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文化財保護法の指定区域にある土地を購入する際の注意点は?工事開始後に埋蔵物が見つかった場合の対応も解説

文化財保護法の指定区域の土地では、工事の際に届出が必要になるだけでなく、購入後に地中から埋蔵文化財が発見される可能性もあります。

埋蔵文化財が発見されると、工事が中止になる恐れもあるので注意が必要です。

この記事では、文化財保護法の基本や指定区域の土地を購入するデメリット、埋蔵文化財が発見された場合の手続きを詳しく解説します。

この記事を読むとわかること

このページの目次
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文化財保護法とは

文化財保護法とは文化財を6種類に分ける

文化財保護法とは、文化財の保存・活用を目的とする法律です。

従来の「国宝保存法」「史跡名勝天然記念物保存法」などが統合され、1950年に制定されています。

文化財保護法では、文化財を「有形文化財」「無形文化財」「民俗文化財」「記念物」「文化的景観」「伝統的建造物群」の6種類に分けます。

そのうち重要なものは、国が国宝や重要文化財などに指定し、重点的な保護の対象としているのです。

文化財保護法による規制

文化財保護法による規制

文化財保護法による規制には、大きく以下の3つがあります

  • 重要文化財・史跡・名勝・天然記念物として指定された場合の規制
  • 伝統的建造物群保存地区として指定された場合の規制
  • 周知の埋蔵文化財宝蔵地として指定された場合の規制

それぞれ見ていきましょう。

重要文化財・史跡・名勝・天然記念物として指定された場合の規制

文化財保護法における文化財には以下の6種類があります

文化財の種類概要
有形文化財有形の文化的所産で歴史上または芸術上、ならびに学術上価値の高い資料
無形文化財演劇や音楽・工芸技術など無形の文化的所産で歴史上・芸術上価値の高いもの
民族文化財衣食住・生業・信仰・年中行事などに関する風俗習慣・民族芸能および用いられる衣服や器具などで国民生活の推移の理解のために欠くことのできないもの
記念物遺跡や名勝地・動物・植物・地質鉱物で歴史的・学術的・芸術的価値の高いもの
文化的景観地域の人々の生活または生業、および当該地域の風土により成形されて景勝地で国民の生活または生業の理解のため欠くことのできないもの
伝統的建造物群周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの

重要文化財とは、有形文化財のうちとくに重要として国から指定される文化財です。

重要文化財のうち、さらに文化財としての価値が高いと判断されると国宝に指定されます。

また、史跡・名勝・天然記念物は記念物に該当し具体的には以下の通りです。

種類概要
史跡貝塚や古墳・都城跡・城跡、旧宅その他遺跡で歴史上または学術上価値の高いもの
名勝庭園や橋梁・峡谷・海浜・山岳その他で芸術的または鑑賞上価値の高いもの
天然記念物動物・植物・地質鉱物で学術的価値の高いもの

重要文化財・史跡・名勝・天然記念物は、その形状を変更したり、保存に影響を及ぼす行為を行う際には文化庁長官の許可が必要です。また、修理を行う場合には届出が求められます。

