不動産をできるだけ高値で売却するための方法の一つとして、不動産の一括査定を利用することが挙げられます。しかし、不動産の一括査定サイトには、利用する上でのデメリットも少なくありません。
自分の希望価格で不動産を売却したいと考えているならば、一括査定を利用する際のデメリットや注意点をしっかりと理解しておくことが重要です。
不動産一括査定サイトのデメリット概要
この記事で解説する、不動産一括査定サイトの主なデメリットを以下にまとめました。
- 不動産会社からの電話連絡などの対応に手間がかかり、しつこい営業が来ることもある(電話を無視すると1週間で60回以上着信が来る可能性も)
- 不動産の一括査定で確認できる「査定額」は目安の価格で、売れる金額とは限らない(売買金額は最終的に買主との交渉で決まる)
- 複数社の査定額を比較するのは相場を知るために重要だが、高い査定額の会社と契約すれば高く売れるわけではない(販売を任せてもらうために、高めの査定額が提示される可能性がある)
- 「売るつもりはないけど価格が知りたい」ときに適したサービスではない(価格だけ知りたい方はAI査定が便利)
一括査定サイトは、サービスの仕組みや不動産査定、売却の流れを正しく理解すればとても便利なサービスですが、それらを知らないとデメリットも多く、結果的に損をしてしまう可能性があります。
この記事で不動産の一括査定を正しく理解して、売却の成功に繋げましょう。
不動産の一括査定とは?押さえておきたい4つのポイント
不動産一括査定サイトを使うときは、自分の所有する不動産の情報などをインターネットの一括査定サイトに入力します。
そして、その情報をもとに複数の不動産会社から、「その物件であれば当社ではこの金額で売ることが可能です」などの提案を受けることができるのです。
単純な入力作業のみで複数の不動産会社から査定を受け、物件の価格を比較的簡単に知ることができるのが大きなメリットです。
1.不動産の一括査定の仕組み
不動産の一括査定の仕組みは非常にシンプルです。
まず、一括査定のサービスを行っているサイトにアクセスします。
そして、以下のような査定に必要な物件情報を入力します。
- 土地面積(戸建て、土地の場合)
- 建物面積(マンションの場合は占有面積)
- 住所、部屋番号
- 築年数
- 構造
物件情報を入力した後、不動産会社からの連絡を受けるために、メールアドレスや電話番号を登録します。
入力された連絡先は不動産会社に転送され、物件情報を基に査定が行われます。
その後、不動産会社から、売却を検討している方へ査定価格が通知される流れです。
自分で複数の不動産会社に査定を依頼する場合、各社のホームページから申し込んだり、申し込みフォームの無い会社であれば、メールや電話で査定希望であることを直接伝えたりしなければいけません。
上記のような手間が省けるという点で、売主にとって不動産の一括査定サイトはとても便利なサービスです。
不動産会社から見た一括査定サイトのデメリットが、売主に影響している側面がある。
ただし、一括査定サイトから各社に物件と売主の情報が送られる際に、不動産会社は手数料を支払っています。
不動産会社にとって一括査定サイトは、売却希望の売主と契約を結んで、成約後に手数料を受け取るための営業ツールである点は押さえておきましょう。
売主が一括査定サイト経由で査定依頼をするのは無料なので、「まだ売却するつもりはないけど、なんとなく自分の家がいくらで売れるか気になった」というように気軽に利用している人も多いです。
「〇〇市の不動産相場が高騰中! あなたの家も〇〇万円で売れるかも?」といったニュアンスの広告を目にして申し込みを検討した方もいるかもしれません。
登録している不動産会社の立場から見ると「一括査定サイトに申し込んだ売主には、競合する何社もの連絡があるから、その中から自社を選んでもらわないと反響獲得の手数料が無駄になってしまう」仕組みになっています。
- 他の会社に顧客を奪われないように、何度も連絡する
- 自社を選んでもらうために、成約が見込める相場価格よりも大幅に高い金額を提示する
売主が査定をしてもらうのに手数料は発生しませんが、この仕組みが不動産一括査定サイトを利用する上でのデメリットになっている側面もあるのです(後述しますが、家の売却を検討していない場合はAI査定など不動産会社に連絡先を伝えないサービスで事足りることが多いです)。
なお「プライバシーマークを取得している一括査定サービスは、個人情報の取り扱いが厳重なため安心して利用できる」と言われることがあります。
しかし、そこから選択する不動産会社に住所や氏名、電話番号などの個人情報が送付され、営業活動に使用する目的で個人情報が利用される点に注意しましょう。
2.「机上査定」と「訪問査定」の2種類がある
また、一括査定には2つのパターンの査定があります。
1つは物件の情報を入力し、入力された情報に基づいて快適な査定を行う「机上査定」です。
