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低未利用土地等の特別控除とは?適用要件や利用時の注意点を解説

「放置している土地を売却したいけど費用はかけたくない」

そのような時に検討したいのが低未利用土地等の特別控除です。

「低未利用土地等」に区分される土地を売却した場合、売却益から特別控除を差し引くことができ節税できる可能性があります。

とはいえ、低未利用地とはどのような土地なのでしょうか。

この記事では、低未利用土地等の特別控除の適用要件や注意点などを分かりやすく解説します。

このページの目次
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低未利用土地等の特別控除とは?

「低未利用土地等の特別控除」とは、譲渡所得に利用できる控除の1つです。

ここでは、低未利用地等の特別譲渡の基本を確認していきましょう。

土地売却時の譲渡所得から最大100万円控除できる制度

土地を含め不動産を売却した場合、売却利益は譲渡所得と呼ばれ所得税・住民税の対象です。

譲渡所得は以下の計算で求めます。

譲渡所得:売却価格-(取得費+譲渡費用)

取得費とは売却した不動産を購入した際にかかった費用、譲渡費用とは売却した際にかかった費用です。

たとえば、3,000万円で売却した土地の取得費が2,300万円、譲渡費用が100万円なら譲渡所得は3,000万円-(2,300万円+100万円)=600万円となります。

本来はこの利益である600万円が税金の対象ですが、譲渡所得からはさらに特別控除を差し引くことができます。
差し引ける特別控除にはいくつか種類があり、低未利用土地等の特別控除もその中の1つです。

低未利用土地等の特別控除では、譲渡所得から最大100万円を差し引くことがかのうです。

上記の場合、特別控除を適用すれば利益である600万円から100万円を控除した500万円が課税対象となります。

譲渡所得税は、税率が20.315%または39.63%と高い為、課税されると税負担も大きくなりがちです。

譲渡所得税

控除を適用することで、課税対象額が少なくなり税負担の軽減につながります。

そもそも低未利用土地等とは

低未利用土地等とは、以下のような土地を指します。

居住の用、事業の用その他の用途に利用されておらず、またはその利用の程度がその周辺の地域における同一の用途もしくはこれに類する用途に利用されている土地の利用の程度に比し、著しく劣っている土地や当該低未利用土地の上に存する権利のこと

引用:国税庁「No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」

具体的には、空き地及び空き家、空き店舗の所在する土地です。

また、駐車場や資材置き場などで利用している土地でも、有効活用されていないと判断される場合は低未利用地に該当します。

ただし、低未利用土地等の特別控除を適用するには、自治体の発行する「低未利土地等確認書」が必要です。

発行してもらうためには、不動産会社の空き家や空き地と表示した広告や水道・ガスの使用中止が確認できる書類などの資料が必要になります。

どのような書類が必要になるかは自治体によって異なるので、窓口で確認するようにしましょう。

低未利用土地等の特別控除の適用要件

低未利用土地等の特別控除を適用するには、土地が低未利用地等に該当するだけでなく以下のような要件を満たす必要があります。

  • 都市計画区域内の低未利用土地等であること
  • 長期譲渡所得(売った年の1月1日時点で所有期間が5年超)であること
  • 買主と売主が特別の関係にないこと
  • 売った金額が500万円(一定のエリアにおいては800万円)以下であること
  • 売却後に土地が利用されること

それぞれ見ていきましょう。

都市計画区域内の低未利用土地等であること

都市計画区域

都市計画区域内とは、都市計画法に基づく都市計画の実施のために、一体的に整備・開発・保全が必要なエリアです。

すでに街づくりが進められている「市街化区域」、農地や自然環境保護のため街づくりを抑制する「市街化調整区域」、そのどちらにも属さない非線引き区域の3つで構成されます。

一方、都市計画区域内に含まれないのが都市計画区域外または準都市計画区域です。

売却した土地が低未利用地等に該当しても、都市計画区域外または準都市計画区域に該当すると適用できないので注意しましょう。

長期譲渡所得(売った年の1月1日時点で所有期間が5年超)であること

低未利用土地等の特別控除は長期譲渡所得で適用できる控除です。

譲渡所得は、所有期間5年以下の短期譲渡所得と5年超の長期譲渡所得の2種類に分かれるため、短期譲渡所得に該当すると適用できません。

なお、所有期間の起算日は売却した日ではなく、売却した年の1月1日です。

売却した日であれば5年超える場合でも、売却した年の1月1日時点で5年以下であれば短期譲渡所得に区分されるので注意しましょう。

譲渡所得と所有年数

取得してから丸5年が経過した次の1月1日以降の売却で長期譲渡所得になる。

また、相続した土地の場合、所有期間は被相続人(亡くなった人)の所有期間を含んで判断されます。

相続してからの所有期間でないため、相続後すぐに売却しても長期譲渡所得に区分されるケースが多いでしょう。

▼関連記事:相続した土地の売却時の税金はいくら?計算方法・特例控除について解説

買主と売主が特別の関係にないこと

特別な関係とは、生計を一にする親族、内縁関係にある人を指します。

具体的には親子や夫婦などが該当します。

特別な関係は個人だけでなく特殊な関係の法人も該当するので、自身や親族の法人などに売却する場合は注意しましょう。

売った金額が500万円(一定のエリアにおいては800万円)以下であること

土地の売却額が500万円以下であることも条件です。

また、以下の区域では売却額が800万円以下に引き上げられます

  • 市街化区域
  • 区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域のうち用途地域が定められている区域
  • 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に規定する所有者不明土地対策計画を作成した市町村の区域

