土地の売却を検討しているなら事前に相場を把握しておくことが大切です。
相場を把握することで適正価格での売却がしやすくなり、高値を付けて売れ残ったり安値で売却してしまったりと、売却で損をしてしまうのを防ぎやすくなるからです。
とはいえ、相場をどう調べればいいのか分からないという方も多いでしょう。
そこで、この記事では土地の売却相場の調べ方について分かりやすく解説します。
土地の売却相場を調べる3つの方法
土地の売却相場は、以下の3つの方法で調べられます。
- 公的価格を調べる
- 複数社の査定価格を確認する(不動産会社への査定依頼)
- 土地の価格を調べる
公的価格を調べる
土地の売却相場の参考となる公的価格と、公的価格をもとにした売却相場(実勢価格)の計算方法は以下の通りです。
公的価格 | 実勢価格の計算方法 |
地価公示価格 | 地価公示価格×土地面積×1.1~1.2 |
都道府県基準地価 | 都道府県基準地価×土地面積×1.1~1.2 |
相続税路線価 | 相続税路線価×土地面積÷0.8×1.1~1.2 |
固定資産税評価額 | 固定資産税評価額÷0.7×1.1~1.2 |
▼上記の公的価格を確認できるWEBサイト
・全国地価マップ
▼取引事例から実勢価格を確認できるWEBサイト
・不動産情報ライブラリ
地価公示価格
地価公示価格とは公示地価とも呼ばれる、国土交通省が公表する標準地点1㎡あたりの価格です。1月1日時点の評価額が毎年3月下旬ごろ発表されます。
地価公示価格は、国土交通省の不動産情報ライブラリで調べることが可能です。
自身の土地の類似物件の価格から自身の土地に当てはめると、おおよその価格が把握できます。
なお、実勢価格(市場で実際に取引された価格)は地価公示価格の1.1~1.2倍が目安とされているので、算出した価格をさらに1.1~1.2倍した価格が売却相場の目安となるでしょう。
ただし、都市部など人気エリアは1.5倍以上になるケースも少なくないので、他の価格も参考にしながら相場を把握することが大切です。
都道府県基準地価
都道府県基準地価とは、都道府県が発表する基準地点1㎡あたりの価格です。毎年7月1日時点の評価額が9月下旬ごろに発表されます。
都道府県基準地価は、公示価格との評価時期や基準地点の違いから公示地価の補完的役割を担う価格です。公示地価は都市計画区域内が対象なのに対し、基準地価は都市計画区域外も対象となるため、自身の土地の所在地などからより近い方の価格を利用するとよいでしょう。
都道府県基準地価は、国土交通省の不動産情報ライブラリや自治体のホームページなどで調べることが可能です。公示価格同様、基準地価の1.1~1.2倍が実勢価格とされているので相場を計算してみるとよいでしょう。
相続税路線価
相続税路線価とは、国税庁が発表する主要道路に面する土地1㎡当たりの価格です。
相続税など税金の計算で使用される価格ですが、相続税路線価は公示地価の8割ほどとされているので、0.8で割り戻し1.1倍することで実勢価格を計算することも可能です。
相続税路線価は、国税庁のホームページで調べることが可能です。
土地のあるエリアの路線価を調べて評価額を算出し、相場まで計算しましょう。
固定資産税評価額
固定資産税の計算で使用する固定資産税評価額でも、実勢価格の計算が可能です。
固定資産税評価額は、公示地価の7割ほどとされているので0.7で割り戻して、さらに1.1倍して実勢価格を計算します。
固定資産税評価額は、自身の所有する土地であれば毎年5月頃に送付される固定資産税納税通知書の課税明細を確認することで把握できます。納税通知書がない場合は自治体の窓口で固定資産課税台帳を閲覧するとよいでしょう。
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複数社の査定価格を確認する(不動産会社への査定依頼)
公的価格から相場を算出する方法でもある程度の目安となりますが、公的価格から算出しても実際の市場相場とは大きく異なるケースも少なくありません。
また、不動産は同じものが2つとないため、どんなに類似物件であっても同じ価格とは限りません。さらに、売却の際には土地そのものの価値だけでなく周辺環境な個別の事情も加味されて価格が決まってきます。
そのため、より自身の土地に適した市場での価格を知りたいなら、不動産会社に査定してもらうことをおすすめします。
複数社に査定依頼すべき理由
査定を受ける際には、できるだけ複数の不動産会社の価格を比較することが大切です。
査定基準や得意な不動産・エリアは不動産会社によって異なるため、査定額も大きく異なってくることも珍しくありません。
依頼数が少ないと、たまたま依頼した不動産会社が相場とは離れた価格をつける会社だったとなりかねないのです。
