不動産査定を依頼する際に「なぜ売却を考えているのか?」といった売却理由を質問されることは、査定を受ける方にとって疑問に感じるかもしれません。
特に、昨今の犯罪増加や「闇バイト」による強盗事件が注目されている今、個人情報の提供に対して不安を抱く方も増えています。
この記事では「なぜ売却する理由を聞かれるのか」「答えなければいけないのか」「事情を話すのは不安だ」といった疑問・不安点を解消するために、どうして不動産会社が査定時に売却理由を尋ねるかを解説します。
また、不動産査定時に個人情報を安全に守るための対策についても詳しく解説します。
不動産会社が売却理由を尋ねる理由
不動産会社が売却理由を尋ねるのには、いくつかの合理的な理由があります。
これにより、より適切な査定価格や売却方法を提案することが可能になるためです。
売却の緊急性を把握するため
転勤や相続、住み替えなど、売却の理由によって売却のスピードが求められる場合があります。
不動産会社は、売却理由を確認して最適な提案をしたいと考えているため、査定に申し込んだ時はほぼ確実に「なぜ売るのか」を聞かれると思っておきましょう。
スクリーニングによる業務効率化
特に、一括査定サイトを利用して不動産の査定に申し込む方の中には「家を売却するつもりはないけど、価格が知りたいから申し込んだ」という方が一定数存在します。
不動産会社は一括査定サイト経由の査定申し込みに対し、情報料として一括査定サイトの運営会社に1件あたり1~2万円程度の手数料を支払っています。
不動産の売買を仲介した不動産会社が報酬を得られるのは、物件が実際に成約したときなので、このように売却の見込みが薄い査定依頼に対して、すべて丁寧に対応するのは非効率的です。
したがって、売却の理由を把握することで、
- ある程度の相場情報を提供する
- 周辺の成約事例や現在の売り出し状況を丁寧にチェックして査定する
上記どちらの対応をするべきか判断して、業務を効率化したいというスクリーニングの意図で売却理由が尋ねられることがほとんどです。
特に離婚などネガティブなケースや、不動産会社に売却理由を教えるのが何となく不安であるといった理由で、査定の目的を伝えたくない方もいると思います。
しかし、理由を明確に伝える方が不動産会社もきちんと査定してくれ、相談などにも親身に対応してくれる傾向にあることは押さえておきましょう。
適切な価格の設定
売却を急ぐ場合、やや市場価格よりも低めの設定が適していることがあり、逆に時間に余裕がある場合は市場価格に合わせて値動きを見守りながら売却を進めることができます。
売却理由は、こうした価格設定の参考となるのです。
効果的なマーケティング戦略の提案
例えば住み替えや資産整理の場合、家族向けや居住者向けのメリットを強調する戦略が有効です。
一方で、入居者のいるオーナーチェンジ物件や一棟収益物件など、投資物件の売却の場合には、投資家に向けた情報を重視する戦略が適切です。
このように、売却理由を知ることでより的確なマーケティングが可能になります。
信頼関係を深め、顧客ニーズに応じた営業につなげるため
不動産会社によっては、売主の背景や要望を理解することで、顧客との信頼関係を築き、今後の営業につなげようとする意図もあります。
こうした質問は顧客の本音を引き出し、最適なサポートを提供するためでもありますが、売主としてはあまり立ち入られたくない場合もあるかもしれません。
このような場合には具体的な背景を伝えず、簡単な理由でとどめておくことで、プライバシーを守りながらの対応が可能です。
信頼できる不動産会社は、こうした要望にも配慮し、柔軟に対応してくれるでしょう。
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売却理由を話したくない場合の対応方法
不動産会社に売却理由を詳しく話したくない場合、以下のような対応が可能です。
無理に詳細を伝える必要はなく、一般的な理由で回答することも許容されます。
大まかな理由で回答する
「住み替えを検討している」「資産整理のため」といった、具体的すぎず大まかな理由でも問題ありません。
多くの不動産会社は、詳細な理由でなくとも査定を行う際に必要な情報を得られるようになっています。
嘘の理由を言っても大丈夫?
