「家の購入」は人生の大きな転機であり、多くの時間と労力、そして資金を投資する重要な決断です。
適切な家選びをすることで、生活の質を向上させ、長期的な幸福度を高めることができます。
今回は、住み替え・家の購入後に幸福度に影響する要素として、下記の6点を重要なものとして定義しました。
- ①通勤・通学の利便性
- ②住宅のタイプと間取り
- ③住環境と快適性
- ④安全性と災害リスク
- ⑤教育環境
- ⑥健康と環境への配慮
それぞれの要素が、今後の生活の満足度にどのような影響を与えるのか確認していきましょう。
また、基本的に「幸福感を高める条件」である要素を満たす家の購入にはコストがかかるため、どのようなポイントに投資すべきで、逆に生活の質に影響を与えない「コストを削っても良い部分」は何なのかを解説します。
①通勤・通学の利便性
通勤・通学の利便性は「職場や学校へのアクセス時間」「公共交通機関の充実度」といった要素です。
通勤・通学時間の短縮は、自由時間の増加とストレスの軽減につながります。
一方で、利便性の高いエリアほど物件価格が高くなります。
立地の良さと物件価格のバランス
通勤しやすいエリアに住むことでの利便性と、物件価格のバランスは、多くの人が住み替えや家の購入時に悩む点でしょう。
図1:通勤時間が「毎日楽しく働けている」と感じる確率に与える影響
出所:ザイマックス総研(2019)『楽しく働ける通勤時間は片道45分未満?』
ザイマックス総研が2019年に行った「首都圏オフィスワーカー調査」によると、通勤時間が30分程度までの人は「毎日楽しく働けている」と感じる確率に、マイナスの影響を受けにくいことが指摘されています。(図1)
本調査でアンケートに回答した人の「平均通勤時間」は49分でしたが、通勤時間が伸びるほど幸福度にはマイナスの影響が現れており、多くの人が「通勤でストレスを感じている」ことを示す要素です。
満員電車のストレス
図2:居住地・勤務地エリア別の平均通勤時間(上段)と平均通勤ストレス(下段)
出所:前掲のザイマックス総研調査より
また同調査においては、家から会社に向かうまでの通勤で「電車の混雑度によってどれぐらいのストレスを感じるか」を推察するために、以下のように首都圏をエリア分けしたデータも算出しています。(図2)
首都圏を①都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)、②18区(都心5区を除く東京23区)、③郊外(東京23区を除く首都圏全域)の3エリアに分け、居住地と勤務地の組み合わせごとに平均通勤時間と平均通勤ストレスを示したものです。
この結果から「通勤時間が増えるほどストレスを大きく感じる」傾向が再確認される一方で、「都心から外側のエリアに通勤した場合、通勤時間が伸びる反面、ストレス値は軽減している」という傾向がわかりました。
これはつまり、「混雑度の緩やかな下り電車を利用する場合は、通勤時間が伸びてもストレスは大きくなりにくい」ことを示唆しています。
金銭的な事情とのバランス
上記の情報を基にすると、
- 通勤時間が30分以内の場所に住むことで、ストレスを大きく軽減できる
- 通勤時間が45分以上になると、1時間かかる場所に住むのと比較して、かかるストレスは同じくらい
- 都心に住んでも、ラッシュ時の「山手線」のような路線を利用するのであれば、ストレスがかかる可能性あり1
- 時差出勤やリモートワークなど、満員電車を避けられる方法があれば、ストレスの軽減につながる
ということが言えるでしょう。
また、通勤時間や通勤によるストレスには「通勤パラドックス」という研究があり、「通勤時間が伸びることによって低下する幸福度は、収入のアップでも簡単に相殺できない」ことが提起されています2。
そのため、「多少通勤時間はかかってもしょうがないから、値段が手ごろな家」という選択をしてしまうと、実際に住んで通勤してみると、想像以上の疲労感に見舞われるリスクがある点に注意してください。
周辺施設の充実度
また、購入する物件の周辺施設の充実度も、生活の満足感・幸福度に大きく影響する要素です。
やはり「買い物に便利」「学校が近い」「病院が近い」など、便利な施設周辺の不動産価格は高い傾向にありますが、日々の買い物等 で不便に感じない範囲で物件を探すことを推奨します。
例えば、家でご飯を作って食べる機会が多い家庭であれば、最低でも自転車で行けるくらいの距離にスーパーが位置しているのが望ましいでしょう。
