この記事では、江東区の主なエリア情報や人口・世帯、売り出し価格や災害リスクなど、江東区の中古マンションの売却で参考になる情報を紹介しています。
これから江東区で中古マンション売却を考えている方は、ぜひご覧ください。
江東区のマンション相場情報を詳しく見たい方はこちら江東区の基本情報
まずは、江東区の人口や世帯数、主なエリアの特徴について紹介します。
各エリアの特徴を把握し、江東区で中古マンションを売却する際の参考にしましょう。
どんなエリアがある?
江東区は、1947年に深川と城東の2区が合併して誕生しました。
- 歴史や文化の観点から、砂町商店街や亀戸天神社がある「城東エリア」
- 江戸文化を感じられる「深川エリア」
- 先進的な雰囲気がある「臨海部エリア(湾岸エリア)」
の3つに分けることができます。
ここでは、人気がある主な6エリアの特徴について見ていきましょう。
- 白河
- 富岡
- 東陽
- 豊洲
- 亀戸
- 南砂
白河エリア
GoogleMapより
白河エリアは江東区北西部の深川エリアの中心付近に位置しています。
東京メトロ半蔵門線清澄白河駅周辺で、深川江戸資料館などがあります。
東京都現代美術館などが近く、アートやカフェの街として知られるエリアです。
ブルーボトルコーヒー1号店が誕生した地域としても有名です。
下町の雰囲気が感じられる白河エリアですが、駅付近には地上35階建のパークハウス清澄白河タワーや20階建のパークハウス清澄白河リバーサイドなどの高層マンションが立ち並びます。

パークハウス清澄白河タワー(画像出典:マンションマーケット)

パークハウス清澄白河リバーサイド(画像出典:マンションマーケット)
清澄白河タワーは築10年の3LDK82㎡で約9,500万円、清澄白河リバーサイドは築15年の3LDK97㎡で約1億円と、どちらも高値で売買されています。
下町情緒溢れるエリアでありながら、駅近でスーパーや公共施設が充実していることから人気の高いエリアです。
富岡エリア
GoogleMapより
富岡エリアは深川エリアの中で南西部に位置しています。
8月の深川八幡祭でも有名な富岡八幡宮や成田山深川不動堂、永代寺など、歴史的建造物が多く揃います。
近くの門前仲町駅では、東京メトロ東西線と都営大江戸線の2路線が利用できます。
新宿駅まで約27分です。
駅前以外は閑静な住宅街が広がり、深川公園など緑に恵まれています。
少し歩けば隅田川テラスや木場公園もあり、子育て世代に人気です。

ライオンズマンション富岡八幡(画像出典:マンションマーケット)
- ライオンズマンション富岡八幡(1980年築、7階建、3LDK、56㎡):約4,400万円
- ジョイフル門前仲町第2(1980年築、8階建、2LDK、64㎡):約4,700万円
このように、築30年〜40年のマンションでも4,000万円以上で売買されるなど、マンション需要が高いエリアです。
東陽エリア
GoogleMapより
東陽エリアは、深川エリアの中で南東に位置しており、城東や臨海部エリアに面しています。
東陽町には江東区役所があり、区の行政の中心地です。
江東区文化センターや南砂緑道公園などもあります。
東陽町駅では東京メトロ東西線が利用でき、大手町や飯田橋などに出やすいため便利です。
また、駅前にはオフィスビルがありますが、少し離れると閑静な住宅街が広がります。

クレヴィア東陽町(画像出典:マンションマーケット)
- クレヴィア東陽町(2010年築、12階建、1LDK、35㎡):約3,500万円
- サンクレイドル木場公園2(2017年築、10階建、2LDK、67㎡):約5,700万円
など、このエリアでは築浅〜築古、1LDK〜4LDKまで幅広いマンションが売りに出ています。
いずれも高値で売買される人気エリアです。
昼間は多くのビジネスマンで溢れていることもあり、単身者向けのマンションもたくさんあります。
豊洲エリア
GoogleMapより
築地市場移転もあり、豊洲エリアは江東区の中でも非常に注目を集めているエリアです。
臨海部エリアの中の北西部に位置しています。
オフィスビルやタワーマンションが多く立ち並び、非常に人気の高い地域です。
JR京葉線やりんかい線、東京メトロ有楽町線、新交通ゆりかもめが走っており、利便性も優れています。
豊洲駅から渋谷駅や新宿駅までは約25分。
晴海通り、環二通りなどもあり、車での移動にも便利です。
再開発によって非常に街並みがキレイで、駅近くには飲食店や病院、大型商業施設、公園などが集まります。
プラウドタワー、Wコンフォートタワーズ、アーバンドックパークシティ豊洲など、このエリアには多くのタワーマンションがあります。