もう1つは実際に物件を訪問し、物件の状態や周辺の環境を見ながら細かな査定を行う「訪問査定」です。
机上査定(簡易査定)
不動産の一括査定に申し込むと、最初に机上査定が実施されます。
机上査定では「過去の取引履歴や公示価格を照らし合わせて、この条件であればいくらぐらいになる」など、不動産会社ごとに査定でチェックする基準を定めており、スピーディーに査定価格を知ることが可能です。
その分、個別の物件の状態は加味せずに物件価格を算出するため、精度の高い査定価格を出すことは難しくなっています。
そこで、本格的な売り出し前には室内の状態もチェックする「訪問査定」を実施します。
ただし、査定結果を出す前に
この度は、一括査定サイトよりお申込みいただきありがとうございました。詳細な査定金額は後程メールでお送りしますので、まずはご挨拶のお電話を差し上げました。引き続きよろしくお願いします。
といった電話連絡が、一括査定申し込み直後に来る可能性があります。
これは「いち早く売主と接点を持つことで、自社を印象付けて契約まで結びつける」ことを目的とした営業行為です。
一括査定に申し込まれたと思うのですが、家の中を見た方が詳細な金額が出せるので、訪問しても良い日時を教えていただけないでしょうか?
場合によっては、最初から訪問営業の日取りを決めるための連絡が入るケースもあります。
- 不動産会社からの連絡手段は電話・メールどちらになるかを選べるか
- 最初は机上査定の金額を提示してくれるか
一括査定に登録した直後に不動産会社からの電話を受け取りたくない場合は、連絡と査定の方法を選択した上で申し込みできるサービスを利用するようにしてください。
「イエウリ」の場合は、最初から不動産会社に個人情報を教えるのではなく、まずは物件情報のみを伝えて机上査定してもらう仕組みで運営しています。
申し込み後、査定に必要な物件情報を運営が電話・メールのいずれかでヒアリングしますので、電話対応ができない方はメールで ヒアリング事項にお答えください。
イエウリでは、申し込んだ方が指定した日時にヒアリングを実施します。都合により電話対応ができない方には、査定に必要な物件の詳細情報をメールにて質問いたします。
「いきなり何社もの不動産会社から連絡があるのは怖い」という方も、イエウリは安心してお申込みいただけるでしょう。
従来の一括査定のデメリットを解消
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訪問査定(実査定)
不動産においては、同じ築年数であっても、所有者の管理状況や建物の工法次第で、その価値は大きく異なります。
また、住所だけで土地の価格を自動算出する場合も、土地の状態や災害リスクによって価格が変動することがあります。
実際に「同じ町名でも、坂の上と下では需要が大きく違う」といった地域も存在するのです。
そのため、不動産会社の営業担当者が実際に現地を訪れ、物件の内部状態や周辺環境を細かく確認し、精密な査定を行います。
訪問査定では、担当者に現地まで来てもらう必要があり、査定額の提示までに時間がかかるため、即座に売却価格を知ることは難しいです。
しかし、その代わりに、市場の動向や物件の個別状況、売却までの期間や希望額を考慮した信頼性の高い査定額を提供してもらえるため、売り出し価格を決める上での判断材料を得ることができます。
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3.査定を申し込んだ後の流れ
一括査定サイトを利用した後は、
- まずは机上査定で大まかな価格を出してもらう
- 査定価格を見て、自分が「この程度の価格で売りたい」という希望に近い数字を出した不動産会社の話を聞く
- スケジュールを立てて訪問査定に来てもらい、精度の高い査定をしてもらう
- 自分 が「販売を任せられる」と判断した不動産会社と媒介契約を結ぶ
上記の流れに沿って、媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶのが良いでしょう。
5社も6社も訪問査定に来てもらうと時間がかかり、休日がそれだけで潰れてしまいます。
そこで、訪問査定は2~3社に絞り、各社に精度の高い査定価格を出してもらうのです。
こうすれば、効率の良い売却活動を行うことができるでしょう。
4.不動産会社選びに繋げることができる
さらに、一括査定のもう一つの大きなメリットは、信頼できる不動産会社を見極める助けとなる点です。
例えば、根拠もなく単に価格を提示するだけの不動産会社は、信頼性に欠けると言えるでしょう。
一方で、「我々は、この物件と類似条件の不動産取引データを基に査定を行い、この価格を算出しました。さらに正確な評価を行うために、訪問査定をさせていただければと思います」といった形で、明確な根拠を示し、丁寧に対応してくれる不動産会社であれば、より信頼がおけます。
