「不動産を売ってください」「あなたのマンションを○○万円で購入希望の方がいます」といったチラシや手紙がポストに投函された経験を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、こうしたチラシを撒く業者の目的や注意点などを解説していきます。
定期的にチラシや手紙が投函されるけど、問い合わせしてみようか迷っているといった方は、本記事の内容を参考にされてください。
「不動産を売ってください」のチラシや手紙は怪しい？
「不動産を売ってください」「あなたの家が今なら高く売れます」というチラシは怪しいようにも感じますが、実際のところどうなのでしょうか？
ここでは、チラシの内容や業者の目的など見ていきたいと思います。
チラシの内容
「不動産を売ってください」というチラシの内容でよくあるのが、「このマンションの購入を希望されている方がいます」といったものや「〇〇〇〇万円ですぐに買い取ります！」といったものでしょう。
特に都心のマンションでは、購入時より売却時の価格が高くなる可能性もあり、こうしたチラシを受け取って真剣に悩んだ経験のある方もいらっしゃるかもしれません。
チラシを撒く目的
こうしたチラシを業者が撒く目的はどういったものなのでしょうか。
実際、チラシを受け取った人は自分のマンションがこんなに高値で売れるなら…と売却を検討する方もいらっしゃるでしょう。
そして不動産会社がチラシを撒く目的は、まさに「不動産の所有者に売却を検討してもらう」ことです。
つまり、耳障りのよい言葉で何とかマンションの所有者から連絡を貰おうと考えているのです。
なぜ「不動産を売ってください」のチラシや手紙が撒かれるのか？
不動産会社が「不動産を売ってください」のチラシを撒く目的についてお伝え しました。
ここでは、改めてなぜそういったチラシが撒かれるのか、その理由について見ていきたいと思います。
チラシを撒いて売却物件を探す理由
不動産会社が売り物件の持ち主を探すことは業界用語で「物上げ」と呼ばれますが、不動産会社がチラシを撒いて物上げをする理由は、売却物件を見つけて売買を成約させれば、仲介手数料を得られるからに他なりません。
あるいは、不動産会社が直接マンションや土地を買い取って、リフォームやリノベーションなど手を加えて再販するケースも考えられるでしょう。
実際のところ、たくさんチラシを撒いたところで反応が返ってくるのはごくわずか。
このため、不動産会社側は利益が得られそうな不動産の所有者に手当たり次第チラシを入れているのが実情です。
もちろん、売主側も売却したいと思っていて、そこに不動産会社が手伝ってくれるというのであれば問題ないと考えるかもしれません。
しかし、不動産会社側の目的はあくまでも利益を得ることです。
場合によっては、おとりチラシといって、反応のあった方に別の不動産を売却したり、相場より安い価格で買い取ったりといったことがなされる可能性もある点に注意しなければなりません。
不動産会社がチラシ以外で売却物件を探す方法
不動産会社はいつも売却物件を探しているため、チラシ以外の方法で営業をかけることもあります。
具体的には、電話やメール、訪問などが挙げられるでしょう。
いずれの方法でも、基本的には不動産会社は自社の利益の ために動いています。
それ自体は違法ではありませんが、セールストークに安易に飛びついてしまうと、損をしてしまうかもしれません。
▼関連記事
なお、信頼できる不動産会社に売却を依頼したい方は、査定額を確認した後、自分が選択した会社にのみ個人情報を伝える「イエウリ」がおすすめです。
過去の査定額の精度や、成約実績を基に、安心して取引できる不動産会社をご紹介します。
悪質な業者に注意！チラシの連絡先に電話したらどうなる？
チラシを撒く不動産会社が全て悪質な業者というわけではありませんが、ここでは、悪質な業者に連絡してしまった場合に起こりうる問題について見ていきたいと思います。
- 高い査定額を提示される
- 高い額で売却できず値下げした額で契約が決まってしまう
- 買取保証をつけられてしまうケースもある
高い査定額を提示される
「マンションを売ってください」といったチラシには〇〇〇〇万円で売れますという具体的な金額が書かれていることがあります。
この金額は、相場より高い金額が書かれているのが一般的です。
このため、実際に連絡をして査定を受けることになった場合でも、相場より高い査定額を提示されることになります。
査定額はあくまでも査定額であり、実際に売れる額ではありません。
高い額で売却できず値下げした額で契約が決まってしまう
高い査定額を提示されたとしても理由もなく相場より高い額が設定されていては、そのまま売却が決まることはほとんどないでしょう。
実際に売りに出しても、長期間買主が現れなければ値下げするしかありません。
売却が長期化 すると「売れ残り感」が出てしまいます。
