不動産売却時の査定では、相見積もりして比較検討することが重要です。
とはいえ、相見積もりがなぜ必要か、どこを比較すればいいのか分からないという方もいるでしょう。
そこで、この記事では査定の相見積もりが必要な理由や比較ポイント・相見積もりのやり方などを分かりやすく解説します。
不動産売却における相見積もりとは
不動産売却の相見積もりとは、同じ物件に対して複数の不動産会社の査定を受けることです。
不動産売却のプロセスでは、まず不動産会社の査定を受けて売却額の参考にしたり不動産会社選びを行います。
ただ、査定で提示される価格は不動産会社によって大きく異なり、数百万円違っているというケースも珍しくありません。
そのため、複数の不動産会社で相見積もりを取り比較検討することで、満足いく売却を目指しやすくなるのです。
不動産売却で相見積もりするべき理由
相見積もりすべき理由は以下の3つです。
- 不動産会社によって得意分野が異なるため
- 不動産会社によっては根拠なく高い査定価格を提示することがあるため
- 複数の不動産会社の査定価格を聞くことで複合的に判断しやすくなるため
それぞれ見ていきましょう。
不動産会社によって得意分野が異なるため
不動産にはさまざまな種類があり、不動産会社が得意とする分野は異なります。
戸建が得意な不動産会社があれば、マンション売却が得意という会社もあるでしょう。
また、エリアについても得意不得意があります。
売却で大切なのは、売却する不動産種類・エリアを得意とする不動産会社を選ぶことです。
戸建てを売却したいのにマンション売却を得意とする不動産会社に依頼すると、知識やノウハウが不足しているため、適切な査定や販売戦略が難しく、スムーズに売却できない恐れがあります。
反対に、得意分野と不動産種類が一致すれば、市場価格に基づいた適切な査定や不動産にあわせた売却アドバイスが受けられ、効率的に売却を進められるでしょう。
不動産会社の得意分野はホームページで実績を見ればわかる他、査定を見てもある程度把握が可能です。
そのため、相見積もりで比較し得意不得意を見極めることが重要になります。
不動産会社によっては根拠なく高い査定価格を提示することがあるため
相見積もりを取るとある程度価格帯が似通ってきますが、なかには極端に高値を付ける不動産会社もいます。
高値を付ける不動産会社だからいいと考える方もいますが、安易に選ぶのはおすすめできません。
不動産会社の中には、媒介契約目当てで高値を提示するというケースがあります。
不動産会社が仲介手数料を得るには、前提として媒介契約が必要なため、魅力的な価格を提示しているというわけです。
特に一括査定サイトを利用した場合「競合する他社」の存在が明らかなので、高めの査定額が提示されやすいです。
この場合、契約して査定額で売り出しても、相場より高い価格では基本的に売れません。
最終的に売れ残りを理由に値下げを求められ、査定額どころか相場よりも安値で売却する恐れがあるのです。
相場よりも高値を提示される場合は、価格の根拠までしっかり確認する必要があります。
査定依頼の数が少ないと査定価格の比較ができず、提示される価格を鵜呑みにすることになります。
相見積もりを取ることで、価格が高いのか・低いのかの判断などがしやすくなるでしょう。
複数の不動産会社の査定価格を聞くことで複合的に判断しやすくなるため
査定でチェックすべきポイントは、提示される価格だけではありません。
査定時の対応やサービス、担当者との相性など、多角的に確認することが大切です。
これらは1社だけでは比較できないため、複数社から相見積もりを取り、総合的に比較検討することが重要です。
不動産売却の相見積もりで業者を比較する際のチェックポイント
相見積もりを比較する際には、価格だけでなく以下の項目も比較することが大切です。
- 査定価格に根拠があるのか
- 担当者の対応は信頼できるか
- 仲介手数料の額はいくらか
- 第三者の口コミや評価はどうか
それぞれ見ていきましょう。
査定価格に根拠はあるか
先述のとおり、ただ査定価格が高ければいいわけではなく、その根拠までが重要です。
査定価格に対しての根拠が納得いくものかまで、しっかりチェックしましょう。
根拠を聞いても答えてくれない・曖昧にするという不動産会社は避けた方がいいでしょう。