査定の根拠や問い合わせへの対応を通じて、誠実に売却活動を行う不動産会社を見極めることができるという点は、大きなメリットと言えるでしょう。
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不動産一括査定のデメリットと対策
不動産の一括査定にはメリットがたくさんありますが、利用時に注意すべき点もあります。
一括査定の良い点・悪い点の両方を知ることで、売却活動に最適な不動産会社が選びやすくなりますので、確認しましょう。
査定額は「仲介の査定額」で「売却価格」ではない
一括査定サイトを通じて見積もりされる査定額は、基本的に「仲介」で売却することを想定した価格です。
近隣で制約した過去の不動産価格などを参考に「あなたの家はこれぐらいの金額で売れそうですよ」という目安の金額なのです。
仲介とは不動産会社に買主を探してもらうことで、「査定額で不動産会社が買ってくれる=すぐにその価格で売却できる」というわけではありません。
売り出した物件の購入希望者が現れたら内見対応を行い、購入の意思が固まれば価格交渉を経て売買契約→住宅ローンの審査→決済(引き渡し)と言う流れで売却に至るのが一般的です。
不動産会社が直接購入する「買取」という売却方法もありますが、買取の場合は不動産会社が転売する利益分を見込んで価格が提示されるため、仲介の価格よりも安くなってしまうのが一般的です。
買取の相場は仲介の7〜8割程度と言われていますが、需要の少ない物件では大幅に安くなることもあります。
- 仲介の査定額→売り出しの参考にする価格(相場を元に算出)
- 買取の査定額→不動産会社に購入してもらえる価格で、仲介よりも安くなる
複数ある査定額でどれが正しいのか分かりにくい
不動産の一括査定は、複数の不動産会社に査定額を一度にもらうことができるのが大きなポイントです。
しかし、不動産の査定額の幅が広ければ、実際に自分の不動産がどの程度で売れるのか、なかなか把握することが難しくなってしまいます。
市場での適正価格が3,000万円なのに2,000万円の査定額を参考に売ってしまえば、1,000万円を損することになります。
逆に、適正価格が3,000万円なのに4,000万円の査定が出たとしても、市場価格とかけ離れているので、その価格で売れる確率は低いでしょう。
そのため、一括査定を依頼する前に、ある程度は自分で不動産の相場を把握しておかなければなりません。
不動産を売却する際は「チャレンジ価格」といって、まずは相場よりも少し高めに値段設定をしてから、内覧や問い合わせの反応を様子見することがあります。
最終的には値引き交渉を受けることも視野に入れてチャレンジ価格で売り出すことも戦略と言えます。
しかし、高すぎる査定額を参考に売り出してしまうと、売却が長期化してしまうリスクがあるのです。
査定の根拠となる取引事例を不動産会社から提示してもらったり、自分の所有する不動産がどれくらいで売れそうなのか、不動産情報サイトで自分の所有する不動産と同条件の物件がどれぐらいで売りに出されているかを確認したりすることで「本当に売れそうな適正価格」を把握しやすくなります。
▼相場を確認するポータルサイトの例
なお、「イエウリ」で査定する場合は、
- 査定する不動産会社が、査定額の根拠となる取引事例などを提示してくれる
- 複数社が提示した査定額から、自分で相場価格を推測できる
- 各不動産会社の査定の精度を、これまでの実績から運営が把握している
というメリットがあるため、自分で相場を調べる手間も最小限に抑えることができます。
イエウリ で不動産の無料査定に申し込む大まかな相場を事前にチェックしておけば、大きな価格のずれは起こりにくくなります。
査定を依頼できるのは登録業者のみ
ここで注意したいのは、一括査定サイトを通じてすべての不動産会社に査定を依頼できるわけではないことです。
不動産会社は物件情報を受け取る際に手数料を支払い、一括査定サイトを利用しています。
逆に、手数料を払いたくない不動産会社は、一括査定サイトを利用していないのです。
地元の小さな不動産会社は、一括査定サイトを利用していないことも多い
手広くサービスを展開している大きめの規模の不動産会社は登録していることが多いのですが、地域に根ざした営業をしている小規模の不動産会社は登録していないこともあります。
一方で、いわゆる「地場の不動産屋」は地域の顧客を多数抱えており、売却活動に強いこともあるのです。
現在、日本にある宅建業者の数は12万社以上です。
賃貸のみを扱っている会社なども多くありますが、一括査定サイト経由で査定を依頼できる不動産会社は一部でしかありません。
複数の査定サイトを利用したり、小さな不動産会社に査定を直接依頼したりすることを忘れないようにしましょう。
イエウリには、他の一括査定サイトを使っていない小さな不動産会社も多数
売主さんは多くの不動産会社に査定をしてほしい目的で登録をしているのに、それを実現できなくな ってしまい、さらに不動産会社にとってもいいことがないという負の連鎖になってしまう話ですよね。
