「土地がなかなか見つからない」
そのようなお悩みを抱えている方もいるでしょう。
マイホームを建てようと思ったら土地が必要ですが、土地探しは難航しやすく数年かかるケースも珍しくありません。
反対に、タイミングが良ければスムーズに土地が見つかるものです。
土地には出回りやすい時期があるので、そのタイミングで探してみると効率よく理想の土地に出会える可能性があります。
この記事では土地が出回る時期や、スムーズに土地を探すコツなどを分かりやすく解説します。
土地が出回る時期は?
土地は一般的に1~3月と9~11月の2回のタイミングで出回りやすいといわれます。
ただ、出回りやすい時期と安くなる時期はタイミングが異なる点にも注意しましょう。
以下では、出回る時期と安くなる時期について解説します。
1~3月頃
土地が出回りやすい1つ目の時期が1~3月頃です。
1~3月期は決算期や人事異動期に入る企業も多く、4月に新年度を迎えることで人の移動も活発に行われます。
そのため、4月の新生活・新年度スタートにむけて不動産取引も盛んになることから、土地も出回りやすくなると考えられます。
また、年末からお正月にかけて親戚が集まる機会も多く、その際に土地の売却について方針が決めるケースもあるため1月以降に売買が増えるといわれているのです。
9~11月頃
9~11月も4月の次に人の異動が増える時期であるため、不動産取引が活発になりやすい時期です。
8月の夏休み・お盆時期で家族が集まることから、土地の売却について話し合う機会がある点も売りに出やすい理由と言えます。
また、9~11月は比較的気候が良く売主・買主が行動しやすい点も出回りやすさにつながります。
土地が安くなる時期はある?
1~3月、9~11月は需要が増える時期でもあるので、どちらかと言えば売り手に有利に時期です。
一方、5~8月は閑散期にあたります。
4月の新生活スタートの時 期を逃し、さらに梅雨や真夏に入ることから土地を購入したいという人が減少する傾向にあります。
そのため、売るために値引きされている・値引きに応じてくれる可能性が高くなり、繁忙期よりも安く購入しやすくなるのです。
ただし、上記の時期やあくまで参考であり、実際の土地売買では季節や時期はあまり気にする必要はありません。
とくに、近年はインターネットで土地を比較検討できるので、時期の影響はそれほど大きくないでしょう。
土地の購入に適した時期は、その時々の市場や自分のタイミングも重要になってきます。
気になったタイミングで土地情報を小まめにチェックしておくと、理想の土地にスムーズに出会える可能性があるでしょう。
土地探しにはどのくらいの期間がかかる?
土地探しから必要なマイホーム計画では、土地探しのスケジュールも考慮する必要があります。
土地がなければ家を建てられないので、できるだけ早く土地を見つけたいところですが実際どれくらい時間がかかるのでしょうか。
ここでは、土地探しにどれくらいの時間がかかるのかを解説していきます。
4ヵ月~1年程度が一般的
土地を購入するまでの期間は4ヵ月~1年程度が一般的です。
大まかな土地探しの流れと目安期間は以下のようになります。
- 希望する土地の条件整理:1~3ヵ月
- 土地探し:3~8ヵ月
- 不動産会社選びや売買契約~引き渡し:1~2カ月
まずは希望する土地の条件を洗い出してどのような土地を探すのかを明確にします。
そのうえで、イン ターネットや不動産会社への問い合わせ・現地チェックなどで希望に沿った土地を見つけていくことになります。
土地が見つかれば、不動産会社やハウスメーカーを通して売買契約を締結し決算・引き渡しです。
土地購入までの段階で最も時間がかかる工程が、やはり土地探しです。
この工程にどれだけ時間がかかるかによって土地購入までの期間は大きく左右されるので、コツを押さえて効率よく探せるようにしましょう。
土地探しのコツについては後ほど詳しく解説するので参考にしてください。
1年以上かかるケースもある
一般的な期間は4ヵ月~1年ですが、土地が見つからないと1年以上の数年単位で見つからないケースも珍しくありません。
とくに、土地へのこだわりが強い、希望条件が曖昧、やみくもに探しているというケースでは時間がかかりやすいので注意しましょう。
反対に、タイミングがよければ3ヵ月かからずに理想の土地を購入できるケースもあります。
▼関連記事:土地探しを依頼する不動産屋の選び方
土地探しをスムーズに進めるためのコツ