複数の不動産会社の査定を見比べると、ある程度の価格帯には収まってくるのでそこが相場の目安となるでしょう。
不動産会社に査定を依頼するタイミング
ただし、不動産会社が実施する無料査定は営業活動の側面があるため「なんとなく家の資産価値が気になった」という理由で依頼するのはおすすめできません。
また、不動産相場は数年で大きく変化することもあるため、売却するつもりが無いタイミングで査定してもらったとしても、数年後にその金額はあまり参考にならないことも十分考えられます。
「住み替えを考えているから資金計画を考えたい」など、ある程度売却を考えているタイミングで利用するようにしてください。
土地の価格を調べる
不動産会社に依頼するのはハードルが高いという方は、まずは自分で過去の取引事例や不動産チラシなどから土地の価格を調べるという方法もあります。
ただし、自分で相場を調べる際には、調べた「価格」の指す意味を理解しておくことが大切です。
価格の違いを理解せずに相場を調べていると、実際の価格と大きく離れてしまうこともあります。
以下で、土地の価格について詳しく解説するので参考にしてください。
土地の価格には3つある
土地を売却する際には、以下の3つの価格が関わってきます。
- 査定価格
- 売り出し価格
- 成約価格
それぞれ意味合いが異なってくるので、違いを理解しておくようにしましょう。
査定価格
査定価格とは、不動産会社が評価し提示する価格です。
査定基準は不動産会社によって異なりますが、「おおむね3ヵ月以内に売却できるであろう価格」が査定額となります。
また、査定には大きく「机上査定(簡易査定)」「訪問査定」の2種類があり、査定種類によっても価格が変わることがあります。
- 机上査定:所在地・面積などのデータで査定する方法
- 訪問査定:実際に担当者がその土地に出向いて査定する方法
机上査定
机上査定は手軽に査定できる反面、周辺環境などの個別の事情は加味されないため訪問査定に比べて精度は落ちます。
訪問査定
一方、訪問査定はより精度の高い査定が可能になりますが、担当者との日程調整など時間がかかる点には注意しましょう。
とりあえず価格が知りたいなら机上査定、本格的に売却に進むなら不動産会社を絞って訪問査定まで行うことをおすすめします。
また、どちらの査定であっても不動産会社によって算出される金額にはバラつきがあります。
机上査定の段階では、最低でも3社程度、可能ならより多くの不動産会社に査定依頼して、金額を比較できると良いでしょう。
複数の不動産会社に査定してもらうなら「イエウリ」がおすすめです。
イエウリは、不動産会社を選んで査定依頼する一般的な一括査定サイトとは異なり、申し込んだ物件を査定可能な不動産会社すべてに物件情報を公開し、査定額を算出してもらうことができます。
また、査定時に不動産会社に公開されるのは物件情報のみで、査定額を金額した後、自分が選んだ会社にだけ個人情報を公開し、売却のための手続きを進めることが可能です。
できるだけ多くの不動産会社の査定額を手間なく比較し、土地を高く売りたい場合は「イエウリ」の利用を検討してみてください。
イエウリ で土地の無料査定に申し込む売り出し価格
売り出し価格とは、土地を売り出す際に付ける価格です。不動産会社のチラシや店頭の広告、ポータルサイトの物件情報に掲載されている価格が売り出し価格になります。
売り出し価格は査定価格や相場を参考に売主が決めるため、査定額とイコールとは限りません。
高く売りたい・早く売りたいなど売主の事情も反映されてくるので、相場と離れた金額で売り出されるケースもある点は覚えておきましょう。
また、売り出し価格で必ず売れるわけではないので、次に紹介する成約価格とも異なる点に注意が必要です。
成約価格
成約価格とは、実際に土地が売れた際の価格です。成約価格を調べれば、より実態に近い相場を知ることができるでしょう。
成約価格は売主と買主の合意で決まるため、売り出し価格と異なるケースは少なくありません。
例えば、なかなか売れないことを理由に「当初の売り出し価格から値下げした価格」「買主が値下げ交渉し、売主がそれに応じた価格」で成約するケースも多いです。
最終的に売買契約が結ばれた金額が成約価格であるため、類似物件であっても自分の土地の価格とは異なってくる可能性があります。
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自分で価格を調べる際は、その価格が売り出し価格か成約価格なのかまで理解しておくことが大切です。
以下では、売り出し価格・成約価格の調べ方を紹介するので参考にしてください。
売り出し価格を調べる方法
土地の売り出し価格は、以下3つの方法で調べることが可能です。
- 大手不動産インターネット情報サイトで確認する
- 不動産会社に教えてもらう