それでもお金を払っている以上、売主さんに連絡をしないと始まらないので必ず連絡はしますが、なかなか成約には至らないですね。
そのため、取れないものに対して課金をすることがコストであると感じ、今は軒並み解約をしてしまいました。
株式会社ディライトワークス
代表取締役 横田 英樹様 よりヒアリング1
なお、「イエウリ」の場合は、不動産会社が仲介や買取で成約したときに成功報酬として手数料を受け取っており、反響課金にデメリットを感じる中小の不動産会社も多く登録しています。2
他の一括査定サイトは使っていないという登録業者も多いので、ぜひ一度チェックしてみてください。
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地域によっては査定の対象外になることも
また、不動産のあるエリアによっては利用できない一括査定サイトもあります。
人口が減少していて地価が値下がりしているエリアでは、効率が悪いと判断して査定や売却活動を行わない不動産会社が存在するのです。
それらの地域に根付いた営業を行っている地元の不動産会社に直接問い合わせをしてみると良いでしょう。
そういった会社は顧客からの問い合わせを無下にせず、対応してくれるはずです。
一括査定サイトは万能ではないことを押さえておきましょう。
営業の連絡がしつこいと感じてしまうことも
一括査定サイトを利用する際は、メールアドレスや電話番号などの連絡先を入力する必要があります。
不動産会社にとって一括査定サイトの利用は営業活動の1つであり、最終的な目的は顧客の情報を手に入れて顧客と媒介契約を結ぶことです。
登録する時に電話番号を入力する限り、不動産会社から「現在の売却状況はどうですか」「一度訪問させていただいてよろしいですか」といった内容の営業電話がかかってくる可能性があります。
不動産会社向けに、一括査定サイトの申し込み者にテレアポ代行を行う会社によると、下記のようにしつこく営業を行うことでアポ獲得のチャンスが生まれるため、鬼電推奨がされているぐらいです。
とにかくしつこく
高い通電率を維持するためには「10回以上の架電」をルール化することを推奨します。
3
一括査定サイトでは最大6社程度に査定依頼ができますが、あまりにも多くの会社から電話かかってくると、煩わしく感じてしまうでしょう。
電話に出て「お断り」を入れればその会社からの連絡は止みますが、他の会社にも対応しなければいけないですし、お断りの後も状況確認の電話がかかってくるケースは少なくありません。
6社に依頼して着信 を無視していると、1週間で60回以上電話が鳴ってしまう可能性もあるので、本当に一括査定を使うべきなのか、使う場合も選ぶ会社は多すぎないかは必ず確認してください。
なお、「イエウリ」の場合は、基本的に申込者が希望した時間にフリーダイヤルから電話連絡を行い、都合が悪いときはメールで対応できるように案内をしています。
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価格を知りたいだけなら匿名査定サイトが便利
まずはいくらで売れるかをざっくり把握し、その後に住み替えなどの計画を立てたいという方も多いでしょう。
そのような場合は「匿名査定サイト」や「AI査定」のサービスが便利です。
イエウリAI査定は、物件情報の入力のみで目安の相場価格が把握できるので、活用してみましょう。
また、以下のような匿名査定サイトでは、不動産会社からの営業電話はなく、過去の不動産取引のビッグデータをもとに相場価格を算出し、あなたの家の査定額を算出してくれます(HOME’Sの匿名査定は不動産会社が査定する仕組み)。
- SUMiTAS(スミタス):過去の取引データを参照し、個人情報不要で査定額を確認できます。マンションだけでなく、土地や戸建てにも対応した匿名査定サービスです。
- HowMA(ハウマ):ビッグデータを用いてAI(人工知能)で査定を行います。マンションの査定を得意としています。
- HOME’Sプライスマップ:マンションの査定額が○○万円~○○万円という金額の幅で大まかに算出されます。
- IESHIL(イエシル):首都圏のマンションの査定が可能です。ただし、査定の対象は多くありません。
- HOME’Sの匿名査定:大手不動産情報サイトのHOME’Sが運営しており、比較的多くの物件を扱っています。不動産会社が物件情報のみで査定を行うため、査定額の精度は比較的高めです。
匿名査定 サイトが算出した査定価格は、簡易的であるため、実際の不動産会社の査定額とは大きな差が出てしまうこともあります。
しかし、目安を知るのには役立つでしょう。
不動産の相場は数年で大きく変化することもありますし、一括査定サイトから物件情報を受ける際、不動産会社はサービスの運営会社に対して手数料を支払っているという事情もあります。