これにより、最初から相場程度の価格で売りに出すよりも最終的な売却価格が安くなってしまうといった可能性があるのです。
売主としては、最初にチラシに投函された額と大きな開きが出てしまうこともあり、ダブルで大きなダメージを負うことでしょう。
▼関連記事
買取保証をつけられてしまうケースもある
不動産会社によっては、買取保証を付けられてしまうケースがあります。
買取保証とは、最初に仲介で出してみて、一定期間売却できない場合には不動産会社が直接買い取るというもの。
制度自体は、売主にメリットがあるものですが、悪質な不動産会社による買取保証には注意が必要です。
最初から、到底仲介では売れない価格で売りに出して、結局売れなかった場合に相場より低い価格で買い取るといったケースもあるのです。
買取保証をお願いする際には、仲介で売りに出すときの価格と、最終的に買い取りしてくれるときの価格、両方が適正なものなのかどうかよく確認するようにしましょう。
一般的に、仲介取引で得られる手数料よりも、買取で安く仕入れてリフォーム後に再販売する方が、利益が大きくなります。
そのため、一見売主に有利なように見えて、実は自社の利益を上げるために買取保証を持ち掛ける不動産会社があるのです。
不動産会社はどうやって所有者の情報を得ている？
チラシではなく、「〇〇様」と自分宛ての手紙が届いた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
不動産会社からマンションなど不動産の買取について連絡を受けるとき、不動産会社はどのようにして所有者の情報を得ているのでしょうか。
ここでは、代表的な3つの方法をご紹介します。
登記簿謄本から情報を得る
まずは登記簿謄本から情報を得る方法です。
不動産の所有者は、登記簿謄本にその情報が記載されており、法務局にいけば誰でも情報を閲覧できます。
不動産の所有者の欄から氏名や住所といった情報を取得して、チラシを投函したり訪問したりといったことが可能なのです。
相続登記情報の確認
不動産の所有者が亡くなって相続が発生した場合、不動産の相続登記が実施されます。
登記簿で相続登記を確認し、「相続で取得した不動産を売りたい」と考える見込み客に対して、法務局で開示した情報を基にDMを作成するのです。
前述の通り、登記簿の情報は誰でも閲覧・取得できるため、不動産会社向けに相続登記の情報を販売している名簿業者も存在しています。
▼関連記事
マンションの管理人から聞き出す
これは違法行為ですが、マンションの管理人にお金を支払うなどして、情報を取得しているケースがあると言われています。
場合によっては、最近のマンション内の成約事例など事細かに話されているケースもあるでしょう。
レインズの成約事例を確認する
最後は、レインズの成約事例を確認する方法です。
レインズとは、不動産会社が共通して利用できる媒体のことで、直近でどのマンションが売れたかといった成約事例を確認することができます。
その情報を元に、今どの部屋に住んでいるのかといったことを把握して、チラシを投函します。
本当にマンションや土地を売却したいならどうする？
「不動産を売ってください」といったチラシがポストに投函されたとき、そこに書かれている内容が魅力的だとつい連絡を取りたくなることもあるでしょう。
しかし、悪質な業者である可能性もあり、「不動産を売ってください」というチラシに書かれている連絡先に連絡を取るのはおすすめできません。
それでは、本当に不動産を売却したいときはどうすればよいのでしょうか。
まずは自分で売却相場をリサーチする
まずは、自分で売却相場をリサーチするようにしましょう。
売却相場を理解していれば、「不動産を売ってください」といったチラシに希望価格が書かれていても、自分である程度判断することができます。
売却相場を調べる方法としては、以下のようなものがあります。
- 大手不動産情報サイトで近隣の物件情報を調べる
- 国土交通省の情報サイトやレインズで成約価格を調べる
まず、大手不動産情報サイトで、近隣で売りに出されているマンションの情報を検索してみましょう。
特にマンションの場合は、1つの建物内に間取りなど条件の似た部屋が多くあることから、これだけである程度相場を把握できます。
ただし、このやり方では「現在売りに出されている価格」しか調べられません。
つまり、実際には売りに出されている価格から値引きや値下げなどされる可能性があるのです。
このため、国土交通省の不動産情報ライブラリ（旧：土地総合情報システム）やレインズの成約価格も調べてみるとよいでしょう。
不動産情報ライブラリやレインズでは、過去に実際に成約された価格を調べることが可能です。
複数の不動産会社に問い合わせしよう
実際にマンションの売却を検討しているのであれば、複数の不動産会社で査定を受けてみるようにしましょう。