- チラシを確認する
大手不動産インターネット情報サイトで確認する
suumoやHOME’Sといった大手不動産インターネット情報サイトには、現在売り出し中の不動産が多数掲載されています。
エリアや面積など自分の土地と条件の似ている不動産をいくつか探して、自分の土地に当てはめてみると相場を把握できるでしょう。
サイトによってはエリアや不動産種別ごとに相場情報を提供しているケースもあるので、活用すると便利です。
不動産会社に教えてもらう
不動産会社に問い合わせて教えてもらう方法もあります。条件を伝えて類似の物件の売り出し価格を教えてもらうとよいでしょう。
不動産会社であればそのまま査定を受けたり、売り出し価格のアドバイスをもらったり することも可能です。
ただし、査定を勧められるなど営業される可能性も高い点は注意しましょう。
チラシを確認する
不動産会社のチラシに記載されている売り出し価格を調べる方法もあります。
しかし、チラシに掲載されている数は少なく、不動産会社によってはそもそもチラシを作成していないケースもあるので、インターネットなどを組み合わせて調べることをおすすめします。
成約価格(取引事例)を調べる方法とポイント
成約価格は、以下の2つの方法で調べることが可能です。
- 不動産取引価格情報検索
- レインズマーケットインフォメーション
それぞれの価格の調べ方と調べる際のポイントについて以下で解説します。
「不動産取引価格情報検索」で確認する
国土交通省の運営する「不動産情報ライブラリ」は、過去の取引価格や公示地価・都市計画情報などの不動産情報を提供しています。
過去の取引価格も検索できるので、近隣エリアの類似物件の価格を検索するとよいでしょう。
取引価格を検索する際には、不動産情報ライブラリのトップページから「不動産価格の情報をご覧になりたい方へ」の「データの検索・ダウンロード」をクリックします。
検索画面では、地域や価格情報区分・不動産種類・時期で絞り込めるので、希望する条件で検索していきます。
検索結果では、所在地や取引総額・面積・形状などが確 認できるので類似物件の価格を調べてきましょう。
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「レインズマーケットインフォメーション」で確認する
レインズマーケットインフォメーションとは、不動産流通機構が運営する不動産流通標準情報システム(レインズ)を一般の方でも閲覧できるようにしたサイトです。
レインズでも、過去の取引価格を検索できるので希望の条件で絞り込んで価格を調べていきましょう。
ただし、レインズマーケットインフォメーションはマンションと戸建のみ価格情報を表示しており、土地の成約価格情報は提供していません。
戸建住宅で検索した場合は建物面積と土地面積が表示されるので、その情報を参考にするのが良いでしょう。
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類似物件の取引事例を探す
土地は、同じものが二つとありません。
似たような物件であっても、立地や広さ・形状など何かしら違っているものです。
また、不動産情報ライブラリやレインズマーケットインフォメーションでは、大まかなエリアでの検索はできますが、ピンポイントの住所での検索はできないようになっています。
そのため、正確に一致する土地の取引事例を探すことはできません。
成約価格を参考にする場合は、立地や広さなど似た物件を複数探して価格を参考にすることが大切です。
成約価格は、不動産会社の担当者に調べてもらうことも可能です。
より自分の土地に合った価格が知りたい、成約価格について教えてもらいたいといった場合は不動産会社に相談してみるとよいでしょう。
イエウリでは、宅建士の資格を持つカスタマーサクセスが、土地をはじめとした不動産売却の無料相談も対応しています。
土地売却についての不安や疑問は、イエウリにお気軽にご相談ください。
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まとめ
土地の売却を検討しているなら適正価格で売却するためにも相場を把握しておくことが大切です。
土地の相場の把握の仕方には、以下のような方法があります。
- 公的価格を調べる(公示地価・基準地価・路線価・相続税評価額)
- 複数の不動産会社に査定を受ける
- 過去の成約価格を調べる
ただし、土地は同じものが二つとないため、類似物件であっても価格が大きく異なるケースは珍しくありません。
土地の売却を考えている場合は、不動産会社の査定を受けることで、周辺の取引データを参考にした相場価格を確認できるでしょう。
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