ザ・パークハウス晴海タワーズティアロレジデンス(画像出典:マンションマーケット)
- スカイシティ豊洲ベイサイドタワー(1996年築、24階建、2LDK、77㎡):約7,600万円
- ザ・パークハウス晴海タワーズティアロレジデンス(2016年築、49階建、2LDK、58㎡):約1億1,000万円
- オークプレイス豊洲(2014年築、13階建、3LDK、70㎡):約8,000万円
など、築浅でコンパクトタイプの物件も多いです。
2021年には駅近くに50階建マンションもできるなど、注目を集めているエリアです。
亀戸エリア
GoogleMapより
亀戸エリアは区の北東部にあり、城東エリアで最も北側に位置します。
エリア内には東武亀戸線と総武本線が通っており、亀戸駅と亀戸水神駅があります。
亀戸水神駅からは、東京駅や新宿駅などの主要駅まで20分〜30分程度、亀戸駅からは10分〜20分程度でアクセス可能です。
古い物件と新しい物件が入り交じる住宅街が多く、下町の雰囲気を感じられます。
高さのある建物が少ないこともあり、住宅街からスカイツリーを見ることもできます。
亀戸中央商店街などがあるので、買い物に便利です。
B級グルメ店も多く、こいのぼり祭りなど地域のイベント・交流も盛んです。
テニスコート、多目的球場などがある亀戸中央公園が住民の憩いの場となっています。
また、桜がきれいな亀戸緑道公園など自然を感じられるスポットもあります。
商店街、飲食店、公園とすべて徒歩圏内でコンパクトにまとまっていることから、単身のビジネスマンや共働きで忙しい人たちに人気のエリアです。

クレストフォルム亀戸グランステージ(画像出典:マンションマーケット)
- ライジングプレイス亀戸(2014年築、18階建、1K、29㎡):約3,000万円
- クレストフォルム亀戸グランステージ(2000年築、11階建、2SLDK、76㎡):約6,300万円
- パークナード亀戸ロジュマン(2007年築、14階建、3LDK、66㎡):約6,000万円
このように、コンパクトタイプからファミリータイプまで、多くの中古マンションが売買されています。
また、亀戸6丁目には2022年3月入居予定で1R〜4LDKの大規模マンションが建設予定です。
便利で住みやすいエリアなので、中古物件の需要も高いです。
南砂エリア
GoogleMapより
南砂エリアは城東エリアの最も南側に位置しており、深川エリアの東陽や臨海部エリアの新砂と隣接しています。
東京メトロ東西線の南砂町駅があり、東京駅や新宿駅までは20分〜30分前後です。
駅周辺は再開発中で街並みがキレイになっています。
スナモやイオン、アリオなどの大型商業施設があり、再開発後はさらに商業施設が充実する予定です。
江東図書館、新砂あゆみ公園などがあり、暮らしやすいエリアなのでベッドタウンとしても人気です。
駅周辺にはグランエスタなどの高層マンションもあり、マンション需要が高まっています。