「一括査定経由の申し込みに対しては、手数料を無駄にしないためにも5分以内に連絡して、訪問のアポを取るようにする」という営業方針で運営している不動産会社も多いです。
売るつもりが無い場合は、こうした営業スタイルに対して「ただ金額を知りたいだけだったのに迷惑」と感じてしまうかもしれません。
「今は売るつもりは無いが、家の資産価値を把握しておきたい」という場合は、こうしたAIや取引データから自動的に査定額を算出してくれるサービスを使うのが良いでしょう。
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不動産一括査定の注意点
最初から不動産の売却活動に慣れている人は、多くないでしょう。
一括査定サイトを使って媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶときは、以下のような点に注意してください。
高い査定額を出す不動産会社の言うことを鵜呑みにしない
高い査定価格を出す会社が、必ずしも売却に秀でた不動産会社であるとは限りません。
不動産の売却活動では不動産会社と媒介契約を結ぶことになります。
契約の形態は3種類あります。
- 一般媒介契約:複数の不動産会社に売却を依頼することが可能です。
- 専任媒介契約:一社のみに売却活動を依頼します。自分で売却先を探すことも可能です。
- 専属専任媒介契約:一社のみに売却活動を依頼します。また、自分で売却先を探すことができません。
このように専任媒介契約及び専属専任媒介契約では、不動産会社のうち一社だけが売却活動に携われるという法律での制約があります。
不動産会社にとって他社に仲介手数料が流れる心配がなく、有利な契約なのです。
もちろん、専任媒介契約を結べば不動産会社が総力を挙げて売却活動に力を入れてくれることが期待できるので、売る側のメリットがないわけではありません。
ただし、専任媒介契約を結ぼうとして査定価格を高めに伝える不動産会社もある点には注意しなければいけません。
高く売るほどの能力がない不動産会社の場合、結局は高く買ってくれる顧客を見つけることができず、結果的には数ヶ月後に「売れないので値下げして売るしかありません」などと誰でもできるような提案をしてくるのです。
無理に高い査定価格を提示してくる不動産会社よりも、「我々はこういう理由で、この値段で売ることは可能です」など、しっかりと根拠を示す不動産会社を選ぶのが、家を適正価格で早く売るためのポイントになります。
「専任または専属専任媒介契約で売り出す場合、成約時の手数料を割引します」といったサービスを提供する不動産会社もありますが、売却の長期化によるデメリットは大きい点にも注意しておきましょう。
「イエウリ」には、机上査定の段階から、その家を売却するまでの道筋を見据えて査定額を提示してくれる不動産会社が多数登録しています。
各不動産会社のコメントを見て「成約が見込める金額」をしっかり見極めることで、
- 高すぎる価格で出して売れ残ってしまう
- 安すぎる価格で出して損をしてしまう
といったリスクを減らすことが重要です。
イエウリ で不動産の無料査定に申し込む査定額=売却価格とは限らない
【査定額は「仲介の価格」である点に注意】の項目でも触れましたが、査定価格はあくまでも目安に過ぎず、その金額で売れる保証はどこにもありません。
相場よりも高い査定価格を付けて、自社との媒介契約を結ばせようとする不動産会社もいます。
また、市況の変化によって急激に景気が悪くなれば、思ったような価格で売ることができないこともあります。
住み替え等の資金計画も査定額をあてにしすぎないようにしましょう。
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登録している不動産会社によって得意・不得意がある
不動産会社によって得意とする分野と不得意な分野があります。
例えば、投資用物件を多く取り扱う不動産会社は、ワンルームマンションや都心物件の顧客や情報を多く抱えている一方で、住宅地の戸建て物件の扱いは苦手ということがあるのです。
逆に、地域密着型の不動産会社は、特定のエリアにおける戸建てやマンション物件などのファミリー向け物件を得意としていますが、都心の投資用物件の情報をあまり持っていなかったり、売却のノウハウを有していなかったりすることもあります。
そのため、一括査定で色々な不動産会社から話を聞きながら、自分の所有する物件の売却経験が豊富な不動産会社を見抜く必要があるのです。
「過去に近隣や似た条件の物件で仲介を行い、成約した実績があるか」といった点をヒアリングして参考にすると良いでしょう。
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失敗しないために!不動産一括査定サイトの選び方
一括査定で安易に売却しないためには、どういった点を重視しながら一括査定サイトを選べば良いのでしょうか。
対応エリアをチェック
まず見るべきは、一括査定サイトが対応しているエリアです。