さらに、文化庁長官はこれらの保存のために必要と判断した場合、特定の地域を指定し、一定の行為を制限・禁止することが可能です。

自治体においても、文化財に関して独自の条例で指定を行い、一定の行為を制限していることがあります。

重要文化財、史跡・名勝・天然記念物は不動産とも関わってくるので、覚えておきましょう。

伝統的建造物群保存地区として指定された場合の規制

伝統的建造物群保存地区とは、都市計画法の地域地区の1つです。

城下町や門前町、港町など、歴史的町並みを形成する伝統的建造物群、およびそれらと一体になって歴史的価値を形成する環境を指します。

伝統的建造物群保存地区に指定されると、建築物などの建築や除去、外観の変更などの現状変更に該当する行為は自治体の条例によって規制されます。

周知の埋蔵文化財包蔵地として指定された場合の規制

周知の埋蔵文化財包蔵地とは、土地に文化財が埋蔵されていると既に知られている土地です。

土地に埋蔵されている文化財(埋蔵文化財)とは、主に遺跡を指します。

周知の埋蔵文化財包蔵地として指定されている区域では、建築工事を行う際に届出が必要であり、その際には試掘や工事への立ち会いなどが求められることがあります。

文化庁によると 周知の埋蔵文化財包蔵地は全国で約46万ヵ所あり、毎年9,000件程度の発掘調査が行われています1

埋蔵文化財包蔵地は歴史的建造物が建っている土地に限らず、一般的な市街地が該当するケースも多くあるので注意が必要です。

なお、上記に該当する不動産はその旨を重要事項説明書に記載しなければなりません。

文化財保護法の指定区域にある土地を購入するときのデメリットや注意点

文化財保護法の指定区域にある土地を 購入するときのデメリットや注意点

文化財保護法の指定区域にある土地を購入する際には、以下のデメリットや注意点を押さえておくことが重要です。

  • 発掘調査に時間がかかる
  • 発掘調査費を負担する必要がある
  • 土地の利用が制限される可能性がある

それぞれ見ていきましょう。

発掘調査に時間がかかる

周知の埋蔵文化財包蔵地で建築する際には、事前の届出と調査が必要です。

この調査で遺跡などが発見され発掘調査が必要となれば、調査完了まで工事がストップします。

試掘調査であれば1日から1週間ほどですが、発掘調査になると状況によっては1年以上かかるケースがあります。

工事が長期間ストップするため、入居までのスケジュールが大きく崩れる恐れがあるので注意しましょう。

また、工事がストップし家屋の建築が遅れると、固定資産税の軽減措置が受けられなくなる恐れがあります。

土地の固定資産税は、居住用の建物が建っていると最大6分の1の軽減が適用されます。

ただし、軽減が適用できるかは1月1日時点の土地の状態で判断されるため、工事がストップし1月1日時点で建築ができていないと軽減が適用されない可能性があるのです。

適用されないと、本来の高い税負担になるので注意しましょう。

発掘調査費用を負担する必要がある

自治体によって異なりますが、原則として発掘調査にかかる費用の負担は土地の所有者になります。

ただし、個人で自己用の住宅を建築する場合は、自治体が負担してくれるケースが一般的なため、確認してみるとよいでしょう。

一方、投資用や事業用利用のケースでは自己負担になる可能性があります。

調査規模が大きく追加費用も発生するとなると、調査費も高額になる恐れがあるので注意しましょう。

土地の利用が制限される可能性がある

調査の結果、埋蔵文化財が発見された場合、文化財保護の観点から工事計画の変更や中止を求められることがあります。

また、地盤改良や建物の構造に対して制限が設けられるため、自由に活用できなくなってしまうのです。

さらに、調査には費用がかかり工期も延びるため、土地所有者にとっては大きな負担となります。

たとえ工事着工の許可が下りた場合でも、文化財保護のための追加対策が必要になり、その分工事費用が高くなるおそれがある点にも注意が必要です。

工事を開始した後に埋蔵文化財が見つかった場合の対応

工事を開始した後に埋蔵文化財が見つかった場合の対応

工事開始後に埋蔵文化財が見つかった場合、以下の手順で対応していく必要があります

  • 工事を中止する
  • 教育委員会に届け出る
  • 調査を行う
  • 出土品を警察に提出する
  • 状況に応じて工事の中断や再開を判断する

それぞれ見ていきましょう。

工事を停止する

工事開始後に埋蔵文化財が見つかった場合、土地の所有者は現状を変更せずに届出が必要です。

そのため、工事は一度すべてストップすることになります

教育委員会に届け出る

埋蔵文化財が発見された場合は、遅滞なく書面で自治体の教育委員会に届出を行う必要があります。

調査を行う

届出後に必要と判断された場合、試掘調査や立ち合い調査が行われます。

試掘調査は土地の一部を採掘する調査で、自治体が費用を負担して実施するのが一般的です。

調査の結果、埋蔵文化財が確認されると本格的な発掘調査が行われます

発掘調査を行う際には、改めて教育委員会への届出が必要になります。

ただし、具体的な調査の手続きについては自治体によって異なるので、自治体の窓口で確認しましょう。

出土品を警察署に提出する

発掘調査で出土した品は、落とし物扱いとなるため土地の所有者が警察署に提出します。

その後、教育委員会で文化財かどうかの鑑定が行われます。

なお、鑑定の結果、埋蔵文化財と判明した場合の出土品の所有権は国または自治体が有するため、土地の所有者が個人で所有することはできません。

ただし、土地の所有者や発見者に対して報奨金が支払われる可能性があります

状況に応じて工事の中断や再開を判断する

発掘調査と文化財の保護が完了すると、自治体から工事の再開の許可が下ります。

ただし、文化財を破壊しないような慎重な工事が求められ、基礎工事などでは自治体の立ち合いが必要になるケースもあります。

また、状況によっては工事計画の変更や中断を指示されるケースもあるので注意しましょう。

文化財保護法の指定エリアにある土地の購入に関するよくある質問

文化財保護法の指定エリアにある土地の購入に関するよくある質問

最後に、文化財保護法の指定エリアにある土地の購入に関するよくある質問をみてみましょう

文化財保護法の指定区域を調べる方法は?

文化庁の「国指定文化財等データベース」では、文化財や都道府県を指定して検索ができます。

また、各自治体のホームページや窓口でも確認できるので、事前にチェックするようにしましょう。

文化財保護法の指定区域で家を新築できる?

事前の届出や調査など、必要な手続きを踏めば新築は可能です。

ただし、調査の結果、埋蔵文化財が発見されると、新築工事の変更や中止の恐れもあるので注意しましょう。

文化財保護法の指定区域にある中古住宅の購入は問題ない?

中古住宅の購入は問題ありません。

しかし、購入した中古住宅を建て替える、地盤改良するなどでは届出が必要です。

まとめ

文化保護法の規制のうち、周知の埋蔵文化財包蔵地の指定を受けている土地では、新築などで事前の届け出や調査が必要です。

この際、発掘調査費は土地所有者の負担となり、工期スケジュールも大幅に遅れる可能性がある点には注意しましょう。

文化財保護法の規制がかかると大きな負担となりかねないので、事前に規制内容や注意点を押さえたうえで検討することが大切です。

1.
参考:文化庁「埋蔵文化財」
執筆者
逆瀬川勇造
逆瀬川勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。 保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士

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