今住んでいる家を売って、新しく家を購入したいのですが。ローンも残っていますし、二重でローンを組むとなったらどうなるのか…。
転職や転勤、親や配偶者などの世帯からの独立、子育ての環境整備などで、「住み替え」を希望する方は多いですね。住み替えの手順としては、「買い先行」と「売り先行」の2パターンがあるんですよ。
家を買うのが先か、売るのが先か、ということですか?
そうなんです。買い先行なら、新居を購入して、引越してから、もともとの家を売却します。売り先行なら、先に家を売ってから仮の住まいに移り、新居を購入したあとで再び引越しをします。
住み替えのために家を売って、新しく買うとなれば、やはりいろいろと費用がかかってくるのでしょうか?
家の売買では、売るときも買うときも仲介手数料、登記費用がかかります。売却時には修繕費、購入時には不動産取得税や住宅ローン手数料なども必要に。住み替えにかかる費用や税金のことについても情報収集しておきましょう!
住み替えとは
「住み替え」は今住んでいる住宅を売却し、新居を購入することです。
賃貸から賃貸への引っ越しであればとくに問題となることもないのですが、自分で所有している住宅となると、売却するにしても貸すにしても、そのタイミングが重要になります。
また、売却する住宅にローンの残債がある場合には、その残債をどのように扱うかも考えなければなりません。
売却理由1位は「住み替え」
単なる売却と比べてタイミングが重要となる住み替えですが、LIFULL HOME’S PRESSの「住まいを売却することになった理由ランキング」によると42.3%と2位以下を大きく離しての1位となっています1。
- 1位:より良い住まいに住み替えるため(42.3%)
- 2位:資金が必要となったため(12.9%)
- 3位:今が売り時だと考えたため(9.4%)
- 4位:勤め先の転勤のため(7.9%)
- 5位:住まいを相続した/することになったため(7.5%)
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住み替え 理由ランキング
住み替えを検討するにはいくつかの理由がありますが、理由ごとに注意すべき点が異なります。
なお、平成25年住宅総合調査を参考にすると、住み替え理由のランキングは以下のようになります2。
- 1位:転職、就職、転勤などに対応(21.7%)
- 2位:親、配偶者などの世帯からの独立(21.2%)
- 同率3位:子育て・教育の環境を整える / 住宅を広くする、部屋を増やす(17.7%)
それぞれ具体的な内容と手続きの特徴を見てみましょう。
1位:転職、就職、転勤などに対応
就業先の変化に対応するための住み替えで、過去のデータを見ても、長い間1番多い理由として挙げられてきました。
これらを理由とする住み替えの特徴は、新居への引越しに期限があることです。
とくに転勤の場合には、内示があってから住み替えするまであまり時間がないことが多いです。
したがって、短期間の間に買い手や借り手を見つける必要があります。
見つけられない場合には、住み替え前の住宅と新居で家賃・住宅ローンの支払いが一時的に二重で必要になってしまいます。
2位:親、配偶者などの世帯からの独立
親の家から独立したり、離婚したりして住み替えするというもので、昭和58年には17.4%だったところから少しずつ上昇してきています。
離婚を理由とする住み替えの場合、元の住宅に夫婦のうちどちらかが住み続けるのか、住み続ける場合、ローンの返済はどのようにして行うのかといった問題が生じます。
同率3位:子育て・教育の環境を整える / 住宅を広くする、部屋を増やす
お子様が増えたり、大きくなったりなど家族環境の変化を理由とする住み替えです。
子育てを理由とした住み替えは昭和63年には12.1%だったところから 増えてきている一方、住宅を広くする住み替えは昭和58年には33.4%だったところから半分程度まで落ちています。
他の住み替え理由と比べて、家族環境の変化を理由とする住み替えは基本的に期限がなく、計画的に手続きを進めていきやすいです。
住み替えを成功させるためには不動産会社選びが重要
住み替えを成功させるには「どの不動産会社に依頼するか」がカギです。
売却と購入のタイミング調整、仮住まいの有無、資金計画など、経験と実績のある会社でなければ対応が難しい場面も多いです。
イエウリなら、住み替えサポートに強い信頼できる会社をご紹介します。
しつこい営業電話はなしで、多くの不動産会社の対応を比較して選択できるので、「まずは家がいくらぐらいで売れそうか把握してから、住み替えの具体的なプランを立てたい」という方は、イエウリの査定申し込みからスタートしてみてはいかがでしょうか。
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住み替えの手順とメリット・デメリット
次に、住み替えの手順やメリット・デメリットについてお伝えします。住み替えの手順には、大きく分けて「買い先行」と「売り先行」があります。
それぞれ具体的な手順と特徴を見ていきましょう。
「買い先行」の手順とメリット・デメリット
