自分の家を持つことは、多くの人にとって人生の大きな目標の一つではないでしょうか。しかし、その際に組む住宅ローンについて、しっかりと考えていますか?
「なんとかなるだろう」と思って多めに借りてしまうと、後々生活が苦しくなり後悔することになるかもしれません。
そこで当記事では、住宅ローンを借りすぎて後悔する理由と、借りすぎないための対策や返済が厳しくなったときの対処法について詳しく解説します。
これから家を買おうと考えている方や、すでにローンを組んでいる方も、ぜひ参考にしてください。
住宅ローンで無理な借入をしてしまう理由8選
住宅ローンを組む際に、ついつい必要な額よりも多く借り入れてしまい、後々の返済が厳しくなるケースが少なくありません。
住宅ローンを借りすぎる理由には、次のようなものがあります。
- 将来の収入が増える前提で計画を立てる
- ボーナスがずっと続くと思い込む
- 子どもの教育費や老後の費用を見落としている
- 家族の人数が増えることを想定していない
- 変動金利のリスクを理解していない
- 自分の収入に合わない高額な家を選んでしまう
- 友人や親の意見に流されてしまう
- ローンの細かい条件をしっかり確認していない
では、なぜこのような状況に陥るのか、主な理由を以下で詳しく解説します。
1.将来の収入が増える前提で計画を立てる
住宅ローンを組む際「将来的に収入が増えるだろう」という前提で計画を立てる人が少なくありません。
例えば「昇進して給料が上がるだろう」や「副業をする予定だから収入が増えるはず」といったケースです。
しかし、実際には予想に反して収入が増えない場合も多く、計画通りに返済が進まず辛い思いを強いられることになります。
2.ボーナスがずっと続くと思い込む
ボーナス払いは月々の返済負担を抑えるために有効だが、景気の悪化・業績の低迷・転職などでボーナスが出なかったり、減ったりすると返済が苦しくなってしまう。
ボーナスを住宅ローンの返済に充てている人も多いのではないでしょうか。基本的に年2回支給されるボーナスは、金額も大きく返済できる額も多くなります。
ボーナス払いを利用することで、住宅ローンの完済が早く済むことは間違いありません。
しかし、そればかりをあてにするのはお勧めしません。なぜなら、ボーナスが将来も同じように支給されるとは限らないからです。
景気の変動や会社の業績によってボーナスが減額されたり、最悪の場合支給されなくなることもあります。
ボーナス払いを前提にしてローンを借りすぎると、ボーナスが支給されなかった場合に返済が困難になります。
▼関連記事:ボーナス払いのデメリット
3.子どもの教育費や老後の費用を見落としている
子どもの教育費や老後の生活費を考慮せずに住宅ローンを借りすぎたために、返済が困難になるケースもあります。
家を購入する段階で子どもが小さいと、教育費はそれほどかかりません。しかし、子供が成長するにつれて学費や習い事などの費用が増加します。
文部科学省の調査によれば、子ども一人が幼稚園から大学まで公立校に通った場合、教育費の総額は約819万円、私立校の場合は約2,250万円とされています1。
進学先や習い事、塾などによっては、さらに費用が増加するでしょう。
さらに、老後の収入減少も軽視できません。定年後は働き盛りの頃と比べると、どうしても収入が減ってしまいます。
早い段階でローンを完済していれば問題ありませんが、定年後もローンが残っていた場合、返済が難しくなる恐れがあります。
4.家族の人数が増えることを想定していない
家を購入した後に家族が増えることを考えていないと、ローン返済で後悔することがあります。
例えば、共働きの夫婦が住宅ローンを組んで家を購入したとしましょう。夫婦2人だけの生活であれば、安定した収入があるため、無理なく返済を続けることが可能です。
しかし、その後に子どもが生まれた場合、妻が育児休業を取ったり、育児のために仕事を辞めるかもしれません。そうなると、状況は一変します。
収入が夫1人分に減ることで、家計の負担が増えてローンの返済が厳しくなるでしょう。さらに、子どもの成長とともに教育費や生活費が増えるため、初めは余裕があった家計も、徐々に圧迫されてしまいます。
5.変動金利のリスクを理解していない
住宅ローンの金利、特に変動金利について理解が乏しいために、後悔するケースもあります。
変動金利は固定金利と比べて金利が低くなることから、毎月の返済額も少なく済むと考えがち。 しかし、変動金利は市場の動向や経済状況によって金利が大きく変動する事があります。
金利が低いうちはローンの返済も楽ですが、金利が上昇すると毎月の返済額も大きく増えてしまいます。
2025年現在は金融政策の転換期にあり、住宅ローン金利にも影響する日銀の短期プライムレートが引き上げられました。
金利上昇のトレンドは今後も続く可能性がある点に注意しましょう。
6.自分の収入に合わない高額な家を選んでしまう
自分の収入に見合わない高額な家を選んだために、住宅ローンの支払いで後悔するケースもあります。
せっかく家を購入するなら、自分の理想を詰め込みたくなるものです。住宅ローンを借りることができれば、夢のマイホームを購入することも十分に可能でしょう。
しかし、予算を大幅に超える物件を選んでしまうと、その後の返済で後悔することになります。
たとえ自分の家が持てたとしても、返済のために生活費や娯楽費、子どもがいれば教育費も削ることになるでしょう。
返済が滞れば、苦労して購入した家を手放さざるを得なくなるかもしれません。
7.友人や親の意見に流されてしまう
友人や親の意見を聞きすぎるのも、住宅ローンの返済で後悔する原因になります。
家の購入は自分だけでなく親や友人にとっても大きなイベントです。自分のことでなくても、ついつい口をはさみたくなってしまうもの。
例えば友人から「将来を見据えて広い家を選ぶべきだよ」と勧められたり、親からは「家族が増えるかもしれないから、大きめの家が安心だ」と言われるかもしれません。