一方で、ご飯は外食や出来合いの物で済ませることが多いのであれば、徒歩圏にコンビニがあれば十分です。
ただし、最近はネットスーパーなども登場しており、そういったサービスを利用することで、「店舗からは遠くても買い物の利便性は変わらない」と感じる人も増えているようです。
これにより、住宅を選ぶ際に必ずしも駅や商業施設の近くにこだわる必要がなくなり、室内の広さやその他の要素を重視した物件選びも可能になっています。
将来の生活の変化を見据えたエリアの選択
「子どもが出来た」などの理由から、将来的に行動エリアが制限されたり、逆にそれまで行かなかった場所に行く機会が増えたりする可能性もあるでしょう。
子どもが出来ると、公園に遊びに行く、保育園の送り迎え、小児科を定期的に受診するなど「今は行かない施設」を利用するようになります。
かかりつけの小児科が近所にあることは、安心感から生まれる幸福度に影響するでしょう。
また、子どもが出来る前に行きつけだったお店も、妊娠中や子どもが小さい時期に連れて出かけるには不便に感じられるケースも多いです。
「今」の生活だけを見て住む場所を決めるのではなく、今後の人生で起こり得るイベントを想定した上で物件選びをするのがポイントです。
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②住宅のタイプと間取り
次に見ていく要素は「住宅のタイプと間取り」です。
十分な居住スペースは、ストレスの軽減と家族関係の向上につながります。
特に「プライバシー」と「パーソナルスペース」は、人によって快・不快の判断基準が異なるため、自分一人だけで住む家でない場合は、家族・パートナーと十分に話し合って必要な間取り・スペースを検討してください。
金銭的な事情とのバランス
部屋数が多いほど家も大きくなり、価格が高くなる傾向にあります。
- パーテーションや家具配置で空間を仕切り、リフォーム費用を抑える
- 防音材やカーテンなど、手頃な方法でプライバシーを向上させる
個々が独占的に使える部屋がそれぞれ存在するのが理想ですが、費用面で難しい場合、上記のような対策も検討できます。
また、テレワークなどで集中して作業したいといったニーズがある場合は、防音室の導入を検討しても良いかもしれません。
防音室は規模や材質によって値段はピンキリですが、「周囲の音が気になって自分が作業に集中できない」のは仕事の効率を下げますし、「自分の仕事中の話し声が気になる」といった理由で同居人がストレスを感じることもあるため、導入効果が大きい設備です。
侮れない「いびき」の問題
また間取りや部屋数を考慮する上で「いびき」の問題を軽視してはいけません。
出所:フィリップス・ジャパン(2021)
『実はみんな悩んでいる?!日本の家庭におけるいびきの現状とは。』
フィリップスジャパンが2021年に実施した調査では、「いびきがパートナーの睡眠に影響を与えている」と回答した割合が5割を超えていました。
結婚前の同棲時には気にならなかったものの、体型の変化や睡眠時無呼吸症候群によって「爆音のいびきに悩まされるようになる」可能性もあるでしょう。
睡眠不足は心身の不調に繋がり、積み重なった不満・ストレスは家族関係の悪化に繋がります。
「寝室は分けるか(または分けられるようにしておくか)」の議論は、将来的な生活の幸福度を大きく左右する要素です。
③住環境と快適性
「住まいが快適なこと」は、幸福度を高める重要な要素です。
快適な生活を実現するハイテク設備は、大抵の場合住宅価格の上昇に繋がります。
しかし、補助金や税制優遇制度を活用して費用を抑えられるケースがあります。
長期的な光熱費削減を考慮すると、投資対効果が高いものも存在するのです。
2024年7月で従来の住まい給付金は廃止されましたが、「子育てエコホーム支援事業」でリフォームや購入費用の一部を補助金として賄える場合がありますので、こうした制度もチェックしておくことをおすすめします。
日当たり・風通し
自然光の取り入れやすさや風通しは、室内の快適性に大きく影響します。
一般的には南・東向きに大窓やベランダがある部屋が好まれますが、北向き・西向きの部屋の場合、価格を抑えて購入できるケースがあります。
例えば「夜型の生活になる仕事をしているから、日当たりは気にならない」「夏場の強い日差しを避けたい」人は、こうした物件を選ぶメリットがあるでしょう。