なお、土地の上に建物が建っており建物込で売却した場合は、建物の価格も売却額に含まれるので注意しましょう。

売却後に土地が利用されること

低未利用地等の特別控除は、空き家は空き地など適切に管理されない土地の増加問題の解決を図るための制度です。

売却後も買主が放置していれば制度の目的を果たさないため、売却後に活用されることが要件となっています。

売却後に利用されること、またはその見込みがあることの証明は、自治体に確認してもらい書類の発行が必要です。

詳しい適用要件については国税庁のホームページ を確認するようにしましょう1

低未利用土地等の特別控除を利用する際の注意点

低未利用土地等の特別控除を利用する際には以下の点には注意が必要です。

  • 土地の売却価格に制限がつく
  • 分筆して特例を適用して売却すると翌年と翌々年は同じ特例を利用できない
  • 売却後の利用計画を立てておく必要がある

それぞれ見ていきましょう。

土地の売却価格に制限がつく

特例を適用できるのは売却額500万円以下、もしくは一定の地域の800万円以下の場合のみです。

さらに、建物が付いていると総額で上記の金額以下となります。

そのため、特例を適用しようと思えば土地として高額な売却を諦める必要があります。

とくに、広さのある土地や立地が良い土地、建物の状態が良い土地は適用上限を超えるケースがあるので注意しましょう。

特例を適用するよりも高値で売却した方が手元に残るお金が大きくなる可能性もあります。

また、マイホームの建っていた土地なら3000万円特別控除、相続した家なら相続空き家の3,000万円特別控除など譲渡所得には他にもいくつか特例は用意されています。

特例を適用した方がお得になるかなどは、しっかりとシミュレーションしたうえで検討することが大切です。

分筆して特例を適用して売却すると翌年と翌々年は同じ特例を利用できない

分筆とは、一つの土地を複数の区画に分けて登記することです。

広大な土地はそのままでは売りにくいことから、売りやすい広さに分筆して売却するケースがあります。

しかし、分筆して売却する場合、1つの土地で特例を適用すると他の分筆した土地では翌年・翌々年は同特例が適用できません。

なお、1つの土地を複数区画に分筆して複数人に売却すると事業性があるとみなされ、個人ではできない可能性もあります(宅建業免許が必要な反復継続とみなされることがあるため)。

分筆して売却を検討する場合は、分筆の仕方や売却方法についてなど不動産会社のアドバイスをもらいながら検討することをおすすめします。

▼関連記事:土地の一部を分筆して売却する方法は?手順や費用、注意点を解説

売却後の利用計画を立てておく必要がある

適用要件には、売却後活用することも定められています。

そのため、適用申請時には売却後の利用計画などの証明する書類が必要です。

売却後に買主が放置したり低未利用地のままでは適用できなくなるので注意しましょう。

買主の購入後の活用についても売却時には確認しておくことが大切です。

低未利用土地等の特別控除に関するよくある質問

最後に、低未利用地等の特別控除に関するよくある質問をみていきましょう

低未利用土地であることの確認方法は?

低未利用土地かどうか確認方法するには、自治体の審査を受け、低未利用土地等確認書を取得する必要があります。

低未利用土地等確認書は特別控除申請時に必要な書類の1つです。

空き地だから低未利用地に該当すると思っていても、審査を受けていなければ特例を適用できないので注意しましょう。

低未利用土地等確認書はどこで貰える?

低未利用土地等確認書は自治体に申請し、審査してもらうことで発行されます。

必要書類を揃えて自治体の窓口に申請しましょう。

申請時の必要書類

必要書類は自治体によって異なりますが、一般的には以下が必要です。

  • 低未利用土地等確認申請書
  • 売買契約書の写し
  • 低未利用土地等であることを証明する書類
  • 登記事項証明書
  • 低未利用土地等の譲渡後の利用についての書類

低未利用土地であることの証明書類

低未利用土地であることの証明書類としては、以下のいずれかが必要です。

  • 所在地の自治体が運営する空き家バンクの登録の確認ができる書類
  • 不動産会社が現況更地・空き家・空き店舗である旨を表示した広告
  • 電気、水道またはガスの使用中止日が確認できる書類
  • その他要件を容易に認めることができる書類

必要書類は自治体によって異なるので、事前に窓口やホームページなどで確認しましょう。

また、低未利用土地等確認書は申請から交付まで1~2週間ほど時間がかかるため、早めに手続きすることが大切です。

なお、低未利用土地等確認書が交付されたからといって特別控除が必ず適用できるわけではありません。

特別控除の適用には、売却額など他の要件を満たす必要がある点には注意しましょう。

低未利用土地は農地が該当することもある?

都市計画区域内で低未利用土地の条件に該当する農地であれば、特例適用の対象となります。

なお、自治体によっては農地を低未利用地として申請する場合、農業委員会による利用状況調査の結果が必要になる場合があるので、事前に確認するようにしましょう。

▼関連記事:農地を売却する方法とは?流れと必要な手続き、売れないときの対策を解説します

まとめ

放置している空き地や空き家などが低未利用土地等に該当すれば、売却時に特別控除の適用が可能です。

ただし、適用には売却金額などの適用要件を満たす必要があり、さらに自治体から低未利用土地等確認書の交付を受ける必要がある点には注意しましょう。

利用予定のない土地を保有していても、固定資産税や維持管理費がかかってしまいます。

特例を適用して節税しながら売却することで、手元にお金を多く残しつつ維持管理の負担からも解放されるでしょう。

放置している土地や家屋を売却する際には、空き地や空き家の売却を得意とする不動産会社に依頼することが大切です。

ノウハウのある不動産会社であればスムーズな売却や特例の適用などのサポートを受けることができるでしょう。
複数社比較して、あなたの不動産にぴったり合う信頼できる不動産会社を見つけられるようにしてください

1.
参考:国税庁「No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」
執筆者
逆瀬川勇造
逆瀬川勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。 保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士

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