売り出す不動産の状態を理解しておく
不動産を売却するときは、売り出す物件の状態をよく理解しておくことが大切です。
一見きれいな家でも、権利関係や隣人トラブルが問題で売れないケースは多くあります。
スムーズに売却を進めるためには、以下解説する項目をチェックしておきましょう。
名義を確認しよう
まずは、売却する不動産の名義がどうなっているのか、登記簿謄本や権利証(登記識別情報通知)で確認しましょう。
相続登記が未完了の場合は、先に相続登記を済ませてから売却の手続きを進めなければいけません。
また、共同名義の方がいる場合には、共同名義の方と一緒に話を進めていく必要があります。
対象の土地建物について共同名義人がいない場合でも、例えば前面道路が持分道路で、共同名義人がいるようなケースでは、共同名義の方の書類が必要になることもあります。
不動産の名義に関して不明点があれば、不動産会社の担当者や司法書士、土地家屋調査士など専門家に相談してみるとよいでしょう。
土地の状態を確認しよう
土地として売却する場合や戸建てを売却する場合には土地の状態を確認しておきましょう。
特に境界は不動産売却時に問題となりやすいです。
数十年前に建物を建てたようなケースでは、境界ブロックの真ん中に境界が通っているといったことも少なくありません。
この場合、買主と隣地の所有者が納得すれば問題ないのですが、買主が将来の境界トラブルを不安に思って購入を辞退する可能性もあるかもしれません。
上記のようなケースでは、売却前に隣地の所有者と話をして境界ブロックを撤去して、改めて内側に境界ブロックを施工できれば万全だといえます。
また、境界ブロック以外にも、境界を飛び越えて越境物があるケースがあります。
越境物が木の枝程度なら撤去すれば済みますが、屋根のひさしが越境しているようなケースもあります。
この場合、隣地の所有者と買主によく納得してもらった上で売却を進めなければいけません。
建物の状態を確認しよう
次に、建物の状況も確認しておきましょう。
雨漏りやシロアリ被害、その他お風呂やキッチンなど住宅設備に不具合がある場合には、どこにどのような欠陥があるかチェックしたうえであらかじめ買主に伝えておかないと、売却後に買主から修補請求などをされてしまう可能性があります(契約不適合責任)。
不具合があると確かに買主は見つけづらくなりますが、不具合があることを隠して売却すると後々のリスクが大きくなってしまいます。
必要に応じて補修すると共に、売却時には不具合を隠すといったことは絶対にしないようにしましょう。
周辺環境を確認しよう
周辺環境も住み心地を左右する要素であり、売却時に確認が必要なポイントです。
近隣トラブルの有無については、住む人の主観的な問題となるため難しい部分ではありますが、あまりにもひどいようだと雨漏りやシロアリ被害と同様、売却後に売主の責任を追及されてしまう可能性があります。
「一般的に考えて問題があるかどうか」という視点を持つと共に、心配なことがあれば不動産会社の担当者に相談してみましょう。
その他、日照を遮る建物の有無や周辺道路の状況等も知っておき、媒介契約締結時に不動産会社の担当者に伝えておくと、担当者の案内時に物件のアピールポイントとして伝えることができます。