買い先行とは、先に新居を購入して引越し後に元の住居を売却したり賃貸に出したりする方法です。
以下、具体的な手順とメリット・デメリットを見ていきましょう。
買い先行の手順
住み替えを買い先行で行う場合の一般的な手順は以下の通りです。
- 新居を購入する
- 新居に引っ越す
- 引っ越し先で住み替え元の住宅を売却(もしくは賃貸)する
買い先行のメリット1:新居を買いたいタイミングで買える
不動産は全て1点もののため、欲しい住宅が見つかったとしても「売却が決まってから購入したい」ということでは、その間に他の購入希望者が現れる可能性があります。
買い先行であれば住み替え元の住宅の売却を気にせず、新居の購入を進められるため、そうした心配をする必要がありません。
買い先行のメリット2:引越しが1回で済む
住み替え元の住宅を売却してから新居を購入する場合だと、引越しを1回で済ませようと思えば「住み替え元の売買契約を済ませてから引渡しの間までに、新居の売買契約を済ませ、引っ越す」必要があり、難度が非常に高いです。
上記のようにタイミングが合わない場合には一時的に仮住まいに住む必要があり、2回分の引っ越し費用と手間がかかってしまいます。
買い先行のデメリット1:住宅ローンの二重払いが発生する
買い先行のデメリットとしては、一時的に住み替え元の住宅と、新居とのローンの二重払いが発生することが挙げられます。
先に新居を購入して、引っ越してから住み替え元の住宅の売却活動を行うため、買い手が見つからなければいつまでも二重払いの状態が続くことになってしまいます。
買い先行のデメリット2:住宅ローンの審査が厳しい
買い先行の住み替えとなると、住み替え元のローンを完済することなく新居のローンを組むことになり、2棟分の融資を受ける必要があることから、審査が厳しくなります。
具体的には、借り換え元の住宅ローン残高と新居のローン借入額を足した額が金融機関の提示する「借入限度額」以内でなければ融資を受けられません。
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「売り先行」の手順とメリット・デメリット
売り先行とは、住み替え元の住宅を先に売却し、一時的に仮住まいに住みながら新居を購入する住み替え方法です。
以下、具体的な手順やメリット・デメリットを見ていきましょう。
売り先行の手順
売り先行の住み替えの手順は以下の通りです。
- 住み替え元の住宅を売却する
- 仮住まいに引越しする
- 新居を購入する
- 新居に引越しする
売り先行のメリット:売り急ぐ必要がない
売り先行の住み替えだと、家を売却してから新居を探すことになるため、売り急ぐ必要がありません。
結果として、より高い価格での住まい売却を目指すことができるでしょう。
ただし、転勤や転職を理由とする住み替えなど、新居購入の期限がある場合には、手続きを急がなければならないこともあります。
売り先行のデメリット1:引越しが2回必要になる
売り先行の住み替えだと 、仮住まいへの引越しと新居への引越し、2回にわたって引越しが必要となります。
家族全員分の荷物を引越すとなると、その手間や費用はかなり大きくなってしまう可能性があります。
売り先行のデメリット2:仮住まい費用が必要になる
また、売り先行の住み替えでは、仮住まいに住んでいる間は、その期間分の家賃を支払う必要があります。
賃貸物件を借りる時も、敷金礼金、仲介手数料などまとまった費用を支払わなければなりません。
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住み替えに必要な費用
住み替えの手順についてお伝えした通り、住み替え時にはさまざまな費用がかかります。
家の売却に必要な費用
まずは、家の売却に必要な費用として、以下のようなものがあります。
- 仲介手数料
- 登記費用
- 住宅ローン完済費用
- (必要に応じて)修繕費用等
- (必要に応じて)測量費用等
- 譲渡所得にかかる所得税と住民税
まず、仲介手数料や登記費用、住宅ローン関係費用として売却価格の5%程度はかかることを想定しておきましょう。
その他、必要に応じて売却のための修繕や測量をする場合にはそれらの費用がかかります。
また、家を売却して得られた利益には譲渡所得として所得税と住民税が課されます。
売却額によっては納税額が大きくなることもあるため注意が必要です。
家の購入に必要な費用
次に、家の購入に必要な費用として以下のようなものがあります。
- 仲介手数料
- 登記費用
- 住宅ローン手数料や保証料
- 火災保険料
- 不動産取得税
- 引っ越し費用
上記合わせて購入価格の5~10%程度は費用がかかることを想定しておくとよいでしょう。
住み替えのために必要な費用
家の売却に必要な費用、家の購入に必要な費用と合わせて、住み替えのために必要な費用があります。
これらは主に売り先行の場合にかかる費用だと考えるとよいでしょう。
- 仮住まいの家賃や敷金礼金、仲介手数料
- 仮住まいへの引越し費用
家の売却費用 | 家の購入費用 | 家の住み替え費用 | |
買い先行 | 〇 | 〇 | – |
売り先行 | 〇 | 〇 | 〇 |