一方で、北窓は冬場の結露やカビの発生に注意しなければいけません。
換気や暖房設備、日々のメンテナンスでこれらを対策できるのであれば、割安で購入するのも有力な選択肢です。
自身・家族の好みや生活スタイルと相談して決定するのが良いでしょう。
断熱性・空調
部屋の断熱性や空調設備も、家の快適性に関係する要素です。
断熱性の高い住宅は「夏は室温が上がりにくい」「冬は室温が下がりにくい」特徴があるため、光熱費の金額も変わってきます。
前述の「子育てエコホーム支援事業」などで費用を抑えて、断熱性に優れた快適な住環境を整備できる可能性があります。
④安全性と災害リスク
住まいの安全性は、家族が安心して生活するために欠かせない要素です。
防犯面や自然災害への備えを考慮することで、リスクを最小限に抑えることができます。
地域の治安
犯罪発生率の低い地域を選ぶことで、「安心感」が生まれ、ストレスも軽減します。
各都道府県が公開している犯罪発生情報は「ぼうはん日本」のWEBサイトで確認できるので、参考にすると良いでしょう。
また、実際に夜間の街灯の明るさや人通りを自分の目でチェックすることも大切です。
駅から家への帰路や、ちょっと近所のコンビニまでといったように、夜間に外出する際、薄暗くて不安な場所は無いか確認しておきましょう。
防犯設備
マンションの場合、オートロックや監視カメラがあれば、安心感が高まるでしょう。
また、一戸建ての場合はホームセキュリティの導入を検討しても良いかもしれません。
実際に犯罪被害に遭わなくても、セキュリティ面に不安がある場合「事件や事故に巻き込まれるのではないか」という不安感が生じることがあります。
この心理は「防犯不安」と呼ばれ、生活の満足度を下げるストレスの要因になるのです。
災害リスク
日本は地震や台風など自然災害が多い国です。
災害リスクを事前に把握し、対策を講じることが重要です。
国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」の地図表示機能を利用すると、各エリアの災害リスクが簡単に確認できます。
不動産情報ライブラリを利用して、洪水浸水想定区域と土砂災害警戒区域を確認した例。
日本は地震の多い国であることは言わずもがなですが、近年は台風に伴う大雨などの影響で水害・土砂災害に見舞われるケースも増えています。
すべての災害リスクがクリアされた家を選ぶことは難しいですが、自分が選んだ家では何に注意しなければいけないのか、対策するためにどんな準備や備蓄をすべきかを頭に入れておきましょう。
耐震基準
1981年以降に建築確認を受けた建物は、新耐震基準に適合しています。
それ以前に建てられたマンションなどは、旧耐震基準の建物として周辺相場よりも安く購入できます。
一方で、そうした古い建物に住む場合は、地震時のリスクが大きいことを念頭に置かなければなりません。
金銭的な事情とのバランス
安全性を高めるための設備や地域を選ぶと、物件価格が高くなる傾向があります。
全てのリスクをゼロにすることは難しいため、家族とも話し合って優先順位を決めた家選びをしましょう。
また、購入後に耐震補強や防災設備を導入することで、初期費用を抑えつつ安心した暮らしを手に入れることも可能です。
また、地震保険や火災保険に加入しておけば、万が一の際の経済的負担が軽減されます。
「備えあれば憂いなし」とは言われますが、「安心の欠落」は中長期的に幸福感を損なうリスクがあるため、「リスクのある家を買う場合も、納得した上でその物件を選択し、できる対策を講じる」という意識を持ちましょう。
⑤教育環境
子育て世代にとって、教育環境は家選びの大きな要素です。
子どもの成長をサポートするために、適切な環境を選びましょう。
学校の質とアクセス
希望する公立学校の学区内に物件があるか確認します。
交通量や道路の幅など、安全に通学できるかもチェックしておきたい項目です。
また、勾配があるエリアの場合、大人は気にならなくても、子どもが通学するのには大変な傾斜が存在することもあります。
この辺りも、実際に自分の目で確認しつつポイントを押さえるようにしましょう。
学習塾や習い事へのアクセス
子どもが学習塾や習い事などを利用する場合、それらの施設が近くにある方が当然便利です。
徒歩圏、子どもの成長段階に応じた行動圏内で、どのような習い事ができそうか、周辺状況をチェックしてみましょう。
家庭内環境の重要性
