マイホームを購入するために、金融機関に住宅ローンの申し込みを検討している人は多いのではないでしょうか。
しかし、いざ申し込みをしようとすると「審査にはどれくらい期間がかかるの?」「事前審査と本審査って何が違うの?」「審査の期間が長引くことはあるの?」と、様々な不安が頭をよぎるものです。
そこで当記事では、住宅ローンの事前審査と本審査にかかる平均的な期間や、審査が遅れる理由、スムーズに進めるための工夫などをわかりやすく解説します。
住宅ローン審査の一般的な流れ
金融機関に申し込めば、すぐに住宅ローンが組めるわけではありません。実際には、次のような審査と手続きを踏む必要があります。
- 事前審査を申し込む
- 購入する物件の決定と売買契約の締結
- 本審査に申し込む
- 金銭消費貸借契約(金消契約)を結ぶ
- 融資の実行・物件の引き渡し
以下では、住宅ローンを組むために必要な事前審査の申し込みから、実際に融資が実行されるまでの一般的な流れを詳しく解説します。
1.事前審査を申し込む
住宅ローンを組むための最初のハードルになるのが事前審査です。
主に年収や勤続年数、他の借入状況、信用情報などをもとに「いくらまで貸せそうか」「返済に問題がなさそうか」を金融機関が確認します。
申し込みをする側も「いくらまでなら借りられるか」を把握することができるため、早い段階で事前審査を受けておくと良いでしょう。
住宅ローンの事前審査は、不動産会社を通じて申し込むのが一般的ですが、自分で金融機関を選んで直接申し込むことも可能です。
それぞれにメリット・デメリットがあります。
不動産会社経由で申し込む場合
不動産会社が提携する金融機関にスムーズに申し込みでき、書類の用意や手続きもサポートしてもらえるため、住宅購入が初めての方には安心です。
ただし、紹介される金融機関の選択肢が限られることがあります。
▼関連記事:住宅ローンの事前審査に不動産会社経由で申し込む際の流れを解説
自分で金融機関を探して申し込む場合
金利が比較的安いネット銀行を含め、条件を比較して自分の希望に合う住宅ローンを選びやすい点が大きなメリットです。
一方で、情報収集から申し込み、必要書類の準備までをすべて自分で行う必要があり、手間がかかります。
さらに、金融機関ごとに審査基準が異なるため注意が必要です。たとえば、「A銀行で審査に通るには勤続年数が3年以上必要だが、B銀行では同業種への転職であれば1年未満でも審査に通ることがある」といった違いがあります。
これを知らずに申し込むと、事前審査に落ちてしまうこともあります。
近年では、「モゲチェック(PR)」のような住宅ローンの一括比較・マッチングサービスを利用する人も増えています。
複数の金融機関から自分に合った住宅ローンを提案してもらえるため、「どこに申し込めばいいか分からない」「なるべく金利を抑えたい」といった方にとって、非常に便利なサービスです。
2.購入する物件の決定と売買契約の締結
事前審査に通過した後は、いよいよ物件選びに進みます。この時点で、審査結果をもとに自分がどの程度の金額まで住宅ローンを借りられるかを把握しているはず。
借入可能な範囲内で希望に合った物件を決定したら、売主と「売買契約」を締結します。この契約と同時に、通常は手付金などの支払いも行われます。
3.本審査に申し込む
物件の売主と売買契約を締結したら、次はいよいよ本格的なローン審査である「本審査」へ進みます。本審査では、事前審査よりもさらに厳しい審査が行われます。
この段階では、申込者本人の情報に加え、購入する物件の担保価値や、提出された各種書類に誤りがないかなどを詳細にチェックされます。
また、金融機関に加えて保証会社による「保証審査」も行われるため、審査全体のハードルは高くなります。
4.金銭消費貸借契約(金消契約)を結ぶ
本審査を無事に通過すると、次に金融機関と住宅ローンの正式な契約である「金銭消費貸借契約(通称:金消契約)」を結ぶことになります。
