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土地売却の流れは?高く売るコツ・費用を抑えるポイントも解説

土地をできるだけ高く売却したい場合、土地売却の流れや価格の特性を知ることで、理想的な売却に近づけることができます。この記事では、土地売却の流れを押さえたうえで、高く売却するコツや費用を抑えるポイントを解説します。

このページの目次
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土地売却の流れ

土地売却は、一般的に次のような流れで進んでいきます。

  1. 不動産会社に査定依頼
  2. 不動産会社と媒介契約を締結
  3. 売却活動
  4. 買主の決定
  5. 売買契約の締結
  6. 決済・引渡し

具体的にどのように進めていくのか、ステップごとに解説していきましょう。

不動産会社に査定依頼

土地を売却するときは、まず不動産会社に査定を依頼します。査定とは、不動産会社が周辺の売却価格の相場などから物件の価値を見定めて、売出し予定価格を提示することです。

査定には、机上査定と訪問査定があります。

机上査定はインターネットや電話で依頼するもので、直接営業担当者と顔を合わせることはありません。

複数の不動産会社に依頼することで、各会社の資質や物件のおおよその相場を掴むことができます。

机上査定と訪問査定

机上査定は、周辺の土地取引のデータを元に査定額が算出されます。

ただし、机上査定は物件固有の特色が把握できないため精度が劣ります。正確な査定金額が知りたい場合には訪問査定を依頼します。

訪問査定では、実際にその土地を訪れて状態や道路付け等を確認します。

戸建てやマンションの場合、訪問する不動産会社を招き入れなければなりませんが、土地を売却する場合は売主が査定に立ち会わずに実施してもらうことが可能です。

古家付き土地を売却するための訪問査定のとき、不動産会社が物件内部も見たいと申し出た場合は鍵を渡しておくか、現地にキーボックスを置いてロック番号を伝えるといった方法があります。

査定時の必要書類

訪問査定までに次の書類を準備しておくことで、査定やその後の売却をスムーズに進めることが可能です。

  1. 登記事項証明書
  2. 固定資産税等納付通知書
  3. 家の平面図(古家付きの場合)
  4. 土地の測量図
  5. 建築確認通知書(古家付きの場合)
  6. 検査済証(古家付きの場合)

これらの資料を参考に、営業担当者が実際に物件を調査したうえで、査定額を提示します。

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不動産会社と媒介契約を締結

査定を依頼した不動産会社の中から、印象が良かった不動産会社を選んで、媒介契約を結びます。 媒介契約には次の3種類があります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

一般媒介は、複数の不動産会社と媒介契約が結べる方法です。複数の不動産会社が関わるので、自社が確実に仲介できる保証のない一般媒介契約では、あまり熱心な営業は期待できません。売却活動の報告義務はなく、レインズへの登録は任意です。

専任媒介契約は1社のみの契約であり、複数の不動産会社の契約は認められません。不動産会社は、活動報告を2週間に1回以上行う義務があります。

また、レインズと呼ばれる不動産会社専用の物件情報サービスに、売却する土地の情報を必ず登録しなければなりません。

専属専任媒介契約は専任媒介契約と同じように1社のみの契約であり、売却活動の報告は、1週間に1度以上行われ、レインズへの登録義務もあります。

堅実に売却をしたいのであれば、専任媒介契約か専属専任媒介契約を選択した方が、有利な条件での売却が期待できるでしょう。

売却活動

不動産会社と媒介契約を締結し、土地の売出し価格を決定したら、売却活動が始まります。(専属)専任媒介契約では、不動産会社はレインズへの登録をします。これにより、全国の不動産会社が売却予定の土地の情報を知ることができます。

また、不動産情報ポータルサイトなどに広告を掲載したり、チラシのポスティングや新聞への折込チラシなどにより、物件の情報を広く流します。

この際、不動産会社から売主へ営業報告が定期的に行われます。専任媒介契約で2週間に1回以上、専属専任媒介契約であれば1週間に1回以上です。一般媒介契約の場合は営業報告が義務付けられていませんので、売主から問い合わせしなければ営業内容を知ることはできません。