東京を中心とした一都三県、大阪・神戸・京都、名古屋、福岡といった都市部のエリアであれば、ほとんどの一括査定サイトが利用できます。
しかし、地方の場合、そのエリアをカバーする不動産会社がいないこともあり得ます。
そういった場合は自分で不動産会社を探すしかありません。
サポート体制をチェック
次に、サポート体制の程度(質)を確認するべきです。
不動産会社の中には、こちらが電話連絡を好んでいないのに、強引に電話連絡をしようとする不動産会社、いわば売主の意向を無視した強引な売却活動を行おうとする不動産会社があります。
売主に不利益をもたらす行為を働く不動産会社に遭遇した場合、サポートの程度などについても確認しておけば、後々の問題を防ぐことが可能です。
大手の一括査定サイトでは、しつこい営業電話など、悪質な営業を行う業者の登録を取り消すといった運用を行っています。
当サイトを運営する「イエウリ」の場合は、各不動産会社が査定金額を提示して媒介契約を結び、その物件が売れたときに元の査定額とどれくらい開きがあったかという情報も把握しているため、優良不動産会社を見つけやすい査定サービ スになっています。
安心して売却を任せられる不動産会社を探したい方は、ぜひ「イエウリ」にご相談ください。
もし不動産会社の対応に不安な点があれば、各査定サイトのサポートデスクにも連絡すると良いでしょう。
売却完了までしっかりサポート
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提携会社数をチェック
さらに、提携会社の数をチェックしておきましょう。
提携している不動産会社の数が多ければ、様々なエリアをサポートしているため、良い不動産会社が見つかりやすくなります。
多くの不動産会社から自分に合った不動産会社を探しましょう。
選択肢が多いことは、それだけメリットになるのです。
査定できる物件の種類の多さをチェック
最後に、不動産会社に併せて査定できる物件の種類の多さもチェックしておきましょう。
都心のマンションなど売れやすい物件は多くの不動産会社が扱っていますが、オフィスビルやテナントビル、倉庫や古家付きの土地、駐車場、農地や山林など、不動産には様々な種類があります。
自分が売りたい不動産が特殊な場合は、それらの査定にも対応してくれるのか確認しておきましょう。
業界最大手の仲介会社は、一部の一括査定サイトにしか登録していない
不動産流通推進センターの調査4によると、近年の不動産仲介取引では
- 三井不動産リアルティグループ(三井のリハウス)
- 東急リバブル
- 住友不動産ステップ(すみふの仲介ステップ)
- 野村不動産ソリューションズ(野村の仲介)
などの不動産会社が、仲介取引件数や取り扱い高の上位にランクインしています。
ネームバリューのある最大手の不動産仲介会社は、自社のWEBサイトや店舗への訪問から直接依頼を受ける形で売却の相談を受けることが多く、一括査定を利用した集客はやらない傾向にあります。
大手に依頼できる一括査定サイト
実績の豊富な大手仲介会社に依頼したいという場合は、「すまいValue」を使えば、小田急不動産、住友不動産ステップ(前:住友不動産販売)、東急リバブル、野村の仲介、三井のリハウス、三菱地所の住まいリレーの大手6社への依頼が可能です。
ただし、中小の不動産業者の中には「大手仲介会社にも自社で媒介契約を結んだ物件の広告掲載を許可して、より多くの人の目に留まるような販売戦略を取っている」という営業方針の会社もあります。
「大手だから安心、中小は心配」というイメージだけで不動産会社を選ぶのではなく、それぞれの会社の販売戦略や、その地域での実績などを参考にすると良いでしょう。
大手仲介会社のエージェントを選べるサービス
「大手の不動 産会社」と言っても、新入社員から経験豊富なベテランまで在籍しているため、担当者による当たり外れはあるでしょう。
「大手不動産会社の社員の中でも、実力がある担当者に任せたい」と考えている人は、三菱地所リアルエステートが運営する「タクシエ」が適しているかもしれません。
大手不動産会社59社が自信を持って推薦する650人の担当者が、不動産売却の味方になります
タクシエは、各社の売買仲介担当者の中でも、実績のある人をエージェントとして紹介してもらうことができるサービスです。
中小の不動産会社はSNSやホームページをチェック
会社自体の設立が新しくても、社長やスタッフが以前の不動産会社で豊富な経験を積み、営業の実績を重ねた上で独立しているケースは多く見られます。
特に、中小規模の不動産会社ほど、SNSやホームページを活用して積極的に情報発信していることが多いため、良い担当者を見極める上で、こうした情報を参考にするのも有効な手段です。
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不動産一括査定に関するよくある質問(FAQ)
不動産一括査定とは何ですか?
