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空き家は放置すると劣化が早い!必要なメンテナンスを解説します

空き家は放置していると劣化が早まり、資産価値の低下だけでなく倒壊に周囲を巻き込むなどのリスクが生じます。

劣化を防ぐには、適切にメンテナンスすることが大切です。

この記事では、空き家を放置すると劣化する理由や必要なメンテナンス、管理できない場合の対策を分かりやすく解説します。

このページの目次
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空き家を放置するとなぜ劣化が早まる?

空き家を放置すると劣化が早まる理由

「人の住まない家は傷みが早い」と聞いたことがある方もいるでしょう。

そのとおり、空き家は放置していると劣化が早まりやすいのです。

ここでは、放置すると劣化が早まる理由として以下の4つをみていきましょう

  • 湿気が滞留する
  • 水道管やガス管が破損しやすくなる
  • チリやホコリが溜まる
  • 建物の構造に影響を与える破損が起こっても気付くのが遅れる

湿気が滞留する

空き家は窓やドアが閉めっぱなしになり、換気不足で室内に湿気が溜まりやすくなってしまいます。

湿気が溜まると、木材などにダメージが出やすいだけでなく、カビの原因となり腐食の加速を招いてしまうのです。

とくに、梅雨の時期や湿度が高い地域で換気できないと湿気が溜まりやすく、その影響が現れやすくなるので注意しましょう。

水道管やガス管が破損しやすくなる

水道管やガス管は、使用されない状態が長く続くことで、劣化が進みやすくなります。

管がサビてしまうだけでなく、破損するケースもあり、売却時などに再使用を検討する際、大きな問題となりやすいのです。

また、水道管の劣化による水漏れは、周囲のカビや腐食を引き起こし、建物の構造自体に被害を及ぼす恐れもあります。

さらに、水道管に水が流れないことで、害虫や害獣の侵入経路になりやすい点にも注意が必要です。

こうした不具合は、長期間の不使用だけでなく、寒冷地では凍結によっても起こりやすいため、気を付けましょう。

チリやホコリが溜まる

たとえ窓を閉め切っていても、空気中の浮遊物や家の隙間から入ったものがホコリとなって、溜まっていきます。

人が住んでいれば、日常的な換気や掃除によってチリやホコリは除去されますが、空き家では溜まっていく一方でしょう。

チリやホコリが溜まると、以下のようなダメージを引き起こしかねません。

  • カビや害虫のエサになり繁殖を招く
  • クロスや天井などの劣化が早まる
  • 見えない部分に溜まったほこりが建物の劣化を進行させる

わずかなチリやホコリでも、住宅の劣化を招く原因となる点は覚えておきましょう。

建物の構造に影響を与える破損が起こっても気づくのが遅れる

住んでいれば、家の不具合にすぐ気づき、適切に修繕することが可能です。

しかし、空き家では不具合の発見や修繕が遅れがちです。

たとえば、雨が降った後に雨漏りがする、羽アリが飛んでいるといったケースは、住んでいればすぐに対処できるでしょう。

ところが、空き家ではこうした異変に気づくのが遅くなります。

仮に気付いたとしても、「空き家だから」と、お金や手間をかけてメンテナンスするのを嫌がる人もいるでしょう。

雨漏りやシロアリ被害を放置すると、建物の構造自体に大きなダメージを及ぼし、気が付いたときにはボロボロになっていたとなりかねないのです。

空き家の劣化を防ぐために必要なメンテナンス

空き家のメンテナンスとして「換気」「通水」「掃除」「点検」の定期的な実施が必要です。

できれば月1回以上、梅雨時期や夏場など時期によっては2回以上行うと、劣化を防ぎやすくなります。

換気する

換気不足は、湿気やホコリが溜まる原因となります。

晴れた日は、家じゅうの窓やドアを開放し、室内に新鮮な空気を取り入れるようにしましょう。

雨の日は、室内に雨が入ってくるようなら窓の開放はおすすめできません。

雨が入ると、逆に湿気がこもる原因となります。

この場合は、別の日に改めるか、雨の影響を受けにくい場所を開放するなど、雨の状態をみながら検討するようにしましょう。

電気代がかかってもいいなら、換気扇をつけっぱなしにするのも1つの方法です。

ただし、換気扇自体のメンテナンスをしっかりしないと、ホコリの蓄積や故障による出火などのリスクがあるため、定期的に掃除をすることが大切です。

▼関連記事:空き家の換気扇を付けっ放しにするメリットと注意点

通水する

長期間使用されない給排水管は、詰まりやすく劣化しやすい傾向があります。

また、管の中の水がなくなると、下水道からの悪臭が発生したり、害虫が侵入しやすくなるため注意が必要です。

これらを防ぐためには、すべての水道を数分間開けて通水を行うことが効果的です。

通水時には、水の出方や色に異常がないかもチェックすることが大切です。

掃除する

室内の掃き掃除や庭の掃除なども行いましょう。

ホコリは床だけでなく、壁や窓にも広がっているので、全体的に掃き掃除・拭き掃除を行うことをおすすめします。

また、室内だけでなく家の周りや庭の掃除も必要です。

庭を放置していると雑草が生い茂り、樹木が隣家まで伸びてしまうことでトラブルになりかねません。

荒れた庭は、害虫や害獣の住処にもなりやすく、それらが室内はいると家にも影響が出ます。

庭も、除草や伐採、掃き掃除などでしっかり手入れするようにしましょう。