グランエスタ(画像出典:マンションマーケット)
- メイクスデザイン東陽町(2005年築、10階建、1K、26㎡):約2,300万円
- マイキャッスル南砂(1999年築、8階建、3LDK、73㎡):約4,600万円
ファミリータイプは築古でも3,000万円〜4,000万円以上の価格がついています。
人口や世帯数
まずは、江東区の最新の人口や世帯数、将来予測などについて見ていきましょう。人口や世帯数は不動産価格にも影響します。
人口が多く増加傾向にあるエリアは、マンションを良い条件で売却できる可能性が高くなります。
ここでは、人口や世帯数について見ていきましょう。
最新の人口・世帯数
江東区の2025年7月1日における人口・世帯数は、次の通り1。
- 人口:543,905人
- 世帯数:297,585世帯
東京23区の中では8番目に人口が多い区です。
過去5年の人口・世帯数
以下は、江東区の2025年〜2021年(各年1月1日時点)の人口と世帯数になります(前掲資料より)。
- 2025年:人口541,685 世帯数294,261
- 2024年:人口539,108 世帯数289,908
- 2023年:人口532,882 世帯数283,280
- 2022年:人口525,952 世帯数276,477
- 2021年:人口526,301 世帯数274,831
毎年、人口と世帯数は増えており、2021年〜2025年で人口約15,000人、約20,000世帯が増加しました。
年齢別人口
2025年7月1日時点における江東区の年齢別人口は、次の通りです。
- 14歳以下:63,966人(11.8%)
- 15歳〜64歳:367,470人(67.6%)
- 65歳以上:112,469人(20.7%)
平均年齢は、男性44歳、女性43歳、合計45歳です。
人口の将来予測
平成27年国勢調査によると、江東区の将来人口は次のように予測さ れています。
- 2025年:558,881人
- 2030年:572,819人
- 2035年:575,577人
- 2040年:570,440人
2035年までは人口が増え続け、2040年にはやや減少する予測です。
住居の種類・所有関係
平成27年国勢調査によると、江東区の住宅に住む一般世帯238,187の内、主世帯が236,415で、その内訳が次の通りです。
- 持ち家:118,478(50.1%)
- 公営・都市機構・公社の借家:43,117(18.2%)
- 民営の借家:64,250(27.1%)
- 給与住宅:10,570(4.4%)
持ち家比率は約50%となっています。
交通
江東区には以下の路線が通っています。
- JR総武線
- JR京葉線
- 東武亀戸線
- 東京メトロ東西線
- 東京メトロ有楽町線
- 東京メトロ半蔵門線
- 都営新宿線
- 都営大江戸線
- 東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)
- りんかい線
通り多くの路線が通っていて、亀戸駅や木場駅、新木場駅、豊洲駅などが利用者数の多い駅です。
首都高や国道14号(京葉道路)、国道357号(東京湾岸道路)にもアクセスしやすく、どこへ行くにも便利です。
買い物施設
江東区には以下の大型商業施設・買い物施設があるので、普段の買い物や外食、家族でのお出かけにも困りません。
- ダイバーシティ東京プラザ
- アーバンドックららぽーと豊洲
- 南砂町ショッピングセンター
- ヴィーナスフォート
- 東京イースト21
- アリオ北砂
- 有明ガーデン
- イオン東雲店 など
他にも、砂町銀座商店街や深川仲町通り商店街など、多くの買い物施設が揃います。
こうした施設が充実している点が江東 区が人気の理由ですので、中古物件の売却時にはアピールポイントにできるでしょう。
教育機関
江東区の主な教育機関は次の通りです。
- 東京海洋大学越中島キャンパス
- 武蔵野大学有明キャンパス
- 芝浦工業大学豊洲キャンパス
- 東京有明医療大学
など、江東区には他にも多くの専修学校や高校、小中学校や特別支援学校があります。
医療機関
江東区には、次の医療機関があります。
- 順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター
- あそか病院
- 江東病院
- 寿康会病院
- 木場病院
- 昭和大学江東豊洲病院
- 深川立川病院 など
総合病院・救急病院が多いので安心です。
有名スポット
- 東京都現代美術館
- 日本科学未来館
- 東京ビッグサイト
- 大江戸温泉物語
- 夢の島公園
- 富岡八幡宮
- 亀戸天神社
- 猿江恩賜公園
- 夢の島熱帯植物館 など
このように、江東区には家族で一緒に楽しめる人気スポットが多いです。
江東区の不動産相場の特徴
