不動産査定では、ギフト券などを進呈するキャンペーンが実施されているケースがあります。
「どうせならお得に利用したい」と、キャンペーンありきで査定や不動産会社を選ぶ方もいますが、大丈夫なのでしょうか。
この記事では、不動産査定でよくあるキャンペーンやキャンペーンを利用するメリット・デメリット、注意点まで詳しく解説します。
不動産査定でギフト券やポイントが貰えるキャンペーンがある?
不動産売却に関するキャンペーンはさまざまな不動産会社で実施されており、そのなかには査定を対象としたキャンペーンもあります。
そもそも不動産査定とは、不動産会社が不動産の価値を算出することです。
不動産を売却しようと考えたら、まずは不動産会社に査定依頼し、おおよその売却価格を把握することから始めるのが一般的です。
また、その査定結果をもとに、不動産会社選びを進めていくとよいでしょう。
不動産会社の査定は営業の一環として行われるので、基本的に無料で実施されます。
さらに、キャンペーンの対象となれば、ギフト券やポイントなどが貰えるのでお得といえるでしょう。
とはいえ、無料の査定でさらにプレゼントまで渡すのには、もちろん不動産会社なりの目的があります。
そのため、「キャンペーンをしているから」という理由だけで安易に飛びつくのはおすすめできません。
不動産売却では、不動産会社選びで売却金額が数百万円変わるケースも多いものです。
数万円のキャンペーン目当てで肝心の売却額が落ちてしまうと、結局はお得にならないので注意しましょう。
よくある不動産査定キャンペーン
不動産査定に関するキャンペーンの内容は、不動産会社によって特典や条件が異なります。
ここではよくある不動産査定キャンペーンをいくつかみていきましょう。
訪問査定でAmazonギフト券進呈
訪問査定とは、不動産会社の担当者が実際に家を訪れて査定する方法です。
家の内部や周辺環境まで考慮して査定するので、より精度の高い査定が期待できるというメリットがあります。
ちなみに、よく見かけるインターネット上で完結する不動産査定は、簡易査定または机上査定と呼ばれます。
簡易査定とは、築年数や所在地といった情報だけをもとに査定する方法です。
情報さえ入力すれば査定してもらえ、結果もすぐに入手できるので、気軽な査定方法といえます。
ただし、簡易査定は情報だけで査定するので訪問査定よりも精度が低いです。そのため、とりあえず価格を知りたい、不動産会社を比較したいといった段階で利用するのが一般的です。
簡易査定の結果、本格的に売却に進む場合に、不動産会社を絞って訪問査定を受けるケースが多いでしょう。
不動産会社としても、訪問査定まで受けてもらえば媒介契約につながる可能性が高くなります。
そのため、訪問査定を受けた方に対して、Amazonギフト券などの特典を提供するキャンペーンが多く実施されているのです。
媒介契約でカタログギフト進呈
査定後に媒介契約を締結することで、カタログギフトなどが貰えるキャンペーンもあります。
媒介契約とは、売主が売却を依頼する際に不動産会社と結ぶ契約です。
媒介契約後、不動産会社は広告などの売却活動をスタートさせ、買主を見つけていきます。
媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、それぞれ内容が異なる点に注意しましょう。
一般媒介契約は複数の不動産会社と契約できるのに対して、専任媒介契約・専属専任媒介契約は1社のみとしか契約できません。
媒介契約を対象として行われるキャンペーンでは、基本的に専任媒介契約・専属専任媒介契約が対象です。
一括査定サイト経由で売却成約するとギフトカード進呈
一括査定サイトとは、複数の不動産会社の査定を一度の入力でまとめて依頼できるサイトです。
この一括査定サイトで査定を受け、その後売却成約に至った場合、ギフトカードが進呈されるキャンペーンもあります。
大まかな不動産売却までの流れは、簡易査定→訪問査定→媒介契約→売却活動→売買契約→決済・引き渡しです。
一般的に、不動産売却までは3ヵ月~6ヵ月ほど時間がかかります。
そのため、簡易査定を一括査定サイトで行ってから売買契約までは、ある程度時間がかかると覚えておきましょう。
▼関連記事:不動産一括査定のデメリットとは?