買主の決定(購入申込)

買主が購入を決断した場合、不動産会社に購入申込書を提出します。購入申込書は不動産会社を介して売主に渡されます。

購入申込書には、購入希望価格が記載されています。記された金額は売出価格と同額とは限りません。売出価格よりも低い金額が提示された場合、売主はその金額で合意するのか、断るのかの判断をします。

もちろん、中間の金額で折り合いをつけて合意することもできます。

売買契約の締結

条件の合意ができたら、売買契約を結びます。売買契約は、売主、買主、そして売主側、買主側の不動産会社の営業担当者が一堂に会して行われます。契約場所は不動産会社の店舗や事務所で行われるのが一般的です。

売主は、次の書類等を用意します。

  • 顔写真付身分証明書
  • 登記済権利証(登記識別情報)
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 所定の収入印紙
  • 認印

買主は、次の書類等を用意します。

  • 顔写真付身分証明書
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 所定の収入印紙
  • 認印
  • 手付金

売買契約の場では、重要事項説明書と売買契約書の読み合わせが行われます。契約の内容を理解し、納得できたら、売買契約書の原本に収入印紙を貼付し、売主と買主が書類に署名押印をします。

契約が完了すれば、買主が売主に手付金を支払います。手付金の金額は合意で自由に決められますが、売買価格の5%~10%で設定するのが一般的です。現金か小切手での支払いになります。

そして売主と買主は、仲介してくれた不動産会社に仲介手数料の一部を支払います。

決済と引渡し

決済とは、支払い済の手付金を差し引いた売買金額を支払う手続です。買主の残金支払いと物件の引渡しは同時進行で行われます。

売主に住宅ローンが残っていて決済代金で完済する場合は、銀行で抵当権抹消書類を取得しておく必要があります。

抵当権の抹消登記(ローンが完済したことを示す登記)は決済時に同席する司法書士に委任するのが一般的で、事前に不動産会社や司法書士から手続きの案内があると思いますが、自分でも確認するようにしてください。

銀行によっては準備に時間がかかることがあるため、売買契約が完了したら早い段階で書類の取得手続きが必要です。

決済

決済では、買主が残金を支払います。高額な金銭の授受になるので、安全のために、買主が住宅ローンを利用する銀行の個室で行われるのが一般的です。

会場が銀行であることや登記手続の必要があることから、決済は平日に行われます。手続きが滞ることを想定して、午前中に行った方が安心です。決済には、売主、買主、不動産会社営業担当者、司法書士、銀行の住宅ローン担当者が一堂に会します。

司法書士は、不動産会社から紹介されるのが一般的です。所有権が、売主から買主に移る時に必要となる所有権移転登記という手続きの費用は、買主が負担します。抵当権抹消登記があれば、その業務に関しては売主が費用を負担します。

司法書士による本人意思・書類確認

司法書士が、売主、買主の本人確認をしたうえで、売買に関する意思確認をします。本人、または委任された者以外の意思表示は認められませんので、当事者が必ずこの場に立ち会わなければなりません。

合わせて書類確認をします。必要な書類が不足していると決済が成立しないので、当日、本人確認書類などの忘れ物がないか、しっかりと確認しておくことが重要です。

決済当日に用意する書類等は、次のとおりです。

  • 実印
  • 印鑑証明書(発行から3カ月以内のもの・売主のみ)
  • 認印
  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 住民票
  • 登記済権利証または登記識別情報(売主のみ)
  • 評価証明書(売主のみ)
  • 抵当権の抹消登記に必要な書類(売主のみ)
  • 売却物件の鍵(売主のみ、古家付きの場合)

入金を確認する

司法書士の書類確認等で問題点がなければ、住宅ローンの融資が実行されます。実行まで数十分の時間を要します。その後、買主から売主の口座に残金が振り込まれます。

売主は、残金が振り込まれたことを確認するために、インターネットバンキングが確認できる機器か通帳を準備しておきます。入金が確認できたら、司法書士が登記手続のため法務局に向かいます。