反対に、根拠だけでなくリスクやデメリットまできちんと説明してくれる不動産会社は、信頼できるといえます。
担当者の対応は信頼できるか
査定依頼時や説明時の担当者の対応から、信頼性や相性をチェックすることが大切です。
基本的には、査定時の担当者が売却依頼後も引き続き対応するため、信頼して任せられる担当者かを見極めていきます。
- 熱心で迅速に対応してくれる
- 親身に話を聞いてアドバイスしてくれる
- 知識やノウハウがしっかりしている
- 売りたい不動産種類に販売実績がある
- コミュニケーションがとりやすい
上記のような担当者であれば、自分の不動産を安心して任せられるでしょう。
仲介手数料の額はいくらか
仲介手数料とは、不動産売却成立時に不動産会社に支払う手数料です。
高額な取引になる不動産売却では、仲介手数料が100万円を超えるケースも多いので、事前に額を把握しておく必要があります。
仲介手数料は以下のように上限が決められています。
たとえば、売却額が3,000万円の場合、3,000万円×3%+6万円=96万円(税抜)が上限です。
上限の範囲であれば不動産会社は自由に設定できますが、基本的には多くの会社で上限をベースにしています。
なかには手数料無料や半額といったケースもあるので、確認するようにしましょう。
ただし、仲介手数料は安ければいいというわけではありません。
仲介手数料は不動産会社の利益であり、かつ売却の必要経費も含まれます。
仲介手数料が安くなれば不動産会社の利益も減るため、熱心に営業してもらえない・広告費などを削られるといった恐れがあるので注意しましょう。
▼関連記事:仲介手数料無料の不動産会社に売却を依頼時はトラブルに注意!
第三者の口コミや評判はどうか
査定と同時に、インターネットで口コミや評価をチェックすることも大切です。
口コミや評価がすべて正しい訳ではありませんが、あまりにもマイナス評価が多いと何かしら理由があるとも考えられます。
ただし、口コミは一般的に悪いことほどよく書かれ、良いことは書かれない傾向にある点も理解しておくことが重要です。
あくまで参考程度に活用するようにしましょう。
不動産売却における相見積もりのやり方
相見積もりを取る大まかな流れは以下のとおりです。
- 複数の不動産会社に査定依頼する
- 不動産会社から査定額の提示を受ける
- 気に入った不動産会社と媒介契約を結ぶ
それぞれ見ていきましょう。
複数の不動産会社に査定依頼する
まずは、査定を依頼する不動産会社を選んでいきます。
不動産会社には全国規模の大手から地域密着型の中小までさまざま会社があるので、実績や評判を調べ、バランスよく依頼するとよいでしょう。
依頼する際には、築年数や間取りなど、提供する情報を統一することが重要です。
提供する情報が異なる と、査定結果が違っても比較が難しくなります。
反対に、提供する情報や依頼した日時が同じであれば、結果の比較もしやすくなるでしょう。
しかし、複数の不動産会社に1社ずつ同じ情報・同じ時間で依頼するのは手間も時間もかかります。
複数の不動産会社に依頼するなら、一度の依頼で済む一括査定を利用するのがおすすめです。
イエウリであれば、大手から中小まで数多くの不動産会社が参加し、査定できる数に上限がないのでより多くの査定結果の比較が可能です。
また、査定依頼時に不動産会社に個人情報が伝わらないので、依頼直後から営業電話が続くといった心配もありません。
売却を検討しているなら、ぜひイエウリの査定をご利用ください。
不動産会社から査定額の提示を受ける
机上査定であれば、査定依頼後即日から数日で、メールや手紙・電話などで結果が伝えられます。
先述した比較ポイントを参考に査定価格を比較し、不動産会社を絞っていきましょう。
なお、不動産査定には机上査定と訪問査定の2種類があります。
机上査定とは、築年数や立地といった情報だけで査定する方法です。
情報を提供するだけで気軽に査定依頼でき、結果も数日で分かるというメリットがある反面、データのみで査定するため訪問査定に比べで精度が下がります。
一方、訪問査定とは不動産会社の担当者が直接物件をチェックして査定する方法です。
建物の状態や周辺環境といった個別の事情も反映されるので、より精度の高い査定が期待できます。
