「不動産が売れずに困っている」「買取してもらう方がいいだろうか?」
上記のようにお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
不動産売却方法には、買取という選択肢があります。
不動産会社が買い取った後は土地造成やリノベーションを実施するため、そのままでは売れない不動産でも買取で売却できる可能性があります。
しかし、買取には売却額が安くなるなどのデメリットもあるので、慎重な判断が必要です。
この記事では、買取のメリット・デメリットから手順や買取会社の探し方まで、分かりやすく解説します。
売れない不動産を買取してもらうメリット
一般的にイメージする不動産売却方法は、不動産会社が買主を探す「仲介」でしょう。
仲介の場合、不動産会社はあくまで売主と買主の間に入るだけです。
それに対し、買取では不動産会社は間に入るのではなく買主となります。
このように、買取は仲介と売却方法が異なるため仲介にはないメリットが生まれます。
売れない不動産を買取してもらうメリットは以下の4つです。
- 内覧に対応する必要がない
- 短期間で売却できる
- 近隣に売却を知られる必要がない
- 解体や整地なしで売却できる
それ ぞれ見ていきましょう。
内覧に対応する必要がない
仲介で売却する場合、買主候補が不動産を訪れて確認する「内覧」が必要です。
内覧する場合、事前に内覧の準備を入念に行い当日も内覧対応が必要など、ある程度手間や時間がかかります。
一般的に内覧は週末の日中に行われるため、週末のスケジュールが内覧優先になってしまうのも負担となるでしょう。
とくに売れない不動産は内覧期間が長期間に渡るため、売主の負担もより大きくなります。
いつ売れるか分からないのに週末は内覧優先になると、自身や家族のストレスも大きいでしょう。
一方、買取は不動産会社の訪問査定は必要ですが、内覧は不要です。
内覧の準備や当日対応などの負担がないのは大きなメリットといえます。
短期間で売却できる
買取は不動産会社との条件に合意できれば売却となるため、短期間での売却が可能です。
一般的には1ヵ月程で売却でき、買取会社によってはより短期間で売却できるケースもあります。
一方、仲介での売却は、3ヵ月から半年ほど時間がかかるのが一般的です。
とはいえ、買主あっての取引となるため、売れない不動産では1年以上かかるケースも珍しくありません。
売れない時期が長くなるほど、新居を探せない・仮住まいが長くなる・固定資産税の負担があるなどデメリットも大きくなります。
とくに、転勤などで売却時期が決まっている・離婚や相続で早く現金化したいといったケースは買取が適しているでしょう。
近隣に売却を知られる必要がない
仲介で売却すると、チラシに掲載 されたり「売却中」の看板が立ったりなどで近隣に売却していることがバレやすくなります。
売れない不動産の場合、長期間売却活動中であることによって、「事故物件では」などのよからぬ噂を立てられる可能性もあるでしょう。
一方、買取なら売却活動が必要ないので周りに売却を知られることなく売却することが可能です。
人目をさけてすぐに売却したいなら、買取の検討をおすすめします。
解体や整地なしで売却できる
買取業者は、買取後の土地を造成したり、マンションをリフォームにし再販したりして商品化します。
このため、不動産の状態が悪くてもそのままの状態で買取します。
仲介の場合、状態の悪い建物ならリフォームや解体、土地なら整地や測量が必要でしょう。
とくに、売れない不動産を仲介で売るためには、それらの売却のためのコストが高くなる可能性があります。
買取ならそれらの対処が必要ないため、売却にあたってのコストの削減につながります。
後述しますが、買取では売却額が仲介よりも安くなるというデメリットがあります。
しかし、売却コストを抑えやすいことからトータルでは仲介とそれほど変わらない可能性があるのです。
売れない不動産を買取してもらうデメリット・注意点
買取を検討する際にはデメリットや注意点まで理解しておくことが大切です。
売れない不動産の買取のデメリット・注意点としては、以下の2つが挙げられます。
- 買取価格が相場よりも安くなる