複数の不動産会社に一度に査定を依頼できるサービスで、各社の査定結果を比較できます。ただし、査定額は目安であり、実際の売却価格とは異なる場合があります。
一括査定を利用するメリットは何ですか?
手間をかけずに複数の査定額を比較でき、不動産会社選びに役立ちます。ただし、高い査定額が必ずしも高く売れることを保証するものではありません。
一括査定のデメリットは何ですか?
不動産会社からの電話連絡が増え、対応に手間がかかる場合があります。また、しつこい営業が来ることもあり、電話を無視すると多くの着信が来る可能性もあります。詳しくは、不動産一括査定サイトを使うとしつこい営業電話が来る?をご覧ください。
査定額は実際の売却価格と同じですか?
いいえ、査定額はあくまで目安で、実際の売却価格とは異なることが多いです。市場の動向や物件の状態によって変動します。「成約が見込める価格」ではなく「売り出しの参考にする価格」が提示されるケースが多い点にも注意しましょう。詳しくは、家は査定額で売れるとは限らないの記事をご確認ください。
高い査定額の会社に仲介を依頼すれば高く売れますか?
必ずしもそうではありません。高い査定額を提示して媒介契約を結ばせようとする不動産会社もあります。査定額の根拠や実績を確認するこ とが重要です。詳しくは、高すぎる不動産の査定額には注意が必要をご覧ください。
査定額に納得できない場合はどうすればいいですか?
他の不動産会社に再度査定を依頼するか、査定額の根拠を確認してみましょう。詳しくは、不動産の査定額に納得いかない時に確認すべきことをご覧ください。
一括査定を利用すると営業の連絡が増えますか?
はい、複数の不動産会社や、外注先のテレアポ業者から電話やメールで連絡が来る可能性があります。対応が手間になる場合もあるので、連絡方法を指定できるサービスを利用するなどの対策が必要です。詳しくは、不動産の売却査定後に来る営業の上手な断り方をご覧ください。
仲介手数料はどれくらいかかりますか?
売買価格の3%+6万円+消費税が上限ですが、詳細は不動産会社に確認してください。仲介手数料の無料・割引などのサービスを実施している不動産会社もありますが、囲い込みのリスクを伴います。詳しくは、不動産の売買時に注意したい「両手仲介」と「囲い込み」とは?をご覧ください。
個人情報は安全に扱われますか?
一括査定サイトはプライバシーポリシーに基づいて情報を管理していますが、申し込みと同時に複数の不動産会社に個人情報が共有されるのが一般的です。事前に個人情報の取り扱いを確認することをおすす めします。「イエウリ」の場合は、査定時は物件情報のみを不動産会社に公開します。
しつこい営業を避ける方法はありますか?
匿名で査定を受けられるサービスや、営業電話が来ない一括査定サイトを利用することで、しつこい営業を避けることができます。詳しくは、不動産の査定を匿名で受ける方法をご覧ください。
「机上査定」と「訪問査定」の違いは何ですか?
机上査定は物件の基本情報のみで行う簡易的な査定で、訪問査定は実際に物件を訪れて詳細な評価を行います。訪問査定の方が精度が高いです。詳しくは、不動産の訪問査定と机上査定の違いは?をご覧ください。
査定時に「売却理由」を聞かれました。答えなければいけませんか?
売却の事情や時期によって提案を最適な提案をするため、大まかな金額を知りたいだけなのか、詳細に査定してほしいのか把握するためといった理由で売却理由を尋ねられることが多いです。詳しくは、不動産査定時に売却理由を聞かれるのはなぜ?をご覧ください。
不動産会社によって査定額が大きく異なるのはなぜですか?
不動産会社によって査定方法や市場の見方が異なるため、査定額に差が出ることがあります。また、媒介契約を結ぶ目的で高い金額が提示されるケースも少なくありません。複数の査定額を比較して相場を把握することが重要です。詳しくは、不動産の査定額が上下する要因とは?をご覧ください。
匿名で査定を受けることはできますか?
一部のサービスでは匿名で査定を受けることが可能です。ただし、精度は訪問査定や詳細な情報を提供した場合よりも低くなる可能性があります。「イエウリ」の場合は、査定額を確認した後、自分が選んだ不動産会社にのみ個人情報を公開します。
一括査定サイトを利用しない場合のデメリットは?