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住み替えローンの利用も検討しよう
住み替え元の住宅を購入した時にローンを組んでおり、まだ残債がある場合には、その残債を完済しなければそもそも住宅を売却することができません。
売却価格と手持ちの資金で住宅ローンを完済するのはもちろんですが、新しい住まいの頭金や引っ越しの費用も必要であれば、それも計算に入れておきましょう。
例えば、住宅ローンの残債が5,000万円あるのにも関わらず、住宅の売却価格が4,000万円となった場合、差額の1,000万円を手元資金から用意しなければなりません。
それができない場合には、住宅を売却できないのです。
住み替え元の住宅を売却できなければ、新居を購入して住み替えするのも難しいでしょう。
こうした時に利用を検討したいのが住み替えローンです。
例えば、住み替え元の住宅について5,000万円の残債があるものの4,000万円で売却が決まり、自己資金として用意できるのが500万円だった場合、残りの500万円について住み替えローンから賄うことができます。
この場合、5,000万円の新居を購入するのであれば、住み替えローンとして5,500万円の融資を受けることになります。
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売却日と購入日を同じ日にする必要がある
住み替えローンでは、新居を担保に住み替え元のローンについて融資を受けるため、売却日と購入日を同じ日にする必要があります。
このため、売却活動と同時に新居の購入手続きを進める必要があり、スケジュールがタイトになります。
相場より安い価格で売却する売り急ぎや、相場より高い価格で購入する買い急ぎとなってしまう可能性がある点に注意が必要です。
なお、住み替えローンであれば買い先行のデメリットであるローンの二重払いや、売り先行のデメリットである仮住まいの心配はありません。
元の家を売却するために売買契約を結ぶ際、買主の合意が得られれば数日程度の引き渡し猶予を設けられることがあります。
また、不動産会社が買主となる「買取」での売却であれば、最大で2,3カ月程度の引き渡し猶予を認めてもらえるケースもあるため、住み替えのスケジュールで余裕を持たせたい人は交渉してみると良いでしょう。
▼関連記事:不動産の引き渡し猶予の特約とは?
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住み替えで気をつけておきたい税金
最後に、住み替えで気を付けておきたい税金についてお伝えします。
家を売却すると税金がかかる
まず、家を売却して利益があるとその売却益に対して税金がかかることを理解しておきましょう。
ここでは簡単にご説明しますが、家を売却した時の税金は以下のように計算します。
- 課税譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用-特別控除
- 納税額=課税譲渡所得×税率
税率については、売却する住宅の所有期間に応じて以下のように異なります。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 合計 | |
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
長期譲渡所得 | 5年超 | 15.315% | 5% | 20.315% |
なお、取得費は売却する家を購入した時に要した費用、譲渡費用は家を売却する時に要した費用のことで、例えば5,000万円で家を売却し、取得費が2,000万円、譲渡費用が500万円、所有期間8年だった場合、納税額は以下のように計算します。
- 5,000万円(売却価格)-2,000万円(取得費)-500万円(譲渡費用)=2,500万円(課税譲渡所得)
- 2,500万円(課税譲渡所得)×20.315%(長期譲渡所得)=5,078,750円
3,000万円特別控除を利用しよう
また、マイホームを売却する場合、一定の要件を満たすと「3,000万円特別控除の特例」適用を受けることができます。
この特例は、その名が表す通り3,000万円の特別控除を受けられるものです。
例えば、先ほどと 同じ条件で3,000万円の特別控除の特例の適用を受けると納税額は以下のようになります。
500万円程度だった納税額を0円とすることができました。
このように、3,000万円特別控除は効果の高い特例なので積極的に活用していきましょう。
ただし、3,000万円特別控除は住宅ローン控除との併用ができないため、住み替えの際には注意が必要です。
どちらがお得になるか比較検討するとよいでしょう。
▼3,000万円控除の特例を詳しく見る

どのように住み替えを進めるか事前に計画を立てよう
住み替えについて重要となる手続きのタイミングやローンについてお伝えしました。
買い先行にするのか、売り先行にするのか、または住み替えローンを利用するかなど、どの方法を選ぶかによって必要となる費用も変わるので、それぞれについてシミュレーションした上で手続きを進めるとよいでしょう。