「離婚を検討中」などの事情があり、プライベートのことを不動産会社に知られたくない場合は、嘘の売却理由を伝えても問題 ありません。
- 住み替えを検討している
- 金額によっては売却を検討している
など、正確に理由を伝えなくても査定そのものには影響しないでしょう。
ただし、実際に売却を進める際には、事情を正確に伝えた方が不動産会社から必要な手続きや準備についてアドバイスをもらいやすいため、一時的な対応だと考えておくのが無難です。
匿名査定やAI査定を利用する
売却を急いでいない場合は「まずは大まかな金額を知りたい」というケースも多いでしょう。
その場合は、個人的な売却理由等を伝えずに利用できる「匿名査定」や「AI査定」のサービスが便利です。
なお、最終的に不動産会社と契約して売り出すことを視野に入れている場合は、売却理由やいつまでに売却したいかといった事情を不動産会社ときちんと共有した上で訪問査定に申し込みましょう。
査定後に売却しない選択肢もある
査定を依頼したからといって、必ず売却を決定する必要はありません。
「売却を検討しているが、金額によっては売らない可能性がある」ことは、不動産会社も理解しています。
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査定時に注意すべきポイント
査定時に不動産会社のスタッフが自宅に訪れる場合、訪問に対する不安がある方も少なくありません。
そこで、査定訪問時の防犯やプライバシーを守るための注意点をご紹介します。
査定スタッフの身分証を確認する
訪問査定の場合、社員証や名刺の提示を求めるようにしましょう。
大手不動産会社ではスタッフの確認体制がしっかりしていますが、事前に確認しておくとより安心です。
貴重品や金品の管理
査定時には、金品や貴重品を別の場所に移しておくことで、防犯対策となります。
また、金品の保管場所については、不動産会社に伝える必要はありません。
「不動産会社に個人情報を話すことで、最近増加している事件に巻き込まれるのではないか」と心配に思う方もいるかもしれませんが「その家に金目の物があること」が知られると、情報が悪用されたときに危険性は一気に高まります。
住所や電話番号、不動産売却を検討しているといった事情を知られるぐらいでは、それほど危険は生じないでしょう。
査定時に聞かれる質問内容
査定時にどのような質問があるのかをあらかじめ知っておくことで、不安を軽減しやすくなります。
以下が、よくある質問の一例です。
- 売却の理由(住み替え、相続、離婚など)
- 住宅ローン残高
- 売却時期
- 物件の築年数、リフォーム歴
- 物件の欠陥や修繕が必要な点
- 固定資産税額
このように、事前に質問内容を把握しておくことで、必要な範囲での回答がしやすくなり、査定の際にもスムーズに対応できるでしょう。
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不動産会社の選び方のポイント
信頼できる不動産会社に査定を依頼することは、安全性と安心感の向上につながります。
口コミや評判の確認
GoogleマップやSNSでの評判を確認し、信頼できる不動産会社を選びましょう。
悪い評価があまりにも多いような企業は、営業スタイルに問題があると判断できます。
プライバシーポリシーの確認
ホームページに「プライバシーポリシー」や「個人情報の取り扱い」について明記している会社は、情報管理に対する意識が高いと判断できます。
査定依頼の際には、こうした取り組みを参考にして選択すると安心です。
まとめ
不動産査定時に売却理由を尋ねられるのは、売主に最適な売却方法を提案するために必要な情報収集の一環です。
また、査定後に売却を決める必要はなく、情報をもとにじっくりと判断することができます。
さらに、不動産会社も法律に基づき個人情報を厳重に管理していますので、安心して査定を依頼できるでしょう。
不安がある方は、査定訪問時に身分証を確認したり、貴重品の管理を徹底するなど、防犯対策も取り入れてください。
こうした知識を持つことで、安心して査定に申し込めるでしょう。