不動産査定キャンペーンを利用して売却するメリット
不動産査定キャンペーンを利用して売却するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 査定するだけでギフト券やポイントが貰えるケースがある
- お得に売却できる
- キャンペーンが売却を後押ししてくれる
それぞれ見ていきましょう。
査定するだけでギフト券やポイントが貰えるケースがある
キャンペーンの条件はさまざまですが、査定を受けるだけが条件となるケースも多くあります。
査定さえ受ければ対象となるなら、必ずしも媒介契約を結ぶ必要はありません。
また、査定を受けるだけなら仲介手数料なども発生しないので、無料で査定を受けてプレゼントがもらえるならお得といえるでしょう。
ただし、対象となる査定が机上査定か訪問査定なのかは、きちんと確認することが大切です。
お得に売却できる
キャンペーンなしで売却まですると、不動産会社に仲介手数料を支払うだけで、キャッシュバックや特典はありません。
一方、キャンペーンを利用すると、査定時・媒介契約時・売却時などでプレゼントをもらえるので、同じ売却でもお得感があります。
また、不動産会社によっては売却応援キャンペーンとして、ハウスクリーニングやプロカメラマンの撮影などのサービスを無料で提供するケースもあります。
キャンペーンを利用することで売却時にかかるコストの削減が期待できれば、最終的に手元に残るお金も多くなるでしょう。
キャンペーンが売却を後押ししてくれる
不動産売却は、人生の中でもそう多く経験するものではありません。
さ らに、大きなお金が動く取引であることから、売却しようと思っていてもなかなか一歩が踏み出せない方も多いでしょう。
売却に迷っているときに「キャンペーンがあるなら」と、最初の一歩のきっかけになるケースもあるものです。
このように、キャンペーンは金銭的なメリットだけでなく、売却の後押しとしての精神的なプラスの効果も期待できます。
不動産査定キャンペーンを利用して売却するデメリット
不動産キャンペーンを利用した売却にはデメリットもあるので、デメリットまで理解して慎重に検討することが大切です。
デメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- あからさまなキャンペーン目的だと不動産会社に嫌がられる
- 個人情報が不動産会社に伝わる
- 売却意思が固まっていないのにしつこく営業される可能性がある
ぞれぞれ解説します。
あからさまなキャンペーン目的だと不動産会社に嫌がられる
キャンペーンの特典目的で、売る気もないのに査定を受けるのは、マナーとしては良くありません。
不動産会社がキャンペーンを行う主な目的は、媒介契約の締結です。
不動産会社が売却で利益を得られるのは、媒介契約を結んで販売を開始した後、売却が成立した段階であるため、それまで仲介手数料は請求できません。
不動産査定キャンペーンは不動産会社にとって媒介契約を結ぶための重要な入り口であり、査定だけで特典をもらわれるとマイナスでしかありません。
もちろん、本格的に売却を検討していて、査定を受けたうえで価格などに納得できなかったというなら問題ないでしょう。
しかし、売る気もなく特典目的があからさまだと、不動産会社としてはあまりいい気持ちはしないものです。
今は売却しなくても将来売却を検討したときに、不動産会社との関係性に影響が出る恐れもあるでしょう。
売却の検討が前提にあり、その上でお得に利用できればいいという気持ちを持つことが大切です。
個人情報が不動産会社に伝わる
どのようなキャンペーン内容であれ、基本的にキャンペーンを利用すると個人情報や不動産情報が不動産会社に伝わります。
そのため、キャンペーンの後日に営業電話やDM、メールなどがくる可能性があります。
売却意思が固まっていないのにしつこく営業される可能性がある
不動産会社のなかには、キャンペーンで利用した際にしつこく営業してくるケースもあるので注意が必要です。
とくに、キャンペーンでは「キャンペーン期間がわずかしかない」など急かされるケースもあり、しっかりと検討する前に媒介契約を結んでしまうことになりかねません。
また、断るのが苦手な人にとっては、しつこい営業が苦痛に感じることもあるでしょう。
営業がしつこく迷惑している場合は、きっぱりと断ることが大切です。
▼関連記事:査定後に来る営業の断り方
不動産査定キャンペーンを利用して売却する際の注意点
ここでは、不動産査定キャンペーンを利用して売却する際の注意点として、以下の2つを解説します。
- 不動産会社が積極的でないケースがある
- 不動産会社ごとにキャンペーンの適用要件が異なる
それぞれ見ていきましょう。
不動産会社が積極的でないケースがある
不動産会社にとって、キャンペーンは重要な集客機会です。
しかし、キャンペーン目的で利用する人が多すぎると、不動産会社側の対応が手薄になり、雑になってしまう恐れがあります。
そうなると、本当に売却したいのに不動産会社が積極的に動いてくれないとなりかねないのです。
不動産売却では、不動産会社のサポートが売却を大きく左右します。
不動産会社が積極的に動いてくれないと、なかなか売れない、売れないから値下げする必要が出てくるなど、売却に不利になる可能性もあるでしょう。
キャンペーンで多少お得になったとしても、肝心の売却で失敗してしまうと意味がありません。
キャンペーンの内容よりも、熱心に売却してくれる信頼できる不動産会社かどうかで判断するようにしましょう。
不動産会社ごとにキャンペーンの適用要件が異なる
キャンペーンの要件は、不動産会社ごと・キャンペーンごとに異なります。
たとえば、査定を受ければ適用できるキャンペーンでも、机上査定ではなく訪問査定が対象となるケース、媒介契約の種類が限定されているケースが一般的です。
売却成立にしても、成立までの期間や売却価格に条件が設けられている場合があります。
Amazonギフト券やキャッシュバックでは最大○○円と広告し、売却額などに応じた細かい特典金額が決められているケースは多いものです。
また、過去に査定を利用していると適用できないなど、対象外の条件が設けられているケースもあるので注意しましょう。
「媒介契約を結べば特典が貰えると思っていたのに、適用要件を満たせず貰えなかった」というケースは珍しくありません。
事前に、ホームページなどで細かい適用要件もしっかり調べた上で検討するようにしましょう。
まとめ
不動産査定では、「訪問査定でAmazonギフト券」など のキャンペーンが実施されているケースがあります。
キャンペーンを利用することで、通常の査定や売却よりもお得になる可能性があるでしょう。
ただし、キャンペーンの内容や適用要件は不動産会社やキャンペーンごとに異なるので、事前にしっかり確認することが大切です。
キャンペーンを利用すればお得になりますが、不動産売却の本来の目的は高く売ることです。
キャンペーンにつられて安易に不動産会社を選んでしまうと、売却が失敗する恐れもあることは覚えておきましょう。
不動産売却では、キャンペーンよりも信頼できる不動産会社かどうかが重要です。
複数比較し、信頼できる不動産会社を選んだうえで、キャンペーンを上手に活用するとよいでしょう。