- 必ず買い取ってもらえるわけではない
それぞれ見ていきましょう。
買取価格が相場より安くなる
一般的に、買取での売却額は市場価格の7~8割ほどといわれています。
たとえば、市場価格が3,000万円の物件なら買取価格の目安は2,100~2,400万円が目安です。
そのままであれば活用が難しく、買取後に造成を行うような土地だと3割~5割といった価格での買取になることも多いです。
とはいえ、買取業者に買い叩かれているわけではありません。
買取業者は再販時の価格で利益が出るようにリフォーム費用や諸経費などを考慮しなければならず、必然的に買取価格は市場価格よりも下がってしまうのです。
売れない不動産の場合、再販のためのリフォームや整地などのコストが高額になりやすく、その分買取額も下がる恐れがある点には注意しましょう。
買取であっても事前に相場などを把握して、必要以上に買い叩かれないようにしておくことが大切です。
必ず買い取ってもらえるわけではない
どんな不動産でも買取しているわけではありません。
基本的に再販が見込める不動産でなければ買取してくれないでしょう。
立地が悪く需要がないケースや対応エリア外といったケースでは、買取してもらえない可能性があります。
また、事故物件や再建築不可物件も通常の買取業者では対応してくれない場合もあるので、専門の業者の検討をおすすめします。
関連記事:再建築不可物件の基準とは
買取の手順
買取を検討する場合、買取全体の流れを理解しておくとスムーズに売却を進めやすくなります。
買取の大まかな手順が以下のとおりです。
- 不動産会社に査定依頼する
- 査定に立ち会う
- 査定額に納得したら売買条件を取り決める
- 売買契約~決済
それぞれ見ていきましょう。
不動産会社に査定依頼する
まずは、不動産会社に買取査定を依頼しましょう。
全ての不動産会社が買取に対応しているわけではないため、買取対応の不可や対応エリアに注意して査定依頼することが大切です。
買取の査定は大きく「机上査定」「訪問査定」の2種類があります。
データのみで査定する机上査定の後、実際に担当者に訪問してもらう訪問査定を受ける流れが一般的です。
机上査定時にはできるだけ複数の不動産会社を比較し、査定額や対応などをチェックしていきましょう。
不動産会社によっては買取査定と仲介査定両方に対応しているケースもあるので、比較してみるのもおすすめです。
査定に立ち会う
買取を本格的に進める不動産会社が決まったら訪問査定を受けます。
なお、訪問査定時にハウスクリーニングなどは必要ありません。
ただし、担当者が来るのでマナーとしての掃除はしておくとよいでしょう。
査定額に納得したら売買条件を取り決める
査定額に納得できたら、次に売買条件を話し合って決めていきます。
- 引渡しのスケジュール
- 入金方法や日程
- 手付金
- 引き渡し条件
- 違約金や追加費用
- 必要書類
上記のような項目について話し合っていきます。
買取価格だけ重視してこれらの項目の確認をおろそかにすると、後々追加料金が発生して売却額が下がった、入金日が希望と異なっていたとなりかねません。
細かな条件まで気を抜かずにしっかりと確認しすり合わせていきましょう。
売買契約~決済
条件に合意できれば、売買契約を締結します。
売買契約時には、契約書の内容が話し合いで合意した内容に相違ないか細かくチェックすることが大切です。
契約書の内容に不明点がある場合は、その場で確認し納得してから署名・押印するようにしましょう。
売買契約後は、決済期日に合わせて決済・引き渡しとなります。
買取の場合、相手が不動産会社であるため住宅ローンを組まずに決済に進め、短期間での決済も可能です。
ただし、決済後は引き渡しとなるため引き渡しできるように、荷物の撤去など準備を急ぐ必要がある点には注意しましょう。
また、売買契約や決済時には多くの必要書類があります。
必要書類の準備にも時間がかかる場合があるので、早めに取りかかるようにしましょう。
買取会社の探し方
買取で最も大切なのは、買取会社選びです。
買取会社によっても価格は大きく異なってくるため、高く買取してくれる信頼できる会社を選ぶ必要があります。
とはいえ、買取会社は仲介会社よりも探すのが難しい
