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私道負担とは?不動産の売買時にチェックすべきポイントを解説します

私道負担のある土地は、通常の土地にはない制限や費用が発生する可能性があります。

購入前に内容をしっかり確認することはもちろん、売却する際も私道負担は買主から避けられる要因となりやすいので、メリット・デメリットを理解しておくことが重要です。

この記事では、私道負担の基本から、買主・売主側のメリット・デメリット、売買時のチェックポイントまで分かりやすく解説します。

このページの目次
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私道負担とは?

私道負担とは、以下のいずれかのことを意味します。

  • 土地の一部が私道になっている状態のこと
  • 土地に接する道路を利用するのに負担がある状態のこと

それぞれ見ていきましょう。

土地の一部が私道になっている状態のこと

土地に建物を建築するためには、「幅4m以上の建築基準法上の道路に、土地が2m以上接する」という、接道義務を満たす必要があります。

接道義務とは

土地が公道に接していない場合でも、敷地の一部を私道として扱うことで、この接道義務を満たすことができます。

広大な土地を分譲する場合などで、接道義務を満たすために私道が設けられるのが一般的です。

ただし、私道があることで建ぺい率や容積率の計算に影響が生じる点には注意しましょう。

たとえば、敷地面積200㎡のうち50㎡が私道なら、建ぺい率・容積率を計算する際の敷地面積は150㎡で計算しなければなりません。

建ぺい率(けんぺいりつ)

建ぺい率とは

  • 敷地面積に対する建物の建築面積(建物を真上から見た面積)の割合
  • 例:敷地100㎡で建ぺい率50%なら、建物は最大50㎡まで建てられる
  • 日当たりや防災のためのルール

容積率(ようせきりつ)

容積率とは

  • 敷地面積に対する延べ床面積(各階の合計床面積)の割合
  • 例:敷地100㎡で容積率200%なら、延べ床面積は最大200㎡まで可能
  • 周辺の環境や道路幅に応じて決められる

セットバックによる私道負担

接道義務を満たす方法として「セットバック」があります。

セットバックとは、道路の幅が4m未満の場合、道路の中心線から2mの位置まで敷地を後退させることで、実質的に4m幅を確保する方法です。

セットバック

この後退部分には建物を建てられないため、事実上の私道負担とみなされることがあります。

ただし、私道負担はすでに私道とされている土地を指しますが、セットバック部分が自動的に私道になるわけではないという点には注意が必要です。

とはいえ、私道負担やセットバック共に、建築の制限や土地活用の制限が生じる点は覚えておきましょう。

▼関連記事:セットバックとは?土地の後退が必要になるケースや工事費用について解説

土地に接する道路を利用するのに負担がある状態のこと

私道負担は一般的に、先述した土地の一部が私道であるケースを指しますが、土地に接する私道の権利を持たない場合も私道負担が生じます。

この場合、権利のない私道を使用するために発生する負担を私道負担と呼びます。

たとえば、通行するための通行料や、上下水道やガス管工事のための承諾料が必要といったケースです。

土地に接する道路が私道の場合、通常は私道の所有権を単独もしくは隣地の所有者複数人で共有しています。

しかし、所有権もしくは共有持分を持たない場合は、公道に出るために他人の土地(私道)を通らなければなりません。

このとき、私道の所有者に対して通行料や掘削料が発生し、これが私道負担となるのです。

私道と公道の違い

道路は大きく分けて「私道」と「公道」の2種類に分かれます。

私道とは、個人や法人、団体などが所有する道路です。

一方、公道とは、県道や市道など、都道府県や市区町村が所有する道路を指します。

公道は誰でも利用できる道路であり、修繕などの管理は所有する自治体が行います。

対して、私道を通行できるのは、所有者か所有者が承諾した人に限られます

また、私道の管理は所有者自身で行う必要があるという点も違いです。

自分の土地に接する道路が公道だと思っていたら、実は私道だったというケースは珍しくありません。

私道か公道かは登記簿謄本や公図、自治体の役場などで確認できるので、判断が難しい場合は調べてみるとよいでしょう。

なお、接道義務を満たす道路は、建築基準法上の道路に該当します。

これは公道だけでなく、「2項道路」や「みなし道路」といった、一定の基準を満たした私道も含まれます。

  • 2項道路:幅員4m未満の道路でも、建築基準法施行時から家が立ち並んでいたような道で、特定の条件を満たせば「道路」として認められるもの。道路中心から2m後退して建物を建てる必要がある(セットバック)
  • みなし道路:建築基準法上で「道路とみなされる私道」の総称で、2項道路なども含まれる