土地探しをスムーズに進めるためには、事前準備が重要です。
どのような土地を購入したいのか明確にしておくことで、スムーズな土地探しをしやすくなるでしょう。
ここでは、土地探しをスムーズに進めるためのコツとして以下の3つを解説します。
- エリアを決める
- 予算を決める
- 優先順位を決める
それぞれ見ていきましょう。
エリアを決める
まずは、住みたいエリアを決めておきましょう。
エリアを決める際には、家族で話し合ってどのような生活がしたいのかをイメージしながら決めることが重要です。
また、一度購入した土地は長期的に生活する場となるので、今の暮らしだけでなく長期的な視点でのイメージも必要になります。
子どもが小さいうちは学区や教育環境、自身の通勤などを考慮する必要があるでしょう。
しかし、子どもが独立したり、自身や配偶者が退職したり、生活の条件が変わってからも長く住み続けられる場所であるかも大切です。
今の希望と今度のライフスタイルの変化も考慮して理想の生活ができるエリアを決めると、満足いく土地に出会いやすくなります。
予算を決める
いくらの土地なら買えるのかを明確にしておくことも大切です。
土地の予算があいまいなまま土地を探していると、希望の立地が見つかっても高くて買えずに一から探し直し、建物の費用が減ったなどの恐れがあります。
予算が明確になって入れば、予算に合わせた土地を探せられるので効率よく土地探しが可能です。
予算を決める際には、家づくり全体の予算を決めて、そのうちいくらまで土地に割けるかを考える必要があります。
また、土地の購入では土地代以外にも不動産会社への仲介手数料や印紙税・登記費用など諸費用がかかる点にも注意しましょう。
諸費用込みで土地の予算を決めておくと、予算オーバーを防ぎやすくなります。
優先順位を決める
土地に対する希望を明確にしたら、優先順位を決めておくことが大切です。
たとえば、立地と予算のどちらを優先するかによっても選ぶ土地が変わってきます。
仮に、立地条件を満たしても予算を超える土地を見つけた場合、以下のような選択を迫られます。
- 予算オーバーでも建物を小さくしてでも立地を優先する
- 予算を超えないために別の土地にする、もしくは面積を小さくする
基本的に条件も予算もすべて満たす100点満点の土地は存在しません。
また、優先順位が決まっていないと気になる土地が見つかったときに、購入判断に迷い、その間に別の人に買われてしまう恐れもあります。
どの条件なら妥協できるのか、譲れない条件は何なのかを明確にしておくと、気になった土地が見つかった時に購入判断を付けやすくなるでしょう。
土地が決まってから完成した家の引き渡しを受けるまでの流れ
土地と家の購入では高額な費用が動きます。
ほとんどの人が住宅ローンで費用を賄いますが、土地代金や家の費用は支払いタイミングが複数回あるので流れやタイミングを押さえておくことが重要です。
土地が決まってから家の引き渡しを受けるまでの大まかな流れは、以下のようになります。
- 土地の売買契約
- 住宅ローン審査
- つなぎ融資等で土地代金と建物着工金の決済
- つなぎ融資等で中間金の決済
- 建物完成と住宅ローンの決済
- 引き渡し
それぞれ見ていきましょう。
1.土地の売買契約
購入する土地を決めたら売買契約を締結します。
重要事項説明、売買契約書の内容に問題がなければ署名捺印して契約締結です。
契約時には、売主に対して手付金を支払うことになります。
手付金額は話し合いによって異なりますが、一般的には売買価格の10%程が目安です。
たとえば、1,000万円の土地であれば100万円を手付金として用意する必要があります。
また、不動産会社によっては売買契約のタイミングで仲介手数料の半額を支払うケースもあるので、売買契約時に支払うお金の額は事前に確認しておきましょう。
なお、この段階では住宅ローンは融資されません。
注文住宅を建てる場合は、土地購入時の諸費用は「つなぎ融資」で工面して、住宅が完成するまでは金利のみを支払い、竣工後に住宅ローン実行を受ける流れが一般的です。
2.住宅ローン審査
土地と住宅の費用が決まれば住宅ローン審査に申し込みます。
住宅ローンは本来建物が対象となりますが、土地を購入して住宅を建てるケースでは土地でも利用できる制度を整えている金融機関が一般的です。
この場合は、つなぎ融資または分割融資を利用することになります。
- つなぎ融資:住宅ローン融資実行までの費用を賄うための一時的に借りるローン