家庭環境が子どもの学力や社会的な成功を左右することは、国内外の多くの研究で明らかになっています。
子どもの学習意欲や対人的・情緒的なスキルの発達は、学校などの教育機関で過ごす時間だけでなく、親・家族と過ごす時間の影響も大きいのです3。
子どもと一緒に過ごす時間を確保し、対話が生まれる生活習慣・家庭環境を整備することで、健全な発達と幸福度に寄与します。
金銭的な事情とのバランス
子どもの私立学校への進学を視野に入れる場合は、「公立学校の通いやすさから人気のエリア」を避けることで、他の要素を重視して住まい選びの幅を広げられる可能性があります。
また、塾などの教育費は、オンラインで利用できるサービスで金額を抑えることも可能です。
⑥健康と環境への配慮
健康的な生活を送るためには、周囲の自然環境も重要です。
自然環境
周囲に公園があれば、散歩やジョギング、子どもの遊び場として利用できます。
自然に触れる機会は、子どもの情操教育にも役立ちます。
大気汚染
近くに幹線道路や工場がある場合、騒音や排気ガスなどが気になる場合があります。
水質
水道水の安全性は、自治体の水質検査結果を確認することができます。
ちなみに「東京の水はまずい」というのは過去の話で、現在は各種数値やアンケート調査でも「おいしい水」であると評価を受けることが増えました4。
また、「水道水に含まれるリチウムの濃度が高い地域は、自殺率が低くなる」という研究もあり、水質が心身の健康に及ぼす影響は決して軽視できません5。
自治体によって水質は意外と異なるため、飲み水や料理にこだわる方は、各地域の水道局WEBサイトなどから情報をチェックしておくのが良いでしょう。
「自分で納得して物件を選ぶ」ことの重要性
家の購入や住み替えは大きな決断であり、自分自身で納得して選ぶことが幸福度に直結します6。
この記事で挙げたすべての要素を完璧に満たす家を買える人は、そう多くはありません。
他の人の住宅事情を羨ましく思うこともあるかもしれませんが、「住めば都」という言葉があ るように、自分が納得した基準で選択することが「幸せを感じられる家選び」のために最も重要な要素です。
自己決定と幸福度
自分の意志で決定したことは、満足度や幸福感を高めます。
また、十分な情報を得て比較することで、より納得のいく選択ができるでしょう。
後悔を防げる
人は、自分で決めた実感があると、後悔や不満を感じにくくなります。
一方で、よく考えずに妥協してしまうと「もっといい家が買えたのではないか」という後悔の念が生まれ、幸福度が薄れる原因になります。
幸福度と金銭的事情のバランス
理想の住まいを追求するあまり、経済的に無理をすると長期的なストレスにつながります。
無理なく返済していける住宅ローンの借入額は、一般的に年収の20〜25%以内とされています7。
「住宅ローン返済比率は、年収の35%まで借りられる」と言われることもありますが、貯蓄や教育費、老後の親の介護費用など、将来的に必要となる出費は多いです。
「今後を楽観視し過ぎず、だからと言って厳しく条件を決め過ぎず、自分と家族が納得して家を選ぶこと」が、幸せに繋がる住まい選びとなるでしょう8。
コストをかけても幸福度に影響しない可能性のある要素
「コストをかけても幸福度が上がるわけではない=自己満足にすらならない可能性がある」要素も見てみましょう。
予算の範囲内で自分がコストをかける部分、かけない部分を明確にすることで、前述の「納得した良い選択」に繋げることができます。
過剰な資産価値へのこだわり
将来の値上がりの展望や、資産価値にこだわりすぎた住まい探しはおすすめできません。
投資用の物件であれば収益性を追求することは合理的ですが、実需住宅の購入や住み替えは、タイミングによって満足度が大きく変化します9。
資産価値にこだわり過ぎた家選びや、売主に過度な値下げ交渉を行うといった行為は控えましょう。
また、資産価値を追求しすぎると、無理なローンや生活費の圧迫につながりやすい点にも注意してください。
豪華な設備や高級志向
必要以上の高級設備や豪華な内装は、一時的な満足感にとどまり、長期的な幸福度への影響は限定的です10。
高級設備は、初期費用や維持費が高額になる可能性があります。
注文住宅を建設するようなケースでは、細部までこだわって「海外製のおしゃれなシステムキッチンを導入したい」と考えるような方がいます。
しかし、そうした設備は修理のための部品が入手困難になったり、メンテナンス費用が高額になってしまったりすることがあります。