自分で複数の不動産会社に査定を依頼する手間がかかり、最適な不動産会社を見つけにくくなる可能性があります。
一括査定サイトの選び方は?
提携会社の数、対応エリア、サポート体制、利用者の口コミなどを参考に選ぶと良いでしょう。営業の連絡がしつこくないか、個人情報の扱いが適切かも確認しましょう。
「イエウリ」の口コミ:個人情報を守りながら誠実な不動産会社を見つけることができる
対応エリア外の物件でも査定できますか?
サービスによって対応エリアが異なるため、利用前に確認が必要です。地方や特殊な物件では査定できない場合も あります。
不動産会社はどのように選べば良いですか?
査定額だけでなく、査定の根拠、過去の実績、担当者の対応などを総合的に判断しましょう。「イエウリ」では、過去の実績や、査定額の精度などの参考情報をお伝えした上で、信頼できる優良業者をご紹介しています。詳しくは、信用できる不動産業者はどう見極める?をご覧ください。
複数の不動産会社からの連絡が煩わしいです。どうすればいいですか?
査定は無料で実施されますが、不動産会社は一括査定サイトに情報料として数万円の手数料を支払っています。「売るつもりが無いのに連絡が来る」という場合は、一括査定サイト側にキャンセルを申し出ることで不動産会社の課金がキャンセルされ、以後の連絡も止まる場合があります。詳しくは、不動産の無料一括査定で起こるトラブルとは?をご覧ください。
査定依頼後、必ず売却しなければなりませんか?
いいえ、査定を受けた後に売却しない選択も可能です。ただし、その旨を不動産会社に伝えると営業連絡が減る場合があります。詳しくは、不動産を査定だけ依頼しても良い?をご覧ください。
売却までの一般的な流れは?
査定依頼 → 不動産会社選択 → 媒介契約締結 → 販売活動 → 売買契約成立 → 引き渡し(残代金決済)の順になります。詳しくは、不動産売却の流れと期間をご覧ください。
一括査定サイトの利用料はかかりますか?
不動産の一括査定サイトは無料で利用できます。詳しくは、ネットで家の無料査定を申し込んで大丈夫?をご覧ください。
売却時に必要な費用は何ですか?
仲介手数料、譲渡所得税、印紙税などがかかります。詳細は不動産会社や税理士に確認しましょう。詳しくは、不動産売却時の費用をご覧ください。
「イエウリ」とはどのようなサービスですか?
「イエウリ」は従来の一括査定サイトのデメリットを解消した新しい不動産査定サービスで、営業電話なしで複数の不動産会社から査定を受けることができます。詳しくは、「イエウリ」の口コミ・評判は?をご覧ください。
売却を急いでいない場合、どうすればいいですか?
営業電話が来ない匿名査定サイトを利用して、おおよその相場を把握する方法があります。
不動産会社が登録していない地域はどうすればいいですか?
地元の不動産会社に直接査 定を依頼する方法があります。地域に詳しい不動産会社に相談すると良いでしょう。「イエウリ」では、仲介・買取ともに近隣の不動産会社や、全国でサービス展開している会社が対応できるケースがあります。
不動産会社によって得意・不得意がありますか?
はい、会社によって得意とする物件の種類やエリアがあります。自分の物件に合った不動産会社を選ぶことが大切です。
高額な査定額を提示されたが信頼してよいか?
高額な査定額が必ずしも信頼できるとは限りません。査定の根拠や市場動向を確認し、不動産会社の実績も参考にしましょう。詳しくは、査定額や相場に踊らされずに売却を成功に導くコツをご覧ください。
売却と賃貸、どちらが良いか迷っています。
ライフプランや市場状況によります。専門家に相談して適切な判断をしましょう。詳しくは、マンションは売るか貸すかどっちがお得?をご覧ください。
まとめ
不動産の一括査定サイトは、他方面から簡単に自分の不動産の査定を知ることができるので大変便利です。
ただし、訪問査定が実施されなければ査定の精度はやや低くなり、しかも多数の不動産会社から営業の電話がかかってくるなど、デメリットが存在しないわけではありません。
不動産の売却においては、一括査定サイトを中心に良い不動産会社を見つけていくことが売却を成功させるためのポイントです。
まずは一括査定サイトを利用し、多くの不動産会社の意見を聞いた上で自分の不動産をしっかりと売ってくれる不動産会社を探しましょう。
そして、不動産会社に任せきりにせず、自分も同時に勉強していく意識を持つことが売却を成功させるためのコツです。
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