住み替えのために家を売却しようと思うのですが、家を売るのは初めてなので何からやっていいかわかりません。まずやるべきことはありますか?
不動産を売るときは、最初に「いくらぐらいで売れるか」を調べることをオススメします。住宅ローンの残債を返せなければ貯金を持ち出したり、住み替えローンを利用したり、足りないお金を工面する必要があるからです。
そうなんですね。他には売却までにやらなきゃいけないことはあるでしょうか?そもそも家が売れるまでにはどれくらいの期間がかかりますか?
売却に必要な書類や税金については、事前に知っておいた方が手続きもスムーズに進みます。
売れるまでの期間は立地や価格設定によるところも大きいので一概には言えませんが、首都圏では不動産を売り出してから成約まで80日程度かかるというデータがあります1。
査定などの事前準備にかかる時間も考慮すると、3~6カ月が目安になるでしょう。人口が少なく不動産の需要も小さくなる地方では、売却まで1年以上かかってしまう可能性も十分ありますね。
色々と調べて、やらなければいけないことが多そうですね。ちょっと心配になってきました…。
不動産は大きい金額が動くので心配は色々ありますよね。でも、そこまで難しく考える必要はありません。まずは家を売るときの全体的な流れから見ていきましょう。きっと不安も解消できますよ。
不動産売却の流れと期間を知る
初めてでも安心して進められるよう、不動産売却の流れとそれぞれにどのくらいの時間がかかるのか、必要な時間を知っておきましょう。
特に住み替えや転勤などで不動産の売却を考えている場合は、売れるまでにかかる時間を計算していないと売却活動が難しくなってしまうことがありますので、注意してください。
不動産売却の一般的な流れ
不動産の売却には、大きく分けて
- 仲介:不動産会社に依頼して買主を探してもらう方法
- 買取:不動産会社に直接買い取ってもらう方法
という2つの方法がありますが、多くの方は仲介での売却を選びます。
仲介による不動産売却は上記の表のように進んでいきます。
①相場の情報収集
査定依頼に出す前に自分で相場の情報を収集しましょう。
これは、不動産会社の提示する査定価格の妥当性を自分で判断できるようにするために行います。
自分で相場をチェックしておけば、複数の不動産会社からの査定額を確認したときに、どの不動産会社に仲介を依頼すればいいのかを見分けられるようになります。
相場の情報収集は
- 大手不動産ポータルサイト
- 国土交通省のサイト
- 公的価格
などが利用できます。
不動産会社に査定をしてもらったとき、参考となる相場の情報をあらかじめ頭に入れておけば、不動産会社の見極めや売却の判断に役立ちます。

②査定依頼を出す
次に、不動産会社に査定依頼を出します。
具体的には不動産会社に電話やメール、訪問などの方法で問い合わせをする必要があります。
なお、査定依頼は基本的に複数の不動産会社に依頼した方が良いので、一括査定サイトも便利です。
売却額で住宅ローン残債をカバーできない場合には、手持ち資金を捻出したり、住み替えローンを使用したりする必要がありますので、査定額を確認した上でこの先のステップに進むかどうかを決定する流れです。

③媒介契約を結ぶ
不動産会社から査定額の提示がなされた後、その中で売却活動を任せたい不動産会社と媒介契約を結び、物件を売るための広告を出したり内見の手配をしたりしてもらいます。
なお、媒介契約には3つの種類があり、契約の種類によっては複数の不動産会社と契約することもできれば、1社としか契約できないタイプもあります。
「媒介契約」は、自分の家を買ってくれる人を不動産会社に探してもらうために結ぶ契約です。

④売却活動の開始
媒介契約を結んだ後は、不動産会社が広告を打つなどして販売活動が始まり、掲載した広告からの問い合わせ件数など、状況の報告を定期的に受けます。
物件に興味を持った方を案内する「内見(内覧)」の希望があれば内覧に立ち会う必要があります。
内見前には物件をきれいに清掃しておくことで買主の印象もアップしますので、売却活動を進める際は家の中や周辺の清掃も計画的に進めましょう。
このステップで売れない状態が続く場合は、売り出し価格を下げるなどの対策が必要です。
「売れない不動産は無い。売れないのは値段が高いからだ」というのは不動産業界でよく言われる言葉です。
安売りして損をするのは避けたいところですが、相場よりも高すぎる値段を設定すると、いつまでも売れずに売れ残ってしまうことがあります。そうならないように、価格を決めるときのテクニックをしっかり学びましょう。
⑤買手と価格交渉
内見の結果、物件に興味を持ってくれると、契約の前に価格交渉となる場合が大半です。
例えば、3,000万円で売りに出している物件について、2,900万円で購入したいという申し出だった場合、断るとまた最初から販売活動をやり直すことになるかもしれません。
場合によっては、価格交渉を断っても売買契約を結んでくれることもありますし、間を取って2,950万円であれば良いといった交渉をすることもできるでしょう。
値下げ交渉に関しては、売り切りたいタイムリミットや住宅ローン残高などに応じて、臨機応変に対応していく必要があります。
⑥売買契約を結ぶ
価格交渉が済んだら、買主との間で売買契約を結びます。
なお、買主が利用する住宅ローンは売買契約後に本審査をするのが一般的です。
このため、売買契約後に買主が住宅ローンの本審査で落ちると、また買主を探す段階からやり直しとなってしまいます。
売買契約前に買主が事前審査で承認を得ていれば、本審査でも承認を得られる可能性が高いため、情報を仲介会社経由で聞いておきましょう。
⑦引渡し
住宅ローンの本審査が承認となり、決済を済ませると引渡しとなります。
決済は、一般的に金融機関の空いている時間(平日9時~15時)に売主と買主、それぞれの不動産会社や担当の司法書士が立ち会って手続きを行います。
不動産売却は最後までどうなるか分からないため、慎重かつ迅速に進めましょう。
不動産売却の各ステップでかかる時間
- 相場の情報収集から査定依頼、媒介契約を結んで売却活動を開始→1〜2カ月
- 売り出してから買主を見つける→1〜3カ月
- 価格交渉から売買契約・決済→1カ月
家を売るにはこの程度の時間がかかると言われています。
上記の通りスムーズに進めば、3カ月~半年程度で売却の手続きが終わります。
ただし、上記の内、特に売り出しの期間は物件によって大きく変動し、立地や状態が悪ければ半年以上経っても買い手が現れないこともあります。
不動産を売り出す時期を決めておこう
不動産には売れやすい時期とそうでない時期があり、売却全体にかかるスケジュールをあらかじめ押さえておくことで、売れやすい時期に売却を開始するよう調整できます。
一般的に、不動産が売れやすい時期と売れにくい時期は以下の通りです。
- 売れやすい時期:10月、3月
- 売れづらい時期:8月、12月
9月~10月や2月~3月等、人事異動による転勤や進級、進学等があるタイミングで引越しを考える人が多く、不動産の売買が活発に行われやすいです。
一方、7月~8月は夏の猛暑で、また12月~1月の年末年始は仕事や家庭で忙しいなどの理由で売れづらい時期となります。
不動産の売却は、まず相場を調べることから始まるなど、実際に販売活動を開始するまで1~2カ月程度時間がかかります。売却開始を上記の売れやすい時期に合わせられるよう、計画的に進めていきましょう。
例)2〜3月ごろに成約を目指したいから、相場の情報収集や査定依頼を11月ごろにスタートする。









