人生の中でも高い買い物であるマンション。「マンション購入費用はできるだけ抑えたい…」そう思っている方も多いでしょう。
しかし、マンション購入は費用を抑えることだけに重点を置いていたら思わぬことで失敗してしまう可能性があります。中古マンションを購入する前には、確認しておきたいポイントがいくつかあるものです。
本記事では、中古マンションを購入する前の注意点を失敗例とともに詳しく解説します。
中古マンションの購入のポイントを理解し、理想の中古マンションを手に入れられるようにしましょう。
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中古マンションは「新築より安い」という大きなメリットがありますが、物件の劣化や不具合などがないか心配な方も多いでしょう。
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安い中古マンション購入でよくある失敗例5選
中古マンションは、新築マンションよりも比較的安い値段で購入できます。
現在は、リフォームやリノベーションも進み、築年数が経過しているマンションでも快適に過ごせる物件も多くあります。
また、自分で好きなようにリフォームすることで、理想の生活を過ごせるため、中古マンションは人気の高い傾向にあるのです。
しかし、新築よりは安いといっても高額な費用が掛かる中古マンション購入。
せっかく購入するからには、できるだけ費用を抑えつつも失敗したくないものでしょう。
ここでは、そうした方に向けて、安い中古マンションの購入でどのような失敗例があるのかをご紹介します。
修繕積立金が高い・あるいは将来高くなってしまう
マンションは、一般的に10年~15年を目処に大規模な修繕計画が立てられます。
その修繕のための費用として、修繕積立金が毎月徴収されるのです。
この修繕積立金は、築年数が古くなるにつれ高く設定されるのが一般的です。
修繕計画は5年ごとに見直されることが一般的で、その見直しと同時に積立金の値上げという場合もあります。購入時は修繕積立金が安くても、後々高い金額が徴収されてしまう可能性があるので注意が必要でしょう。
修繕積立金は、毎月のローンとは別に支払う必要があるので積立金が高いと生活を圧迫してしまうものです。無理のない支出ができるよう、修繕積立金の支払い計画も考慮しておく必要があります。
騒音がひどい
よくあるマンショントラブルが「騒音問題」でしょう。
隣や上の住人の生活音に悩 まされストレスがたまるだけでなく、近隣トラブルに発展するというケースもあるのです。
とくに、築年数の古い中古マンションは音が漏れやすく、トラブルになりやすい傾向にあります。騒音問題は、住んでみなければ分からない問題でもあるので、できるだけ事前に確認し、対策しておく必要があるでしょう。
結露がひどい
外気温と室内の気温の差で発生する水蒸気が原因の結露。結露は放置しておくとカビが発生し、壁や床・家具などが傷む原因となります。
また、発生したカビを吸い込むことでアレルギーや喘息といった健康の影響が出る可能性も。
特にコンクリート造りの中古マンションは、木造マンションよりも気密性が高く結露が発生しやすい傾向があり注意が必要でしょう。
配管から水漏れしてしまう
中古マンションは、リフォームやリノベーションされ内装は新築同様にきれいという物件も多いものです。
しかし、見た目がきれいでも内部が劣化しているケースも多くあります。特に、給水・排水菅は経年劣化により錆の発生や水漏れ・異臭などの問題に発展しやすいもの。
給水・排水管には寿命があるため、築年数の古いマンションは注意が必要でしょう。見た目がきれいだからと安心せずに、見えないところも確認することが大事です。
旧耐震基準で耐震性に不安がある
内装がきれいで立地条件も良く安いマンションだったと喜んでいたら、耐震基準が旧耐震基準だったというケースもよくあります。
建物が地震の揺れにどれだけ耐えられるかの基準である耐震基準。現在の新耐震基準は1981年6月に施行されています。そのため、それ以前に建築された物件は旧耐震基準が適用されているのです。
耐震基準は日常生活の中では大きな問題とはならないでしょう。
しかし、一度大きな地震が発生すると建物だけでなく、命にもかかわる大きな問題でもあります。旧耐震基準だからと言って、地震に耐えられないわけではありません。