江東区の不動産相場の特徴を知るため、売り出し価格と公示地価について押さえておきましょう。
これらの価格を知ることで、江東区の中古マンション価格の相場や動向を掴みやすくなります。
売り出し価格
大手不動産・住宅情報サイトのLIFULL HOME’Sのデータによると、江東区の中古マンションの価格相場は7,799万円です(2025年8月時点、70㎡の場合)。
江東区全体で見た場合、2020年と比較すると80%程度の価格上昇が見られますが、豊洲・東雲など湾岸エリアの値上がり率が著しいため、全体でも高い数値が出ています。
築年数別で見ると平均価格は次のようになります(※同じく専有面積70㎡で算出)。
- 築1年~3年以内:データなし
- 築3年〜5年以内:16,915万円
- 築5年〜10年以内:15,707万円
- 築10年〜15年以内:8,375万円
- 築15年〜20年以内:7,375万円
- 築20年以上:4,903万円
周辺のエリアと比較した価格相場は次の通りです。
- 江東区:7,799万円
- 文京区:9,244万円
- 台東区:6,994万円
- 墨田区:5,770万円
- 品川区:8,314万円
- 目黒区:8,826万円
- 大田区:5,264万円
コロナ禍が落ち着いた2021年以降、江東区は特に新築マンションの価格が大きく上昇しており、中古マンションの価格も同様に高い水準にあります。
江東区のマンション相場情報を詳しく見たい方はこちら公示地価
次に、江東区の公示地価を紹介します。
公示地価は、国土交通省で決まる標準地1㎡あたりの価格のことです。不動産鑑定士2名以上で評価を行い価格が決まり、毎年3月下旬に発表されます。
江東区の2025年公示地価の平均は77万8,420円/㎡で前年比+6.8%でした。
2010年〜2025年の公示地価平均は以下のように変動しています。
- 2010年:50万4,033円/㎡
- 2011年:48万5,193円/㎡
- 2012年:47万2,545円/㎡
- 2013年:46万162円/㎡
- 2014年:47万2,648円/㎡
- 2015年:47万8,641円/㎡
- 2016年:48万2,465円/㎡
- 2017年:51万8,622円/㎡
- 2018年:54万5,844円/㎡
- 2019年:58万6,765円/㎡
- 2020年:63万1,208円/㎡
- 2021年:62万9,250円/㎡
- 2022年:63万9,882円/㎡
- 2023年:66万7,740円/㎡
- 2024年:72万8,850円/㎡
- 2025年:77万8,420円/㎡
上記の通り、2013年までは前年割れで下落が続きますが、2014年以降はほぼ毎年前年比+2%以上で上昇を続けています。
特に2017年以降は、年3%〜9%程度の高い上昇率が続いており、2023年以降はさらに上昇幅が拡大しています。
江東区の災害への強さは?
ここでは、江東区のハザードマップ等をもとに、水害や地震被害を受ける恐れがある地域について紹介しています。
近年、各地で集中豪雨や地震が多発しています。
災害リスクは不動産価格に影響するため、リスクが高い地域は把握しておきましょう。
水害を受ける恐れがある地域
江東区の「洪水ハザードマップ」(荒川流域の72時間総雨量632mmを想定)によると、以下の地域で大きな被害が出る可能性があります。
- 亀戸
- 大島
- 北砂
- 東砂
- 南砂
- 千田
- 石島
- 千石
- 東陽
これらの地域は、3.0m〜5.0m 未満の浸水が想定されています。
また、北砂4丁目〜7丁目や東砂2丁目〜5丁目、大島5丁目〜8丁目、亀戸6丁目〜9丁目では、水深5.0m〜10.0m未満の浸水になる可能性が指摘されています。
地震被害を受ける恐れのある地域
平成30年2月に公表された東京都都市整備局の「地震に関する地域危険度測定調査 地域危険度一覧表」によると、地震の際に危険度が高い地域は以下の通りです。
建物倒壊危険度、火災危険度に災害時活動困難度を加味して総合化した「総合危険度」のランク4・5の地域をまとめています(ランクは5段階で5が最も危険性が高い)。
ランク5
- 大島7丁目
- 亀戸5丁目
- 北砂3丁目〜4丁目、6丁目
ランク4
- 大島2丁目〜3丁目
- 北砂5丁目
- 東砂3丁目〜5丁目
江東区は、首都直下地震で他の区よりも強い揺れを伴うと言われているエリアで、被害が出やすい地域と考えられています。
そのため、中古マンション売買価格にも影響が出る可能性があります。
まとめ
ここでは、江東区の主なエリア情報や人口・世帯、売り出し価格や災害リスクについて紹介しました。
江東区は、タワーマンションが立ち並ぶエリアもあれば、下町情緒を感じられる場所もあるなど、多くの顔色を持つ地域です。
マンション需要の見込めるエリアなので、不動産会社と相談した上でやや強気の価格で進めてみる戦略も十分有効だと考えられます。