そのため、私道に接しているからといって、必ずしも建物が建築できないわけではない点は覚えておきましょう。

【買主側】私道負担のある土地を購入するメリット・デメリット

私道負担のある土地は、購入するとさまざまな制限や負担が生じます。

そのため、購入前にはメリット・デメリットを押さえておくことが重要です。

ここでは、買主側のメリット・デメリットをみてきましょう。

メリット

私道負担のある道路を購入するメリットとしては、以下が挙げられます。

  • 安く購入しやすい
  • 静かな環境になりやすい
  • 建築制限が緩和されるケースがある

私道負担はさまざまな制限が生じることから、通常の土地より販売価格が安いのが一般的です。

近隣の同面積の土地よりも比較的安く購入できるので、その分予算を抑えたり、建築費に充てたりすることができるでしょう。

また、私道は誰でも利用できるのではなく、許可された人しか通行できません。

公道のように不特定多数が利用することがないので、静かな住環境やプライバシーの確保がしやすくなります。

なお、私道負担でセットバックを行った場合、建物の高さを制限する「高さ制限」の緩和が適用されるケースもあります。

敷地面積が狭くなっても、高さの緩和を受けられれば、3階建ての建築などを検討しやすくなるでしょう。

デメリット

デメリットとしては、以下のようなことが挙げられます

  • 将来売却しにくい
  • 活用に制限が生じる
  • 購入後に近隣トラブルに発展するケースがある

私道負担のある土地は、建ぺい率や容積率の計算で不利になることがあります。

また、私道の持分がない場合は、通行や工事に際して承諾や費用の負担が生じます。

さらに、私道の所有者や隣地所有者と、通行や工事の承諾などでトラブルが起きるケースも珍しくありません。

これらのデメリットがあることで、買主から避けられやすくなり、将来の売却にも影響する点には注意しましょう。

【売主側】私道負担のある土地を売却するメリット・デメリット

次に、売主側のメリット・デメリットをみていきましょう

メリット

メリットとしては以下が挙げられます

  • 私道部分も売却できるケースがある
  • 安い土地を探している買主に気に入られやすい

私道が自身の土地の一部である場合、その部分は自由に活用できないものの、自分の土地であるため、私道部分を含めた売却が可能です。

また、私道持分を持っている場合は、持分のみでの売却ができます。

私道持分とは

私道持分は、他の私道利用者が購入を希望するケースもあるので、売却して利益を得られる可能性があるでしょう。

なお。私道負担のある土地は、基本的に売却価格が下がります。

近隣エリアの通常の土地より価格が下がるため、安い土地を購入したいというニーズとマッチしやすくなる点はメリットと言えるでしょう。

デメリット

デメリットとしては以下が挙げられます

  • 資産価値が低くなりやすい
  • 売却前に権利関係で近隣トラブルに発展するケースがある

私道負担のある土地は制限が生じやすいことから、資産価値は低くなります。

相場より低く設定しないと売却できないケースも多く、売却利益が大きくなりにくいのは売主として大きなデメリットと言えるでしょう。

また、私道持分のないケースでは、買主は購入後に掘削工事や通行許可を得ないといけないことから、売りにくくなります。

売りやすくするためには、事前に売主がこれらの許可を得ておく方法がありますが、許可を得る際に近隣とトラブルになるケースがあるので注意しましょう。

仮に、許可が得られないとなると売却にも響いてくるので、交渉が難航しそうなら不動産会社などのプロに相談しながら進めることをおすすめします。

▼関連記事:私道の持分なしの家や土地は売れない?対策、売却できた事例を解説

私道負担のある土地を売買するときのチェックポイント

私道負担の土地を売買する際には、以下の点をチェックすることが大切です。

  • 私道の権利関係や所有形態を確認する
  • 通行権利や掘削承諾の有無を確認する
  • 維持管理費用をどのように負担する必要があるかを確認する
  • 接道義務を満たすかを確認する