古い物件でも、耐震補強がしっかりされたものもあるので、耐震性の確認を必ずするようにしましょう。
購入前の注意点1:修繕積立金の額と長期修繕計画を確認する
ここからは、中古マンションを購入する際 の注意点について紹介していきましょう。
まず、確認しておきたいのが「修繕積立金の額と長期修繕計画」です。
修繕積立金と大規模修繕
マンションは築年数が経過すると劣化していくものです。
その劣化を修繕するための計画が「大規模修繕計画」であり、10年~15年を目処に多くのマンションで大規模修繕計画が立てられています。
その大規模修繕をするための費用が、修繕積立金です。
築年数が古くなるほど修繕に必要な費用は高くなる
築年数の古いマンションは、それだけ修繕にかかる費用は高くなるものです。
そのため、築年数が古くなるほど修繕積立金も高くなるのが一般的でしょう。
特に、大規模修繕の前後で金額が高くなる傾向があります。
大規模修繕の実施については「大規模修繕計画」を確認できるので、購入前に計画を確認するとよいでしょう。
修繕積立金が不足すると入居者が手出しするケースも
マンションの劣化によっては修繕の規模が大きくなり、それまでの修繕積立金では賄いきれない場合があります。
その場合は、不足分を入居者に追加で徴収する可能性が高いでしょう。
また、積立金の徴収ができておらず、積立金が不足している場合も追加徴収の可能性があります。
前の住人が積立金を滞納している場合は、次の住人がその分を負担しなければならない場合もあるので注意が必要です。
積立金は負担が大きいですが、積立金が徴収できないと、修繕計画が実施できない場合もあり、それはそれでマンションを維持できないので問題となります 。
修繕積立金の徴収状況は、「決算書」などで確認できるものです。修繕計画とともに積み立て状況も確認し、支払い計画を立てるとよいでしょう。

購入前の注意点2:昼だけでなく朝と夜の状況を確認する
騒音問題や近隣トラブルの対策としては、昼だけでなく朝と夜の状況を確認することをおすすめします。一般的に内見は、休日の昼間に行うことが多いものです。
しかし、昼間と夜や平日と休日では周辺の状況がガラッと変わることもよくあります。騒音問題は、内見時 だけでは判断できず住んでみなければ分からないことも多くあるものです。
可能な限り、時間帯をずらして周辺などの状況を確認するとよいでしょう。
時間帯により子供の騒音が大きいケースがある
近隣に子供がいる家庭がある場合、時間帯によって騒音が大きく異なる場合があります。
平日の日中は学校に行っているため静かだけど、朝夕の登下校時や休日は子供の騒音が気になるというケースもあるでしょう。
また、近くに小学校などがあると昼休みの時間の音が気になるということもあります。
同様に、近くに病院や消防署がある場合も、救急車や消防車の音がうるさいということもあるので注意が必要でしょう。
長く同じマンションに住むだけにクレームを言いづらい
マンションは一度購入したら、そう簡単には引っ越ししにくいものです。
近隣の住人も同様で引っ越しする可能性はあまり高くなく、基本的には長い付き合いになるでしょう。
騒音問題を指摘する場合、住人によっては受け入れてもらえずトラブルに発展する可能性もあります。
「長い付き合いになるからできるだけ穏便にしたい」という思いから、騒音問題を指摘するのをためらわれるという方もいらっしゃるのです。
泣く泣く売却という選択をすることも
騒音問題が解決せず生活がストレスになる場合や、近隣トラブルにまで発展した場合、売却して引っ越ししなければならないということもあります。
中古マンションは、新築マンションと異なり事前に住人の様子を確認できるものです。購入前に、売主に騒音や近隣トラブルなどを確認するとよいでしょう。
また、エントランスや駐車場・ゴミ捨て場などを確認することもおすすめです。それらの共有部分は、住人のモラルやマナーが現れるので、住人の雰囲気をある程度感じられます。
騒音問題は、遮音材を使うなどである程度防げるものですが、自分でできる対策にも限界があります。
周辺環境を変えることは難しく、また、騒音を出していることを気にしない住人が隣人では、その後の生活への苦労も多くなるでしょう。
事前に、可能な限り住人や周辺の様子を確認し騒音状況を把握する必要があるのです。
購入前の注意点3:サッシ回りの状況を確認する
結露は内見時にその状況を見ることは難しいものです。
