「駅から遠くて家がなかなか売れない」そのようなお悩みを抱えている方もいるでしょう。
駅から遠い家は、利便性が悪いといった理由で売りにくくなる傾向があります。
とはいえ、駅から遠いだけで売却を諦める必要はありません。
駅から遠い家でも売れない理由を把握して売るためのコツを押さえることで、売れる可能性は十分あります。
この記事では、駅から遠い家が売れにくい理由や売却のコツ、売却以外で手放す方法を解説します。
「駅から遠い」は駅から徒歩15分以上が目安
駅から遠い家といっても、どれくらい離れれば遠いとなるかの明確な定義はありません。
一般的には、主要駅から徒歩15分~20分以上離れていると、駅から遠いと言われるケースが多いでしょう。
不動産表記では「徒歩1分=80m」となるため、徒歩15分~20分なら距離は1.2㎞~1.6㎞となります。
また、東日本不動産流通機構の「年報マーケットウォッチ2023年・年度 1」による、駅からの所要時間別での成約状況は以下のとおりです。
徒歩10分以内 | 11分~20分 | 21分以上 | |
マンション/価格 | 5,315万円 | 3,921万円 | 2,755万円 |
マンション/成約件数(%) | 24,741件(68.9%) | 8,352件(23.3%) | 569件(1.6%) |
戸建/価格 | 5,094万円 | 3,978万円 | 2,768万円 |
戸建/成約件 数(%) | 5,024件(28.6%) | 7,063件(40.3%) | 1,966件(11.2%) |
徒歩10分以内に比べ、21分以上となると成約価格・件数ともに大きく減少しているのが分かります。
とくに、利便性を求められやすいマンションは駅近の需要が高く、駅から離れるほど需要が低くなる傾向があると言えるでしょう。
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駅から遠い家が売れない理由
駅から遠い家が売れないと言われる理由には、以下の3つが考えられます。
- 毎日の通学や通勤が大変だから
- 家の近くの利便性が悪くなりやすい
- 不動産情報サイトで検索されにくくなるから
それぞれ見ていきましょう。
毎日の通学や通勤が大変だから
交通手段が公共交通機関である場合、駅からの距離が遠いことで通勤・通学に不便が生じやすくなります。
10分~20分の違いとはいえ、朝の忙しい時間のわずかな時間の差は大きな違いになるものです。
1日の中のちょっとした時間であっても、それが毎日となるとストレスが積もり積もって大きくなることもあるでしょう。
とくに、都市部は車を所有せずに電車移動というケースも多いため、通勤・通学の時間を考え避けられてしまう恐れがあります。
家の近くの利便性が悪くなりやすいから
駅の周辺は、買い物施 設や商業施設なども比較的集中していて生活利便性は高い傾向にあります。
一方、駅から離れると駅近に比べて生活利便性が下がるケースは多いでしょう。
駅から遠くても周辺に買い物設備などがあれば売れる可能性が高い反面、駅から遠く生活に必要な施設もあまりないとなると売れにくくなってしまいます。
不動産情報サイトで検索されにくくなるから
多くの買主は家を購入する際、事前に不動産情報サイトで物件を検索・比較して検討します。
検索時には予算や間取りなどの希望条件で検索するものです。
その中の項目の1つに、「駅からの距離」も含まれます。
駅からの距離で検索する場合「徒歩○○分」を条件とするため、徒歩20分以上となると検索されにくい、物件比較の対象にすらならない可能性が高いのです。
また、仮に他の条件で物件が検索された場合でも、徒歩20分と表示されると候補から外されてしまう恐れがあります。
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駅から遠い以外の理由で売れていない可能性もある?よくある家が売れない理由
駅から遠いと売れにくい傾向がありますが、一概に駅からの距離が原因というわけではありません。
売れないと感じた場合は、駅からの距離以外にも原因がないか分析し、適切な対策を講じることが大切です。
駅から遠い以外でよくある家が売れな い理由として、以下の3つが挙げられます。
- 相場より価格が高い
- 築年数が古い
- 不動産会社が売却に積極的でない
それぞれ解説します。
相場より価格が高い
基本的に相場よりも高い物件は、買主から避けられやすくなります。
とくに、駅から遠いうえに価格も相場より高いとなれば、同じ価格でより駅に近い物件を選ぶでしょう。
売り出し価格は売主が自由に決められるため、「高く売りたい」「いい家だから」と相場よりも高値を付けるケースは少なくありません。
また、そもそも相場を理解せずに価格をつけてしまい、相場から外れてしまうケースもあるでしょう。
売り出し価格の設定時には、相場を自分でも把握したうえで不動産会社に相談しながら適正価格をつけることが大切です。
築年数が古い
築年数が浅いほど売りやすく、反対に築年数が古くなるほど売れにくい傾向があります。
とくに、木造戸建ての場合、法定耐用年数である22年を超えると資産価値がほぼないとみなされ、避けられやすくなるので注意しましょう。
ただし、築年数が古いからといって売れないわけではありません。
近年は価格の安い古い家を購入し、好きにリフォームしたいといった需要もあります。
また、築年数が古くても適切にメンテナンスされ綺麗な状態であれば、価格の安さから売りやすいケースもあるのです。
なお、築年数が古いからとりあえずリフォームして売却しようと考えるのはおすすめできません。
リフォームすることで「売れやすくなる」効果が生まれる可能性はありますが、かけた費用を売却額に上乗せするのは難しいことが多い。
リフォームすることによって売れない、売れてもリフォーム費用分が損失になってしまうケースも少なくないため、まずはリフォームせずに不動産会社に相談するようにしましょう。
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不動産会社が売却に積極的でない
物件に問題がなくても、不動産会社に問題があり売れないケースもあります。
広告活動が適切ではない・問い合わせへの対応が悪い・積極的に営業してくれないなどの理由で売れないこともあるのです。
不動産売却は不動産会社や担当者の力量にも大きく左右されます。