引渡し

売主が、買主に鍵を渡します。これで引渡しが完了したことになります。

仲介手数料を支払う

引渡しが行われたことで不動産会社の仲介業務が完了するので、買主と売主はそれぞれの不動産会社に手付金を除いた仲介手数料の残金を支払います。

固定資産税等を精算する

固定資産税・都市計画税は法律上、その年の未納分も含めたすべての納税義務者が、売主となります。しかし、商慣習として買主が引渡しから年末までの期間相当分を負担することになっていますので、買主から売主に日割り計算で清算金が支払われるのが一般的です。

売出価格の決定方法とは

土地の売却に際しては、売出価格を決定することになります。売出価格は、不動産会社による査定価格を参考にして、基本的には売主自身が決定します。

では、売主はどのようにして売出価格を決定すればいいのか、解説していきましょう。

査定価格が売出価格ではない

査定額=売出価格ではない

不動産会社が居住用不動産を査定する際には、主に「取引事例比較法」という手法を用います。取引事例比較法とは、条件が似ている近隣の物件が過去に売れた金額を根拠とし、今だといくらで売れるかを推察して査定額を算出する方法です。

売出価格を決定するには、査定価格がどれだけ信頼に値するのかを検証する必要があります。そのため、査定価格が次のような弱点を包含していないかを確認します。

多くの事例で比較したか

取引事例比較法では、参考とする過去の成約事例の件数が多いほど、価格の精度が上がりますが、エリアや時期によっては、適切な成約事例が取得できないことがあります。事例が1~2件だと、査定の精度が下がってしまいます。

売却の背景が不明なものが混在していないか

成約事例を抽出するレインズでは、その物件を売却した人の背景まではわかりません。中には早く売りたい事情があって相場より安く売った人や、親世帯の近くに住むために、高値を承知で購入した人もいるかもしれません。つまり、過去に売れた事例が必ずしも相場だとはいえないのです。

担当者の主観は正しいか

過去の成約事例をどのように評価するのかは、最終的には営業担当者の主観によります。そのため、査定額は、不動産会社ごとに異なる額が算出されることになります。不動産会社によって数百万円以上の差が生じることは、けっして珍しいことではありません。

査定額が提示された際には、その額が算出された根拠を担当者から直接確認したうえで、信頼に値するか否かを判断する必要があります。

自分で相場価格を調べる

不動産の売出価格を決定するうえで押えておきたいのが相場です。相場の調べ方としては、次のような方法があります。

  • 不動産情報サイトを閲覧する
  • 国土交通省など公的な機関が発信する成約事例を参考にする

売主自身が相場を調査することはとても重要です。相場が念頭にあると、不動産会社の査定に説得力があるのか、あるいは話を盛っているのかの判断ができるからです。

なお、国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」では、一般の人でも過去の不動産の取引データや、公的価格から相場を調べることが可能です。

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売出価格の決定で相場を調査する際には、次のような点に注意してください。

集めた情報は参考程度にする

集めた相場情報を扱う上での注意点

相場の調べ方はいくつかありますが、大事なことは、特定の情報にとらわれることなく多角的な視点で相場情報と向き合うことです。

不動産は個別性が強く、世の中にまったく同じ物件は存在しません。方角、間取り、前面道路、周辺環境、経過年数など、価格に深く関わる要素は、それぞれ異なります。

たとえひとつの団地に建てられた戸建て住宅であっても、住んでいた人の使い方によって、建物のコンデイションに大きな差異が生じてきます。

条件が異なれば、価格もそれぞれ異なります。集めた情報はひとつの事例にすぎないと考えてください。

古い情報は参考にしない

不動産価格は、常に変動しています。相場情報では、鮮度は非常に重要な意味があります。

基本的には、1年以上前のデータはなるべく除外してください。ほとんどの不動産会社でも、最大で2年以内、それ以上前の情報は誤差が著しくなるので、基本的には使用していません。