こうすることで、不動産会社ごとに異なる査定額の提示を受けることができ、相場を把握することができます。
しかし、複数の不動産会社に1件1件査定依頼を出すのは手間です。
そうしたときは一度に複数の会社に査定を依頼できるサービスを利用するとよいでしょう。
特に、イエウリは物件情報を入力するだけで最大数十社から査定を受けることが可能で、査定を受けた後、気になる不動産会社に直接連絡を取ることができます。
実際に不動産の売却を検討しているのであれば、まずはイエウリを利用してみることをおすすめします。
【完全無料】「イエウリ」で不動産査定に申し込む▼関連記事
「不動産を売ってください」というチラシ・DMに関するよくある質問（FAQ）
「不動産を売ってください」と書かれたチラシは信頼できるのでしょうか？
実際にその物件を購入希望している場合もありますが、高めの価格を提示して興味を引くことが目的の場合もあります。最終的には相場に近い価格での売却になるケースが多いため、慎重に判断しましょう。高すぎる査定額の注意点もあわせてご確認ください。
なぜ不動産会社は「売ってください」というチラシやDMを配布するのですか？
不動産会社は新たな売却案件（物件）を確保するために「物上げ」を行います。チラシやDMで売却の意思がある人とつながり、不動産売買の仲介や直接買取に結び付けることが主な目的です。
「〇〇万円で買い取ります」といった具体的な金額が書かれているのは本当ですか？
高めの査定額がチラシに記載されていることが多いですが、これはあくまで参考価格です。実際に売却価格として成立するわけではないため、他社の査定額と比較し、相場に見合った価格かどうかを確認することが大切です。
チラシやDMに書かれてい る高額査定が実際の売却価格に反映されることはありますか？
実際に反映されることは少ないです。最初に高額を提示して売却依頼を得ることが目的のケースが多く、売却が長期化するうちに価格が下がることもあります。
悪質な業者に引っかからないためにはどうすれば良いですか？
実績が豊富で評判が良い不動産会社を選ぶのが重要です。また、複数社に査定を依頼し、対応や査定根拠を確認することで、信頼できる業者を見極めることができます。
不動産会社はどのようにして所有者の情報を取得しているのでしょうか？
不動産会社は登記簿謄本や相続登記情報などを利用して、所有者情報を調べています。これらの情報は法務局で一般公開されているため、合法的に取得されていますが、稀に違法な手段で情報収集をするケースもあるため、注意が必要です。
不動産を売りたい場合、チラシやDMの不動産会社に問い合わせるべきですか？
チラシやDMに記載されている不動産会社に問い合わせるのも一つの方法ですが、他社の査定も含め、複数の査定結果を比較する方がより正確な相場が把握できます。
「物件の買取保証付き」と書かれている場合、どのような点に注意すべきですか？
買取保証では最初に高額な査定が提示されても、一定期間売却できない場合、低い価格での買取が設定されていることがあります。買取保証付きの売却を依頼する際は、売却期間や最終買取額などの条件を必ず確認しましょう。詳細は、不動産の「買取保証」はどんなシステム？をご覧ください。
周囲に売却の意思が知られるのは避けたいのですが、どうすれば良いですか？
不動産会社には、物件情報の開示方法を配慮するように依頼できます。ただし、ポータルサイトやレインズでの露出を減らすと売れにくくなり、売却が長期化するリスクがあります。
複数の不動産会社に同時に査定依頼をする方法はありますか？
複数の会社に一括で査定を依頼するサービスがいくつかあります。例えば「イエウリ」では最大数十社からの査定を受け、査定後に気になる業者とだけ連絡を取れるため、効率的かつ納得いく業者選びが可能です。
本当に不動産を売りたい場合、チラシ以外にどのようにして不動産会社を探せば良いですか？
ポータルサイトや不動産一括査定サイトを利用し、近隣物件の取引相場を調べたうえで複数の業者に査定を依頼するのが良いでしょう。また、信頼できる業者を慎重に選びたい場合は、過去の成約実績や口コミなども参考にしましょう。
「イエウリ」では過去の実績を考慮した優良業者をご紹介しますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
「不動産を売ってください」のチラシについて、解説しました。
こうしたチラシの全てが悪質というわけではありませんが、損をしてしまうことのないよう、実際にマンションを売却したいと考えているのであれ ば、自分から動くことをおすすめします。
特に、イエウリを利用すれば一度に数十社の不動産会社に査定を依頼できるため、効率的かつ高値で売却できる可能性が高くなるといったメリットがあります。
不動産の売却を検討されている方は、イエウリの利用からはじめてみてはいかがでしょうか。