しかし、訪問査定は日程調整や査定の算出に時間がかかるため、査定依頼から結果入手まで1週間から2週間ほど時間がかかります。
とりあえず価格が知りたいなら机上査定、本格的に売却を見越すのであれば訪問査定が適しています。
机上査定で複数社を比較し、その中から2~3社に絞って訪問査定を受けると効率よく不動産会社選びができるでしょう。
気に入った不動産会社と媒介契約を結ぶ
査定結果をもとに売却を依頼する不動産会社を決めたら、媒介契約を結びます。
媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、それぞれ特徴が異なるので、自分の不動産や売却目的に応じて適切な種類を選ぶようにしましょう。
それぞれの特徴は以下のとおりです。
一般媒介 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
不動産会社との契約 | 複数可能 | 1社のみ | 1社のみ |
レインズへの登録義務 | なし | あり 契約から7営業日以内 | あり 契約から5営業日以内 |
活動報告義務 | なし | あり 2週間に1回以上 | あり 1週間に1回以上 |
自己発見取引 | 可能 | 可能 | 不可 |
契約期間 | 定めなし 一般的には3ヵ月 | 最長3ヵ月 | 最長3ヵ月 |
一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約できる自由度の高い契約です。
しかし、レインズ(不動産情報ネットワークシステム)への登録や営業活動報告の義務がない点には注意しましょう。
一方、専任媒介契約・専属専任媒介契約は不動産会社1社のみとしか契約できない形態です。
ただ、不動産会社としては仲介手数料を得やすいため、営業を熱心にしてくれる可能性があるでしょう。
また、レインズへの登録や営業活動報告は義務となり、状況の進捗確認がしやすいというメリットもあります。
初めて不動産売却する・手厚いサポートを受けたいというなら、専任媒介契約・専属専任媒介契約が適しているでしょう。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを踏まえたうえで自分に合った方法を選ぶことが大切です。
▼関連記事:不動産一括査定サイトのデメリット
不動産売却の相見積もりに関するよくある質問
最後に、不動産売却の相見積もりに関するよくある質問をみていきましょう。
不動産売却の相見積もりは失礼にあたる?
一括査定の普及により、現代は相見積もりが一般的に行われており、失礼にはあたりません。
不動産会社側も相見積もりを前提に営業活動を行っているケースも多くあります。
ただ、媒介契約締結後の相見積もりをとるのは不動産会社との信頼性を損ねる原因となるので、タイミングに注意しましょう。
不動産売却の相見積もりで押さえておくべきマナーとは?
査定を依頼する段階で、相見積もりであることを伝えておくとよいでしょう。
相見積もりであることは隠す必要はありません。
反対に、相見積もりであることを伝えずに査定を依頼すると、契約すると思われて強引に話を進められる可能性もあります。
また、相見積もりを比較した結果断る場合は、早い段階で誠実に断ることも大切です。
まとめ
不動産売却の査定は不動産会社ごとに提示する価格が大きく異なるので、相見積もりで比較し慎重に検討することが大切です。
また、相見積もり時には価格以外のポイントもチェックすることで、自分に合った信頼できる不動産を見極められます。
相見積もりを1社ごとに依頼すると手間や時間がかかるだけでなく、依頼条件が異なり正確な比較ができない恐れがあります。
一括査定を利用すれば、簡単に査定依頼でき結果の比較もしやすいでしょう。
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一括査定では、依頼直後に営業電話が続くといったデメリットがありますが、イエウリでは査定時に個人情報を不動産会社に伝えないので営業の心配なく査定を受けられます。
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