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3段階の売出価格を想定する

査定額は、絶対的な価格ではありません。売出価格の決定に際しては、査定額を参考にして、具体的な額を考えます。

そのためには、まず

  1. 売りたい価格(売り出し価格)
  2. 売れる価格(相場価格)
  3. 最低限の価格

の3段階の価格を設定します。

売却活動を始める際に、この額で売却できればベストだと思える金額を想定します。これが「売りたい価格」です。

しかし、現実にはなかなか希望どおりには売れません。査定額の根拠を確認して、現実に売れそうな価格を検討します。これが「売れる価格」です。

それでも思いどおりにならないところが土地売却の難しいところです。そのため、最悪の事態も想定しておく必要があります。それは、最低でもこの額で売らなければならないという価格です。

住宅ローンの残債があれば、少なくとも残債を上回る価格で売れなければ、負債の処理ができません。これが「最低限の価格」です。

「売りたい価格」、「売れる価格」、「最低限の価格」の3段階の価格を設定することで、売出価格を決めることができます。

たとえば、次のように設定します。

  • 売りたい価格:5,400万円
  • 売れる価格:4,800万円
  • 最低限の価格:4,100万円

売りたい価格で売却できればいいのですが、現実の売却には期限があります。

一般的に不動産の売却には少なくとも3カ月かかり、その土地、地域の需要や市況によっては成約まで1年以上かかるケースもあります。

期限が長期であれば、売りたい価格で売却活動を始めて買主が現れるまで待てばいいのですが、相続税を支払う必要があるといった場合は、いつまでも待つことはできません。

3カ月以内の売却が条件の売主が、「売りたい価格」の5,400万円で売り出すのは、どうしても無理があります。その場合「売れる見込みのある相場価格」である4,800万円で売り出しを開始するのが無難でしょう。

それで1カ月経っても反響がなければ、次の1カ月は、4,500万円にして、「最低限の価格」に近づけていくのです。

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土地を高く売るコツとは

売出価格が決まれば、いよいよ売り出し開始になります。しかし、売出価格どおりに売却できる保証はどこにもありません。それどころか、状況によっては大幅に価格を下げざるを得ないこともあるでしょう。

土地は目に見える形として存在しますから、実際の価値以上に高く見せることはできません。むしろマイナス要因をどれだけ消去できるかが、高く売るためのコツだといえます。具体的に、どのような行動をすればいいのか解説していきましょう。

境界を確定する

不動産の取引では、契約書に表示された登記上の土地の面積と、実際の面積を一致させるのが基本です。不一致が判明した場合、買主が契約を回避することや不一致を理由に値下げを要求することがあります。

登記上の面積と実際の面積を一致させるには、境界を確定する必要があります。

境界(土地境界)とは、土地と土地、もしくは公共用地とその土地の境目を意味します。

境界を確定するには、その土地の所有者と隣地所有者の双方が立ち合いのもと、土地家屋調査士が測量をします。こうして確定した境界は、現地に境界標が設置されて確定測量図が作成されます。

買主には、将来の境界トラブルを避けるために、境界明示があることを購入条件としている人も少なくありません。

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地目を「宅地」にする

地目とは、土地の登記事項のひとつです。住宅用の土地は基本的に「宅地」となっているはずですが、まれに「山林」「雑種地」などになっていることがありますので、事前に登記を確認してください。

そのままの地目で売却をしても法的に問題はありませんが、「宅地」以外の地目だと、買主が敬遠する傾向があります。あるいは、「宅地」でないことを値切りの口実にされることもありますので、地目変更をしておいた方が安心です。

登記の名義や住所は現況に合わせる

登記の名義が現在の所有者名義になっていないと、売却はできません。相続した土地の名義が親のままの場合は、早急に相続登記手続きを行う必要があります。

また売主名義になっていても、住所が従前の住所地になっていたり、婚姻前の旧姓のままだったりすることがあります。異なっている場合は、現在の住民票の記載と一致した住所変更登記や名義変更登記が必要です。

草刈りを行う

雑草だらけの土地は、荒れたイメージとなり、買主が購入を敬遠する要因になります。土地の状況がはっきりと分かるように、売却活動前にしっかり草刈りを実施しておきましょう。

