その他の諸経費
物件によっては売却する前準備として草刈や建物の解体、整地などする必要があります。
買取か仲介かを比較する時は、こうした諸費用分まで踏まえて比較検討することが大切です。
売却後の契約不適合責任(瑕疵担保責任)の有無
「契約不適合責任」とは、旧民法で「瑕疵担保責任」と呼ばれていたものです。
戸建て売却時の契約不適合責任は「売却した後、一定期間の間に雨漏りやシロアリ被害が見つかった場合、補修費用などを売主が支払わなければならない」というものになります。
戸建てを売却した後に契約不適合責任を問われる例
戸建ての売却後に契約不適合責任が問われる可能性がある例としては、以下のようなものがあります。
- 売主が把握していない雨漏りやシロアリ被害があった
- 建物を解体してみたら、地中埋設物や土壌汚染が判明した
改正民法では、契約不適合が判明したときに、買主は売主に契約の解除、損害賠償請求に加えて、追完請求(補修や代替物・不足分の引渡し)、代金減額請求もできると規定されています。
ただし、契約解除は「住むことができないような大きな欠陥が見つかった場合」に限定するのが一般的です。
「売主が契約不適合責任を負うのは、引渡しから3カ月間」と期間を定めた特約を設けて売買契約を結ぶのが一般的です。
買取では売主の契約不適合責任は免責で取引される
買取の場合、購入するのは不動産のプロである宅建業者ということもあり、多くの不動産会社は売主の契約不適合責任を免責として物件を購入しています。
契約不適合責任免責の買取での売却であれば、引渡し後に物件に不具合が見つかっても、補修代金を請求されるようなことはありません。
「買主側の住宅ローン控除の違い」も売却方法に影響する
仲介で売却される一般的な中古住宅では、買主が利用できる住宅ローン控除は最長10年までとなります(適用要件を満たす中古住宅の場合)。
一方、不動産会社がいったん買い取った後、一定のリフォームまたはリノベーションを行い「買取再販住宅」として再販売される場合は、適用要件を満たせば買主は最長13年の住宅ローン控除を受けられる可能性があります。
この差は買主のメリットに直結するため、仲介で通常の中古住宅を購入するよりも「買取再販住宅」の方が買主にとって魅力的に映るケースがあります。
その結果、仲介ではなく買取を選択することで「買主が早く決まりやすい」「一定の価格を維持しやすい」といった恩恵を受ける可能性があり、築年数が古い物 件などでは特に「買取を選んで正解」になることがあります。
買取保証付仲介という方法もある
買取と仲介についてまとめると、
- 買取は「条件がまとまればすぐに引渡しできるものの、相場より安い価格での売却となる」
- 仲介は「相場価格で売却できる可能性があるものの、いつ売買契約が成立するかわからない」
というのがそれぞれの売却方法の特徴です。
各方法でメリットとデメリットがはっきりしているため、物件の状況や売却までのタイムリミットに応じて使い分けるとよいでしょう。
なお、不動産会社によっては双方の良いとこ取りをした買取保証(売却保証)付仲介という売却方法を用意している場合もあります。
この売却方法では、最初に不動産会社の買取査定を受けておき、「3カ月間仲介で売却が成立しなければ査定した価格で買い取ってもらう」という流れになります。
仲介の段階で買主がまとまれば高く売却できますし、仮に売却に期限があるような場合でも最初に設定した期間が経過すると、当初の査定額で買い取ってもらうことができます。
ただし、不動産会社の都合で買取の段階になって査定額が変更されることもあります。
不動産会社が買い取りたい物件の場合は、売却活動を積極的に取り組んでもらえない場合がある点にも注意が必要です(仲介手数料よりも、買取再販の利益額が大きいため)。
また、買取保証で売り出す場合、自分で他の買取業者を探して、その会社と契約する「自己発見取引」ができない専属専任媒介契約を結ぶケースがほとんどです。
買取保証では、契約条件や仲介で売れなかった場合の買取額について、しっかりと確認してください。
▼関連記事

エリア別の戸建て買取価格相場(予想)
国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」には、アンケート回答やレインズ(不動産会社用の物件情報サイト)の情報を集計して、不動産の成約情報(売買価格や面積、築年数など)が記録されています。
以下では、不動産情報ライブラリに登録された各都道府県ごとの戸建て(建物+土地)売買価格の情報から、不動産会社による買取で成約した場合にいくらぐらいになるかの予想価格をご紹介します(市場で取引された価格の70~80%を買取価格の予想値として表示)。
北海道・東北
北海道・東北エリアの一戸建て買取価格(予測)
関東
関東エリアの一戸建て買取価格(予測)
北陸・甲信越
北陸・甲信越エリ アの一戸建て買取価格(予測)
東海
東海エリアの一戸建て買取価格(予測)
近畿
近畿エリアの一戸建て買取価格(予測)
中国・四国
中国・四国エリアの一戸建て買取価格(予測)
九州・沖縄
九州・沖縄エリアの一戸建て買取価格(予測)
「仲介」よりも「買取」を選ぶべき戸建て住宅の8つの特徴
ここまで買取と仲介の違いを解説してきましたが、実は戸建て住宅の場合、個別性の高さから査定が難しいこともあり、仲介では査定額通りに売れない傾向にあります