それぞれ見ていきましょう。

私道の権利関係や所有形態を確認する

私道の所有権には、単独と共有の2種類があります

単独は、その土地の所有者、もしくは地主などの第三者が私道の所有権を単独で有している状態です。

一方、共有とは複数の所有者で私道を有している状態をいいます。

分譲地などでは、私道に接したすべての家で私道を共有しているケースが一般的です。

また、共有の場合、所有形態は主に以下の2種類に分かれます。

  • 共同所有型:1つの私道を複数の共有者で共有している
  • 相互持合型:1つの私道を分筆し複数の所有者が単独で所有する

私道の共有持分の形態

共同所有型は、1つの私道を複数人で所有している状態であるのに対し、相互持合型は、所有者がそれぞれの土地(私道)を持っておりそれを合わせると1つの私道になる形です。

相互持合型の場合、通行や掘削工事で他の所有者の許可が必要になります。

私道の権利がどのようになっているかで、売却への対策などは異なってきます。

そもそも、権利を持っていると思ったけど、何の権利も有していなかったというケースもあるでしょう。

まずは、私道の権利や所有形態がどのようになっているかを、登記簿などで確認し把握することが大切です。

通行権利や掘削承諾の有無を確認する

持分や所有形態によっては、土地の所有者が通行権利や掘削権を有していない場合があります。

この場合、通行や掘削工事のために私道の所有者からの許可が必要になります。

仮に、権利がないとなれば売却もしにくくなるので、事前に売主が所有者から権利を得ておくなどの対策も必要です。

権利の有無を確認し、必要な許可を得ておくようにしましょう。

▼関連記事:私道の通行・掘削承諾とは

維持管理費用をどのように負担する必要があるのかを確認する

私道は、固定資産税や修繕費などの維持管理費用を所有者が負担します。

単独で所有しているなら負担者が明確なので、大きな問題はないでしょう。

一方、共有状態の場合、どのように負担するかでトラブルになる恐れがあります。

たとえば、固定資産税は共有者全員で持分に負担しますが、納税通知書はそれぞれの持分で全員に送られてくるわけではありません。

共有者の誰か1人に送付されるので、事前に取りまとめるか、後から徴収するなどの対応になります。

修繕費についても同様に、共有者で持分に応じて按分するのが原則です。

しかし、共有者のうち誰か1人が負担してくれないなどでトラブルになるケースは珍しくありません。

あらかじめ、負担の割合や支払い方法などを確認しておくことが大切です。

接道義務を満たすかを確認する

私道負担は、基本的に接道義務を満たすために用いられます。

しかし、なかには私道があっても建築基準法上の道路に該当しないなどで、接道義務を満たせないケースもあることに注意が必要です。

また、私道ができてから時間が経っているケースでも、以前は接道義務を満たしていたけど周囲や敷地の状況の変化で満たせなくなったという場合もあります。

接道義務を満たせない場合、すでにある建物を解体すると新築できないため、活用が制限されます。

接道義務を満たしているか不安な場合は、自治体の窓口や不動産会社などに確認するとよいでしょう。

▼関連記事:接道義務とは|家の売却で注意しなければならないポイントを解説します

まとめ

私道負担のある土地は、活用に制限が生じるなどのデメリットも多いですが、買主としては安く購入できる・静かな住環境、売主としては私道も含めて売却できるなどのメリットがあります。

しかし、私道負担は売却時にトラブルになる恐れもあるのでの、権利関係や許可の必要性などはしっかり確認することが大切です。

私道負担のある土地を売買する場合、しっかりとした知識やノウハウのある不動産会社にサポートを受けることも重要になってきます。

不動産会社の実績などを比較し、信頼できる不動産会社を選ぶようにしましょう。

執筆者
逆瀬川勇造
逆瀬川勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。 保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士

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