売却の予定があることを近隣に伝える

売却の事実を引っ越しの直前まで近隣の人に知られたくないと思う方は大勢います。しかし、近隣関係者が実際に購入する事例は、意外と多いのです。

近隣住民の息子さんが結婚を機に新居を探していたり、子ども世帯が家族ごと都会からUターンをしてきたりと、近隣の家を探す理由はいろいろとあります。買主の立場で考えると、周辺環境やコミュニティを熟知しているエリアですから、知らない土地の物件よりも安心して住めるというメリットがあります。

支障がなければ、売却を決断したら、近隣の親しい人に、売却の予定があることを伝えてみるのも、売却を促進する有効な方法となります。ほんの数名に話しただけでも、たちまち口コミで情報が広がります。

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建物付きの土地を高く売るコツ

建物付きの土地を売却する場合は、家をよく見せることが非常に重要になります。ここでは、建物付きの土地を高く売るコツを解説していきましょう。

本格的なリフォームは避ける

建物が古くなっている場合、リフォームをして売り出すことを検討することがあるかもしれません。しかし、これは費用面での効果はありません。たとえば、リフォームに500万円を費やしても、リフォーム前の家よりも500万円以上高く売れることは、ほとんどありません。

もちろん、清潔である方が売却できる可能性は高くなりますから、手を加えるとしたらハウスクリーニング等に費用を投じた方が効果的です。

インスペクションを実施する

インスペクションを実施するメリット

インスペクションとは、建築士の資格を有する専門の検査員が、第三者的な立場で、目視、動作確認、聞き取りなどにより、住宅の現況の調査を行うものです。

日本の中古物件の流通量は、欧米諸国に比べてかなり低い水準にあります。流通が伸びない理由のひとつとして、中古住宅の適正な評価基準が存在しないことが挙げられます。購入した後に、致命的な不備が発見される事態を多くの買主が恐れているのです。

その不安を解消する手法のひとつがインスペクションです。この調査結果の概要が、重要事項説明の報告書として買主に渡されます。

インスペクションの実施は、法的な義務はありませんが、買主の不安を解消する大きな決め手となります。

ハウスクリーニングを実施する

専門の業者によるハウスクリーニングは、キッチン、トイレ、浴室などの水周りに特に効果的です。

法の適合性を確認する

建築基準法に適合した家とは、建築確認済証のとおりに建物が建ち、完了検査に合格したことを示す検査済証が交付されたものをいいます。

ただし、1990年代以前は、完了検査の受検率が極端に低かったため、検査済証が交付されていない住宅も少なくありません。しかし、それで諦めるのではなく、少なくとも提示する情報に違反の要素がないことを示すだけでもかなりの効果が期待できます。

たとえば、売却物件の表示で、建築面積、延べ床面積が記載されますが、それぞれ敷地面積に対する割合が、規定の建ぺい率(建築面積÷敷地面積)や容積率(延べ床面積÷敷地面積)を超えていないことが求められます。住宅ローンの審査では、こうした点がチェックされ、違反の疑いがある物件には、担保価値がないと判断され、住宅ローンの審査に落とされることがあります。

数値がオーバーしていても、建ぺい率については、角地などで、規制が緩和されていることがあります。また容積率については、駐車場など一部容積率の対象面積から除外される部分があります。

見かけの数値がオーバーしていても、法的基準はクリアしていることがあります。数値的に疑わしい物件は、こうした事情を事前に押さえておくことで、買主が安心して購入することができます。

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できれば物件を空ける

売却に際して、売主が先に家を空家にするという方法があります。住みながら売却する場合と比べて大きな差がつくわけではありませんが、購入検討者の中には、居住中の家を見学することに抵抗がある方もいます。誰にも気兼ねすることなく、ゆっくり内覧できる環境を整えることは、購入に向けて思いが傾く要因となるのです。

もちろん売却前に家を空けられない事情があれば無理をする必要はありません。入居したままの状態でも、室内を清潔に見せることで、不動産の魅力を十分に伝えることができます。

土地の売却費用を抑えるポイント

土地の売却に際しては、主に次のような費用が発生します。

  • 仲介手数料:売却額×3%+6万円+消費税
  • 印紙税:1,000円〜6万円
  • 抵当権抹消費用:5,000円~2万円
  • ローンの返済費用:ローン残債+手数料1~3万円
  • 所得税・住民税・復興特別所得税