庭に植物を植える予定がないなら、除草剤の散布や除草シートを活用するのも1つの手です。

破損がないか点検する

家の内部や周囲に、破損や異常がないかを確認することも重要です。

雨漏りやひび割れ、破損がないかだけでなく、境界付近や近隣に変化がないかもチェックしましょう。

また、空き家は不法侵入や不審者に住みつかれる、犯罪の拠点として悪用されるケースもあるので、防犯面のチェックも欠かせません。

見回りの際には、近隣の住民に挨拶しておくのもおすすめです。

近隣住民と良好な関係性を築ければ、空き家を気にかけてもらえたり、トラブルになりにくいなどが期待できます。

空き家の管理が難しい場合の対策

空き家が遠方にあるなどで、定期的に足を運んで管理するのが難しいケースもあります。

とはいえ、自分では管理できないからといって放置してはいけません。

自分で管理が難しい場合は、以下のような対策を検討するようにしましょう。

  • 空き家点検サービスを利用する
  • 賃貸に出す
  • 売却する

それぞれ解説します。

空き家点検サービスを利用する

空き家管理サービスを提供する業者に管理を委託すれば、自分で管理する必要はありません。

管理会社や契約によって異なりますが、一般的には以下のような管理が行われます。

  • 建物外観や庭・室内の目視確認
  • 換気
  • 通水
  • 掃除
  • 郵便受けの整理

ただし、業者への委託には月5,000円~1万円ほど費用がかかります。

業者によって価格やサービスは異なるので、複数の業者を比較して検討しましょう。

また、地方では対応している業者が少ない点にも注意が必要です。

▼関連記事:空き家に火災保険をかけるべき理由は?

賃貸に出す

建物の状態が悪くないなら、第三者に貸し出してしまう方法もあります。

賃貸として提供すれば、家の管理は借主が行ってくれるので、自分で管理する必要がなくなります。

賃貸であれば、毎月の賃料収入によって固定資産税などの費用を賄えるだけでなく、手元に利益が残る可能性もあるでしょう。

しかし、賃貸に出せば必ずしも借り手がつくとは限らず、立地や物件の状態によって需要は大きく変わります。

また、賃貸として運用するにはリフォームなどの初期費用がかかることも多く、場合によっては高額になることもあります。そのため、資金計画や収支計画をしっかり立てたうえで、慎重に検討しましょう。

売却する

空き家を活用する予定がなく、管理の手間や費用を避けたいなら売却して手放すのがおすすめです。

売却であれば、管理から解放されるだけでなく、まとまった資金も得られるというメリットがあります。

ただし、築年数が古い、立地が悪いなど条件によっては仲介では買い手がつきにくくなります。

その場合、買取を視野に入れることでスムーズな売却を目指せるでしょう。

空き家の放置と劣化に関するよくある質問

最後に、空き家の放置と劣化に関するよくある質問をみていきましょう。

空き家の劣化スピードはどのくらい?

具体的な目安となる数値はありませんが、基本的には人が住んでいる家よりも早くなると考えておきましょう。

地域や建物の状態などによっても劣化スピードは異なります

また、夏は草が生えやすく、梅雨時期はカビが発生しやすくなるといった理由から、可能であれば1~2週間に1回程度はメンテナンスしたほうがよいといえます。

空き家の換気扇をつけっぱなしにするのは効果がある?

換気扇をつけっぱなしにすることで、換気ができ一定の効果は得られます。

しかし、つけっぱなしにすることで電気代がかかる、換気扇の劣化が早くなる点には注意しましょう。

また、換気扇をつけっぱなしにすることで管理が不要になるわけではありません。

換気扇をつけたうえで、通水や掃除、点検などの管理も忘れずに行いましょう

空き家を3年放置するとどうなる?

3年放置すると、老朽化が進むだけでなく、庭木が生い茂り景観を損ねる可能性があります。

3年放置したからといって法的な罰則はありませんが、状態が悪化すると自治体から「特定空き家」に指定される恐れがあります。

「特定空き家」に指定されると、改善のための指導や勧告を受けるリスクが高くなるので注意が必要です。

さらに、勧告を無視すると、固定資産税の優遇の対象から外れるほか、行政代執行の対象となることもあります。

また、空き家になってから3年以降に売却すると、譲渡所得の3,000万円特別控除などの特例が適用されにくくなる点にも注意が必要です。

いつか売却する予定なら、特例の適用期間にも注意して早めに売却を進めるとよいでしょう。

まとめ

放置した空き家は湿気やホコリ、配管劣化などで建物の劣化が早まりやすくなります。

劣化すると資産価値が低下するだけでなく、倒壊や特定空き家に指定されるなどのデメリットも生じやすいので、換気や通水、掃除など定期的なメンテナンスを行いましょう。

自分で管理が難しいなら、管理の委託や賃貸を検討するのも1つの手です。

費用や手間をかけずに管理から解放されたいなら、売却を検討するのもよいでしょう。

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2019.06.14
執筆者
逆瀬川勇造
逆瀬川勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。 保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士

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