この契約では、借入金額、適用される金利、返済期間や返済方法など、住宅ローンの最終的な条件が正式に確定します。いわば、ローン契約における最終確認の段階です。
契約後にこれらの条件を変更することは基本的にできません。少しでも不明な点があれば、遠慮せずに担当者へ確認しましょう。
5.融資の実行・物件の引き渡し
金融機関と金銭消費貸借契約(金消契約)を締結すると、いよいよ住宅ローンの融資が実行されます。売主への代金の支払いも、このタイミングで行われます。
物件の引き渡しが無事に完了すれば、晴れて新しい住まいの所有者です。ちなみに、事前審査から引き渡しまで、およそ1ヶ月半~2ヶ月ほどが目安となります。
住宅ローンの事前審査にかかる平均日数
住宅ローンの審査はまず「事前審査(仮審査)」から始まります。
申込者の返済能力や信用情報などをもとに、住宅ローンを貸しても問題ないかを簡単に審査されます。
住宅ローンの事前審査にかかる期間は、2〜3営業日程度が一般的。申し込む金融機関によっては、早ければ翌日には結果が出るこ ともあります。
例えば、ネット銀行を利用したり、すでに必要書類がすべて揃っているといった状況で申し込むと、問題がなければ即日〜翌営業日に回答がもらえることも珍しくありません。
一方で、事前審査の申し込みを店舗の窓口でのみ受け付けている場合だと、3〜5営業日程度かかることもあります。
住宅ローンの本審査にかかる平均日数
事前審査を無事に通過すると、次はいよいよ「本審査」に進みます。
多くの金融機関では、住宅ローンの本審査にかかる日数は5〜10営業日(1〜2週間程度)が一般的。ただし、これは必要書類がすべて揃っていて、申込内容に問題がない場合の目安です。
本審査では、金融機関に加えて保証会社による審査も行われます。また、物件の担保評価や登記情報の確認なども含まれるため、事前審査よりも時間がかかる傾向にあります。
ネット銀行など一部の金融機関では、他と比べて早いペースで審査が進むケースがありますが、それでも1週間前後は見ておく必要があります。
事前審査と本審査で必要になる書類
事前審査や本審査に必要な書類が足りなかったり、記入漏れがあると修正や再提出を求められます。金融機関とのやり取りが増えれば、それだけ審査にかかる時間も伸びてしまいがち。
事前審査と本審査を少しでも早く済ませたいのであれば、審査に必要な書類を過不足なく揃えるのがポイントです。
そこで以下では、事前審査と本審査で提出することになる書類について解説します。
事前審査で必要になる書類
事前審査は、申込者の年収や借入状況などをもとに、返済能力の有無を簡易的にチェックする審査です。この段階ではまだ物件が決まっていない場合も多いため、提出書類は比較的少なめです。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 健康保険証
- 源泉徴収票(給与所得者の場合)
- 確定申告書の控えや課税証明書(自営業者の場合)
- 勤務先情報(勤務先の名称・所在地・勤務年数など)
- 物件の資料(すでに購入する物件が決まっている場合)
本審査で必要になる書類
本審査では、申込者本人の収入や勤務状況が分かる書類に加えて、購入予定の物件についての詳細な情報が求められます。そのため、事前審査よりも提出する書類も多くなりがちです。
- 本人確認書類
- 収入証明書類
- 物件関連の書類
- 売買契約書(写し)
- 重要事項説明書
- 登記事項証明書
- 土地・建物の図面や公図
- 印鑑証明書(発行から3か月以内)
- 住民票(世帯全員分)
- 預金通帳の写し(頭金や諸費用の支払い能力を示す場合)
- 健康診断書や団体信用生命保険の告知書(団信加入時)
書類の有効期限と注意点
事前審査や本審査で提出する書類は、基本的に「発行から3か月以内」という有効期限がある点に注意してください。