これらの費用を可能な限り抑えるには、どのような点に気をつければいいのか解説をしていきましょう。

仲介手数料を抑える

仲介手数料の上限額は法宅建業法によって

  • 物件が800万円以下:30万円+税
  • 物件が800万円を超え:取引価格の3&+6万円+税

と定められていますが下限には決まりがありません。

したがって、不動産会社の選び方次第で仲介手数料を安く抑えることができます。

仲介手数料計算ツール(上限額)
売買価格
万円
仲介手数料
72万6,000円(税込み)
※2024年7月より、800万円以下の不動産売買時は、売主・買主合意の元、33万円(税込み)の仲介手数料が上限額になっています。

土地売却時の仲介手数料を抑える方法として、次の選択肢があります。

  • 仲介手数料無料の不動産会社を探す
  • 仲介ではなく買取を選択する

それぞれの方法について説明します。

仲介手数料無料の不動産会社を探す

インターネット等で不動産会社の情報を検索すると、仲介手数料を無料としている会社も見受けられます。そうした不動産会社に売却を依頼することで、仲介手数料を節約できます。

ただし、不動産会社の主要収入である仲介手数料が無料になるのにはからくりがあります。不動産会社が売却の仲介手数料を無料にする場合は、「両手仲介(両手取引)」で買主から手数料を受け取る取引に限定している可能性があります。

両手取引(両手仲介)

「両手仲介」とは、売主と買主どちらの仲介も同じ不動産会社が行うことです。売主の手数料を無料にする場合、不動産会社は自社で探した買主と契約してもらうことでしか仲介手数料を得られないため、買主が決まるまでに時間がかかってしまう可能性があります。

そのため、売却が長引いてしまうリスクがある点に注意してください。

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仲介ではなく買取を選択する

土地の売却を仲介ではなく、不動産会社に買取してもらうという方法があります。不動産会社が直接買い取るので、仲介手数料は発生しません。

買取は、仲介手数料を抑えられるだけでなく、買主を探す必要がないので広告費も発生しません。

ただし、売却価格は仲介による売却の70~80%程度になります。

土地の大きさが一般的な買主を探すには大きすぎる・小さすぎるといった場合や、土地の形状が不整形地であるために売れにくいといった場合は、買取会社や土地の仕入れを行っているハウスメーカーに買取を依頼するのも有効です。

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各種税金を安く抑える

土地の売却で発生する税金について、一定条件を満たせば負担を減らせます。

不動産売却における税金を安く抑える方法として、次の4種類の制度があります。

  • 長期譲渡所得の税:譲渡所得税に軽減税率が適用される
  • マイホーム売却時の3,000万円特別控除:譲渡所得が最大3,000万円まで控除される
  • 10年超所有軽減税率の特例:譲渡所得税が軽減税率になる
  • 特定居住用財産の買い換え特例:譲渡所得税の納税を先延ばしできる

それぞれの制度について解説していきましょう。

長期譲渡所得の税

土地の売却により課税される譲渡所得税は、物件の所有期間により「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に分けられて、以下のように税率が異なります。

  •  短期譲渡所得(5年以下):39.63%(所得税30%、住民税9%、復興特別所得税   0.63%)
  • 長期譲渡所得(5年超):20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税   0..315%)

売却したい土地の所有期間が5年超であれば、譲渡所得税を安く抑えることができます。不動産の譲渡所得計算に用いる所有期間は、売却した年の1月1日時点で判断します。

たとえば、2020年8月10日に購入した土地を2024年6月3日に売却した場合、2024年1月1日時点の所有期間は4年なので短期譲渡所得になります。

マイホーム売却時の3,000万円特別控除

居住用の不動産を売却して利益を得た場合、譲渡所得から最大3,000万円まで控除されます。不動産の売却益が3,000万円以下だった場合、税金はゼロになります。

3,000万円特別控除が適用される条件は、次のとおりです。

  • 家屋を取り壊した日から1年以内に売買契約が締結される
  • 住宅に住まなくなった日から3年以内に売却する
  • 住宅を売るまでに土地を用いて利益を得ていない
  • 売却前の3年間にこの特例を受けていない
  • 売主と買主が親子などの特別な関係ではない