結露があるのかどうかの確認としては、サッシ周りの状況を確認することを有効でしょう。
サッシ回りのカビの状況を確認しよう
結露を放置するとカビが発生しやすくなります。
サッシ周りにカビが多い場合は、結露しやすいです。中古マンションで結露が発生する場合は、断熱性を高めるリフォームが必要になります。
壁の断熱材や二重窓にするなどで、外気温と室内の気温差を小さくすることで結露の発生を防止できます。
できれば梅雨時期に確認できるとベスト
結露がより多く発生するのが梅雨時期です。可能であれば、梅雨時期に結露の状態を確認するのがベストでしょう。
しかし、梅雨時期に合わせて内見して物件を決めるというのは実際には難しいものです。
不動産会社や売主に梅雨時期の状況を含め、結露を確認するようにしましょう。
購入前の注意点4:管理組合のメンテナンス実施状況を確認する
給水・排水管の劣化トラブルへの対策は管理組合のメンテナンス実施状況を確認するとよいでしょう。
給水・排水管は、目で見て確認することが難しい部分でもあります。
マンション購入前に、交換時期や管の種類などを確認する必要があるのです。
共有部分の配管は管理組合がメンテナンスする
給水・排水管はマンションの共有部分を通っているものと、個人の専有部分を通っている部分に分けられます。このうち、共有部分を通っているものは、管理組合がメンテナンスするものです。
定期的に高圧洗浄されているのかなど、定期メンテナンスの状況を確認するようにしましょう。
室内の配管は入居者がメンテナンスする
室内など個人の専有部分を通る配管は、入居者がメンテナンスする必要があります。
配管の種類によっても異なりますが、一般的な銅管の場合その寿命は30年ほどです。
そのため、築30年以上の物件の場合は配管の交換を検討する必要があります。
入居前のリフォームも検討しよう
配管交換は床をはがす工事が必要となるので、入居前のリフォームなどのタイミングで同時に行うことをおすすめします。
築年数が30年たっていない場合でも、入居の段階で後々のことを考慮して配管の確認・交換を検討してもよいでしょう。
購入前の注意点5:築年数を確認しておく
耐震基準は、1981年以前の旧耐震基準とそれ以降の新耐震基準に分かれます。
築年数を確認し、どちらの耐震基準が適用されているのか確認しましょう。
旧耐震基準のマンション
旧耐震基準である築40年以上のマンションは多く存在します。
国土交通省によると、平成30年末時点で全国にマンションストックは約654万戸あり、そのうち築40年以上のマンションは81.4万戸です1。
耐震基準は「最低限満たすべき基準」であり、旧耐震基準だからと言って危険というわけではありません。旧耐震基準でも、耐震性が高い物件もあるでしょう。
反対に、新耐震性であっても地盤がもろい場合などは注意が必要となるのです。
耐震リフォームは敷居が高い
旧耐震基準で地震の際に不安がある場合、耐震リフォームを検討するのも一つの手といえます、
しかし、築年数の古いマンションは、マンション全体の耐震工事が必要になるケースもあり、その場合は実現させるハードルはかなり高いです。
個人の専有部分だけ耐震補強することも可能ですが、マンション自体が耐震性に不安がある場合にはあまり耐震効果を得られない可能性もあります。

ハザードマップも確認しておこう
地震に対しての対策としては、耐震基準だけでなく物件の管理状態や物件が建っているエリアなど総合的に確認する必要があります。
地震の揺れやすさや大雨での水害の影響などは、ハザードマップと呼ばれる地図を確認することが、危険性が分かります。
ハザードマップとは、自然災害の被災想定エリアや避難場所などが記された地図のことを言います。
市役所などで入手できるので、検討している物件のエリアの危険性を確認するとよいでしょう。

まとめ
中古マンションを購入するときに失敗例や注意点をお伝えしました。中古マンションには、騒音問題や配管劣化・修繕積立金の問題などさまざまな問題があるものです。
中古マンションを安く購入しようと価格だけを重視してそれらの問題を見逃すと、後々失敗だったということにもなりかねません。
マンションは一度購入すると、失敗だったでは済まされないため、購入前にはしっかり確認する必要があるのです。
本記事を参考に、中古マンション購入前の注意点を理解しておくことをおすすめします。