住宅ローンは新居購入で借りるものだと思っていませんか。
実は、今住んでいる家のリフォームでも住宅ローンを借りることができるのです。
しかも、金利、借入限度額、返済期間に関しては、新居購入で借りる場合と、基本的に同じ条件です。
この記事で解説するリフォームでの住宅ローン利用に関する内容のまとめ
▼リフォームで住宅ローンを借りるメリット
- 金利が低い:5%~2.0%
- 借入限度額が高い:1億円(ただし借入額は返済負担率によって決まる)
- 借入期間が長い:最長35年
- 住宅ローン控除の適用が可能
▼リフォームで住宅ローンを利用する際の借り方
- 中古住宅購入と同時にリフォームをする(工事契約済):リフォーム一体型住宅ローン
- 中古住宅購入後にリフォームをする:住宅ローン+リフォームローン
- 住宅ローン返済中の家をリフォームする:リフォーム一体型住宅ローンに借換
- 住宅ローンを完済した家をリフォームする:住宅ローン
▼リフォームで住宅ローンを利用する際の注意点
- 担保が必要:第一順位の抵当権が設定できることが融資条件
- 審査が厳しい:住宅購入のときと同じ審査基準が適用される
- 審査に時間がかかる:早い場合で2週間、金融機関によっては1カ月
- 健康でなければ借りられない:団信への加入が求められる
リフォームで住宅ローンを借りるメリットとは
住宅ローンは、新築や住宅購入の際に借りるものというイメージが強いですが、商品によっては、増築やリフォームに住宅ローンを使うことを認めていることがあります。
住宅が古くなり、リフォームの必要性が切迫してきた場合、自己資金が不足していても、住宅ローンによって資金調達ができれば安心です。
リフォーム時に使えるローンには、他に「リフォームローン」がありますが、金利、借入限度額、返済期間に関しては、住宅ローンの方が有利な条件で借りることができます。
リフォーム工事の実施に際して、住宅ローンを借りた場合、どのようなメリットがあるのか解説していきましょう。
金利が低い
住宅ローンは金利が低いことに大きな特徴があります。金利は、経済情勢や金融機関によって変動しますが、概ね0.5%~2.0%です。
リフォームローンの金利相場は2.0%~4.0%ですから、住宅ローンを借りた方が、返済の負担がかなり軽くなります。
借入限度額が高い
住宅ローンは、借入限度額が高い点に特徴があります。リフォームローンの借入限度額は一般的には1,000万円程度です。
しかし、構造材の取り換えなどの大規模なリフォームを実施しようとすれば、1,000万円を超える可能性が十分にあります。
住宅ローンの借入限度額は1億円が一般的ですから、大規模なリフォーム工事にも対応できます。
ただし、実際の借入額は、年収に対する返済負担率によって決まります。
一般的に住宅ローンの返済負担率の上限は30~35%と言われていますが、金融機関によって判断が異なり、審査にあたってはその他の条件も判断材料となる点に注意しましょう。
年収が低い場合は、借入限度額内であっても希望の金額を借りられないことがありますからご注意ください。
長期の返済期間
リフォームローンの借入期間は、最長でも10年~15年です。借入期間が短いと、毎月のローン返済額が増え、家計への負担が重くなります。
住宅ローンは、借入期間を最長35年で設定できます。長期にわたって返済できるので、月々のローン返済額を大きく抑えることができます。
住宅ローン控除が使える
住宅ローンには、ローンの年末残高の0.7%を所得税から控除する制度があります。この控除は、リフォームで借りた場合でも適用されます。
ただし、リフォームで住宅ローン控除を受けるためには、自己の居住の用に供する家屋について行うリフォームであることの他、次のいずれかの条件に該当しなければなりません。
- 増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕または大規模の模様替えの工事
- マンションなどの専有部分の床、階段または壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事
- 居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床または壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
- 現行の耐震基準に適合させるための耐震工事
- 一定のバリアフリー改修工事
- 一定の省エネ改修工事
単に趣味の部屋に改装するといったリフォームでは、住宅ローン控除の対象にならない可能性がありますので、工事内容にも配慮が必要です。
リフォームにおける住宅ローンの使い方
リフォームで住宅ローンを利用する場合、いくつかの状況が想定できます。
たとえば、中古住宅の購入と同時にリフォームをするのか、あるいは購入後にじっくりリフォームを検討するのかによっても、住宅ローンの使い方が異なります。
ここでは、リフォームにおける住宅ローンの使い方について解説します。
中古住宅購入と同時にリフォームをする
中古住宅の購入と同時にリフォームをする場合、「リフォーム一体型住宅ローン」を利用するという方法があります。リフォーム用のローンも金利の低い住宅ローンと一本化するので、月々の返済額を抑えることができます。