- 分割融資:住宅ローンの融資実行タイミングが複数回に分かれるタイプ
住宅ローンの融資実行タイミングは建物完成後になるため、その前に発生する土地代や中間金などの支払いに充てることはできません。
しかし、土地代や中間金は高額になるので、自己資金で全て用意できるケースは多くないでしょう。
そのような場合に利用するのが、住宅ローン融資前に費用を一時的に借りるつなぎ融資です。
つなぎ融資は土地購入や着工金などのタイミングで融資され、住宅ローン融資金で完済する仕組みになります。
つなぎ融資を利用する場合は、原則として住宅ローン申し込みと同時に審査を受ける必要があります。
3.つなぎ融資等で土地代金と建物着工金の決済
注文住宅では一般的に以下の4つのタイミングでの支払いが必要です。
- 手付金:工事請負契約時(1割ほど)
- 着工金:基礎工事着工時(3割ほど)
- 中間金:上棟式(3割ほど)
- 引渡金:建物完成時(3割ほど)
つなぎ融資の審査の通った後は、土地の決済と建物の手付金・着工のタイミングで融資を受けられるので代金を支払 います。
4.つなぎ融資等で中間金の決済
建物の上棟式に合わせて中間金の支払いを行います。
上棟式とは、建物の骨組み完成後に棟木を取り付け、建物完成の無事を願う式典です。
ただ、現在では上棟式を行わないケースも多いですが、上棟のタイミングで中間金は発生するケースが多いでしょう。
中間金のタイミングはハウスメーカーによって異なるので、契約時にしっかり確認しておくことが大切です。
5.建物完成と住宅ローンの決済
建物完成後に住宅ローンが融資されるので、残代金支払いとつなぎ融資の完済を行い、すべての支払いが完了します。
住宅ローン融資後は返済がスタートするので返済計画に沿って返済を進めていきましょう。
6.引き渡し
代金支払い後に建物の引き渡しを受けて家の購入までが完了します。
ただし、土地や住宅購入後も登記費用や不動産取得税などの諸費用が必要です。
納税できないとならないように、諸費用込みのトータルの支払い計画を立てておくようにしましょう。
土地が出回る時期に関するよくある質問
最後に、土地が出回る時期に関するよくある質問をみていきましょう。
土地の仮押さえはできない?
土地の仮押さえは可能です。
不動産会社やハウスメーカーに相談して仮予約という形で押さえてもらうことができます。
ただし、仮予約できるかどうかやできる期間は土地によって異なります。
仮予約できるケースでも1週間~1ヵ月くらいが期限となるのが一般的です。
なお、仮予約したからといって必ず購入する必要はありません。
とはいえ、買う気もないのに仮予約するのはマナー違反です。
仮予約は購入するかを判断する期間でもあるので、売主に対して誠意をもって気持ちよく取引できるようにしましょう。
土地を買うなら何月がいい?
土地が売りに出やすい時期は1~3月もしくは9月~11月です。
一方、5~8月は需要が下がるので値引きされているなどで安く購入できる可能性があります。
ただし、あくまで目安であり、出回る時期などをそれほど気にする必要はありません。
購入に適したタイミングは個人の状況によっても異なります。
購入を検討する目的や希望時期、資金状況などさまざまな要素で購入タイミングを見極めるとよいでしょう。
市場に出回らない土地とは?
市場に出回らない土地とは、不動産ポータルサイトや広告などに掲載されていない土地です。
売主によっては広告してもらいたくないなどで非掲載で売却を進めているケースも珍しくありません。
また、紹介予定があるなど不動産会社の都合でも土地情報が公開されていないケースもあります。
市場に出回らない土地を購入するには、不動産会社に紹介してもらう、直接現地で土地を探してみるといった方法が検討できます。
▼関連記事:ハウスメーカーから「建築条件付き土地」を購入して注文住宅を建てる方法
まとめ
土地が出回るタイミングとし ては、1~3月、9~11月の2回と言われています。
このタイミングであれば土地が活発に取引されているので、幅広い選択肢から希望の土地に出会える可能性があります。
土地を探す際には、事前に希望条件や予算などを明確にしておくと効率よく見つけられるでしょう。
また、希望に合った土地を見つける際には信頼できる不動産会社のサポートを得ることも重要です。
信頼できる不動産会社であれば、土地の紹介から購入までしっかりサポートしてくれるので満足いく土地を見つけやすくなるでしょう。