建物部分を取り壊して土地を売却する際でも、取り壊してから1年以内に売買契約を結べば、マイホーム売却時の特例控除を利用できることがあります。

▼参考

No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁
www.nta.go.jp

10年超所有軽減税率の特例

不動産の所有期間が10年を超える場合、軽減税率の特例を適用できます。

譲渡所得のうち6,000万円以下の部分のみ、長期譲渡所得の税率が通常の20%から14%まで低くなります。

たとえば、不動産の譲渡所得が8,000万円だとすると、6,000万円には税率14%が適用されて、残りの2,000万円には通常税率の20%が課税されます。

なお、この控除制度を利用した場合、次項の「特定居住用財産の買い換え特例」は利用できません。

▼参考

No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例|国税庁
www.nta.go.jp

特定居住用財産の買い換え特例

不動産売却と同時に居住用不動産を購入して住み替える場合は、譲渡所得税の納税期限を延長できます。

ただし、譲渡所得税が免除されるわけではなく、取得した新居を売却する際に上乗せして2回分がまとめて課税される形です。

買い換え特例を利用するには、次の条件を満たす必要があります。

  • 売却する住宅の居住年数が10年以上
  • 取得する住宅が築年数25年以内または耐震住宅
  • 取得する住宅が床面積50平方メートル以上
  • 売却年の前後1年間に、新しい不動産を取得する
  • 取得する土地の面積が500平方メートル以下
  • 過去2年間は他の特例を受けていない

ただし、建物部分を解体した土地を売却する場合は、下記の3つの条件をすべて満たしている必要があります。

  • 取り壊された家屋およびその敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超えるものであること。
  • その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
  • 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

▼参考

No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例|国税庁
www.nta.go.jp

自分が直近まで住んでいた家であれば、取り壊して土地のみの売買を行った場合もこれらの特例控除が適用できる可能性があるので、詳しくは税理士などの専門家に相談すると良いでしょう。

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返金や精算で費用を抑える

売却後に戻ってくる費用としては次のようなものがあります。

  • 住宅ローン保証料の返金
  • 火災保険料や地震保険料の返金
  • 固定資産税や都市計画税の精算

それぞれの費用について説明していきましょう。

住宅ローン保証料の返金

住宅ローン保証料とは、買主が返済不能になった場合などに備えて、ローンを組む場合に結ばれる保証契約の費用です。

ローンの対象となる物件の売却が決まり、住宅ローンの繰上げ返済がおこなわれると、この保証も不要になります。保証契約時に支払った保証料のうち、残存期間に相当する分が精算されて返金されます。

火災保険料や地震保険料の返金

不動産を売却すると、すでに払った火災保険や地震保険の保険料について、残った期間に相当する分が返金されます。

保険料の返金を受けるには、不動産を売却した旨を保険会社に知らせて保険を解約する必要があります。

固定資産税や都市計画税の精算

不動産を引渡した日以降の固定資産税と都市計画税については、法的には、その年の1月1日時点の所有者(売主)が支払うことになっています。しかし、土地取引の慣習として、引渡し日以降の分を日割り計算して不動産業者が買主に請求してくれます。

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まとめ

多くの人にとって不動産の売却は人生で何度も経験することではなく、今回売却を検討している土地が初めての不動産売却になるという方も少なくないと思います。

この記事を参考に、査定から不動産会社の選び方、土地を高く売るための方法や売れない場合の対策についても事前に確認することで、安心して土地の売却を進めることができるでしょう。

執筆者
田中 良男
田中 良男

ことの葉行政書士事務所・代表/建築主事として建築確認申請の審査経験を有す/行政職員時代に都市計画策定、開発許可、生産緑地指定業務に携わる/ライター(切塗よしを)としても活動中【保有資格】特定行政書士、1級建築基準適合判定資格者 、既存住宅状況調査技術者(インスペクター)、終活カウンセラー、著作権相談員

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