ただし、住宅ローン申込時には、リフォーム工事の見積書や工事請負契約書を提出しなければなりません。
リフォーム工事の方針を決定するためには、購入物件をじっくり調査する必要があるため、まだ自己所有になっていない段階でこれらを実行するには、売主の協力がなければ困難です。
スケジュールもタイトになるため、現実的に実行が可能なのかについての検討が必要です。
▼リフォーム一体型住宅ローンの金利、手数料の例
実質金利:1.190%
手数料等を含む表面金利: 0.810%
手数料:借入額×2.2%
保証料:0円
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また、ネット銀行から地銀まで金融機関ごとの金利を幅広く比較できるので、住宅ローンの利用を検討している方はチェックしてみましょう。
中古住宅購入後にリフォームをする
中古住宅購入後、じっくりと落ち着いてリフォームを検討したいのであれば、住宅ローンとは別にリフォームローンを借りるという方法があります。
リフォームローンは、住宅ローンよりも金利が高く、返済期間も短くなりますが、リフォームの方針の検討や施工会社の選択をじっくり行えるメリットがあります。
住宅ローン返済中の家をリフォームする
住宅ローンは、第一順位で抵当権を設定することが条件となっているため、リフォームのためにさらに住宅ローンを利用することはできません。
そのため住宅ローン返済中にリフォームを行う場合は、「単独でリフォームローンを借りる」か、「別の金融機関で残債分とリフォーム分を合体させたリフォーム一体型住宅ローンの借り換えを行う」かの二者択一になります。
借り換えには取扱手数料などが新たに発生するため、必ずしもリフォーム一体型住宅ローンの方が単独でリフォームローンを借りるよりもメリットがあるとはいえません。
しかし、金融機関によっては借り換えの金利を優遇していたり、そもそも住宅ローンの金利が下がっていたりするので、借り換えの検討をする価値は十分にあります。
住宅ローンを完済した家をリフォーム する
住宅ローンを完済しているのであれば、金融機関は第一順位で抵当権を設定することができるので、リフォームで住宅ローンを借りることができます。
融資条件をクリアするのであれば、リフォームローンよりも住宅ローンを借りた方がメリットがあります。
ただし少額のリフォームであれば、融資までの決定が早く抵当権の設定の不要なリフォームローンの方が有利なことがありますから、両者の比較検討をしたうえで判断をしてください。
リフォームで住宅ローンを使う際の注意点
リフォームで住宅ローンを利用すると、リフォームローンよりもメリットが大きいことが分かります。しかし、その一方で、リフォームで住宅ローンを借りる際の注意点もあります。
担保が必要
住宅ローンを借りるためには、必ず融資対象物件を担保に入れなければなりません。住宅ローンは、第一順位の抵当権が設定できることが融資条件となっているため、すでに別の他の抵当権が設定されている場合は、リフォーム用の住宅ローンを借りることはできません。
ただし、第一順位の抵当権が返済中の住宅ローンである場合は、返済中の住宅ローンの残債に、リフォーム資金として借りる予定の金額を合算して、一体型住宅ローンを借り換えるという方法が使えることがあります。
審査が厳しい
リフォームで住宅ローンを借りる場合であっても、住宅購入のときと同じように、住宅ローン審査を申し込むことになります。
住宅ローン審査で最も重要視されるのは、住宅ローン契約者の返済能力です。年収や勤務先、勤続年数など返済能力が低いと判断されれば、審査に落ちるため住宅ローンを借りることはできません。
リフォームローンでは、住宅ローンほど審査基準が厳しくないことから、住宅ローンは借りられないが、リフォームローンであれば借りられるということもあり得ます。
住宅ローンを借りるに際しては、契約者自身の条件を整えてから申し込みをする必要があります。
審査に時間がかかる
住宅ローンは事前審査を経てから本審査に入るため、正式な審査結果が出るまで早い場合で2週間、金融機関によっては1カ月を要することがあります。
リフォームローンの審査は、最短で1~2日、長い場合でも1週間程度で完了します。そのため、少しでも早くリフォームに着手したい場合は、住宅ローンの利用がスケジュールに合わないことがあります。
健康でなければ借りられない
住宅ローンの利用に際しては、基本的に団体信用生命保険(団信)に加入することが義務付けられています。団信は、ローン契約者が死亡または高度障害状態になったときに、残りのローンの返済してくれる生命保険です。
生命保険ですので、一定の健康であることが加入の条件となります。持病が原因で団信に加入できない場合は、住宅ローンを借りることはできません。
ただし、フラット35のように団信の加入を条件としない住宅ローンも存在します。
まとめ
住宅ローンの中には、リフォームであっても借りられる商品があります。
リフォームで住宅ローンを借りる場合は、念のためにリフォームローンと比較検討したうえで判断をしてください。