リーズナブルな価格帯で高品質な製品もあるので、高級品を選択する場合は「本当にこれにコストをかけるべきか」は議論した方が良いでしょう。
住み替えで高値売却を狙いすぎる
住み替えで家を売ってから新しい物件を買う際、元の家を「少しでも高く売りたい」と考え るのは当然のことです。
しかし、市場予測は不確実性が高く、完璧なタイミングを狙うのは難しいです。
「頭と尻尾はくれてやれ」という言葉が株や為替取引の世界ではよく言われますが、実需の不動産を狙って高値で売り抜けるのは、かなり難しいと捉えるべきです11。
たとえ今売った家が後々値上がりしたとしても、住み替えた先の家の資産価値も同様に上がるケースは少なくありません。
また、新しい家を購入して良い住環境を手に入れることで、金銭的な価値では測れない「幸福感」という恩恵を受けられる点も見逃せません。
過度なこだわり
「納得した住宅選び」と、それに伴う幸福感についてここまで説明してきましたが、条件をあまりにも厳しく決めて「どの家にも決まらない」ことは大きなストレスに繋がります。
購入する物件の要素として妥協できる部分、できない部分を明確にして、自分の中で優先度を設けておきましょう。
ただし、焦って家を決めることは後悔の原因にな るので、物件探しや家の仕様を検討する期間は、長めに設けることをおすすめします。
マンションか戸建てか、中古か新築か
家を選ぶ際に「マンションか戸建てか」あるいは「中古か新築か」で悩む人も多いでしょう。
LIFULL HOME’S総研が2018年に実施した調査では「建物の住みやすさから得られる満足度」と「街の住環境から得られる満足度」の統計が発表されています12。
建物の住みやすさから得られる満足度(持ち家)
- 1位:新築分譲マンション
- 2位:注文住宅(建て替え)
- 3位:新築分譲戸建て
- 4位:中古マンション
- 5位:中古戸建て
街の住環境から得られる満足度(持ち家)
- 1位:新築分譲マンション
- 2位:中古マンション
- 3位:新築分譲戸建て
- 4位:注文住宅(建て替え)
- 5位:中古戸建て
このデータからは「満足する条件の中古戸建てを購入するのは難しい」傾向が見えてきます。
中古戸建ては割安で購入できるメリットがあるものの、希望通りのエリアでタイミングよく自分の暮らしに合った物件を見つけるのが難しいと言えそうです。
中古戸建ての購入を考えている方は、長いスパンで物件探しをするの が、購入後に後悔しないための対策であると言えるでしょう。
「マンションか戸建てか」「新築か中古か」というのは、個々の金銭事情や希望条件で変化する要素であり、明確な基準で比較するのは難しいです。
やはり「自分の希望の条件を整理して、予算の中から自分で物件を選択する」ことが、幸福度の観点では優位性をもたらします。
おわりに
特に都市部の家選びでは「自分の予算」と「優れた住環境」のバランスに悩まれる方が多いでしょう。
この記事で説明した「幸福度」の観点にも着目して、妥協する部分と優先する部分を家族と話し合ってみてください。
みなさんが、納得した家選びができることを願っております。
参考:大分大学医学部|リチウムと自殺予防
参考:東京大学医学部附属病院精神神経科 安藤ら(2022)『自殺者では非自殺死亡者よりリチウム濃度が低い-眼房水解析』↑
参考:Nettleton & Burrows(1998)Mortgage Debt, Insecure Home Ownership and Health: An Exploratory Analysis.↑
参考:Kasser & Ryan(1993)A Dark Side of the American Dream: Correlates of Financial Success as a Central Life Aspiration.↑
参考:Dun, Gilbert & Wilson(2011)If money doesn’t make you happy, then you probably aren’t spending it right.↑
参考:Feng & Seasholes(2005)Do Investor Sophistication and Trading Experience Eliminate Behavioral Biases in Financial Markets?↑