リフォーム済中古住宅とは、すでにリフォームが済んでいる物件です。
中古住宅を購入する際、自分でリフォームするかリフォーム済み物件を購入するかで悩む方もいるでしょう。
リフォーム済みであれば、リフォーム費用を削減できるなどのメリットがあります。
しかし、リフォーム済みにもデメリットはあるため、それも押さえたうえで検討することが大切です。
この記事では、リフォーム済み中古住宅のメリット・デメリットや、選ぶ際の注意点について分かりやすく解説します。
リフォーム済み中古住宅とは
リフォーム済み中古住宅とは、売り出す際にすでにリフォームされている物件です。
リフォームの規模や内容は物件によって異なりますが、内装や外装がきれい整えられ、設備も交換されているなど、全体的に良好な状態に仕上げられているケースが多いでしょう。
リフォーム済み物件には、個人の売主がリフォームを行ったものと、不動産会社などの業者が物件を買い取ってリフォームし、再販しているものの2種類があります。一般的には、業者が再販しているケースが多いでしょう。
なお、間取りの変更を含む大規模な工事を行い、住宅性能そのものを向上させた物件は、「リノベーション済み物件」と呼ばれることもあります。
リフォーム済み中古住宅を購入するデメリット
リフォーム済み中古物件のデメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- 購入後に自分の好きなようにリフォームしたい方は損をする可能性がある
- 構造部分は劣化している可能性がある
- 古い住宅は断熱材など不十分な可能性がある
それぞれ見ていきましょう。
購入後に自分の好きなようにリフォームしたい方は損をする可能性がある
リフォーム済み物件では、新築同様にきれいにリフォームされているケースがほとんどです。
とはいえ、リフォームの内容が自分の好みに合っているとは限りません。
立地や間取りは希望通りだったけど、リフォーム内容が好みではないケースもあるでしょう。
もちろん、リフォーム済み物件であっても購入後に自分で好きにリフォームが可能です。
しかし、リフォーム済み中古物件は、価格にリフォーム費用がある程度上乗せされているのが一般的です。
割高なリフォーム済み物件を購入し、さらにリフォーム費用をかけるのは経済的に大きな負担にもなりかねません。
このように、自分好みにリフォームしたいのであれば、リフォーム済みであることがデメリットといえるでしょう。
構造部分は劣化している可能性がある
リフォームして見た目はきれいになっていても、構造部分は築年数に応じた劣化が進んでいます。
構造部分まで適切にリフォームされていれば問題ありませんが、見た目では判断できないので注意が必要です。
見た目はきれいでも、内部はカビが発生していたり、構造の劣化が進んでいる可能性も あります。
とくに、築年が古い物件や旧耐震基準で建築されている物件は注意が必要です。
旧耐震基準と新耐震基準では、耐震性能に比較的大きな差があり、大規模な地震が発生した際の被害状況にも顕著な差が見られる。
そのため、内見時などでは、見えない部分の状態もしっかり確認するようにしましょう。
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古い住宅は断熱材など不十分な可能性がある
構造同様に、見えない部分の問題として断熱リフォームの有無があります。
断熱材は、外気の熱が室内に伝わるのを防ぎ、快適な室内を保つために重要なものです。
築年数が古い住宅では、当時の断熱技術が今ほど発達していないため、断熱性が高くない場合もあるでしょう。
その場合、断熱リフォームされていないと、室内が夏の暑さや冬の寒さも影響を受けやすくなります。
また、冷暖房効率も悪くなり光熱費も割高になる点にも注意しましょう。
リフォーム済み中古住宅を購入するメリット
リフォーム済み中古住宅はデメリットばかりではなく、魅力も多くあります。
ここでは、リフォーム済み中古住宅のメリットとして以下の3つを紹介します。
- 新築と比べて安くきれいな住宅を購入できる
- プロの目線でリフォームが実施されている
- 中古住宅を購入してからリフォームするのと比べて早く住むことができる
それぞれ見ていきましょう。
新築と比べて安くきれいな住宅を購入できる
リフォーム済み中古住宅は、見た目は新築のようにきれいに整えられていても中古住宅であるため、新築に比べて費用を抑えて購入できます。
たとえば、水回りがリフォームされている物件であれば、最新の設備に交換されているケースもあり、見た目や利便性に優れた物件でも、手頃な価格で購入でることがあります。
また、リフォーム済み物件であれば、購入後にリフォーム費用がかからないので、資金計画を立てやすいのもメリットです。
一方で、購入後にリフォームするとなると、リフォーム費用を見越して資金計画を立てる必要があり、内容によっては予算オーバーになる恐れもあります。
その点、リフォーム済みであれば最初から購入のトータルコストが分かっているので、資金計画を立てやすいでしょう。
プロの目線でリフォームが実施されている
不動産会社などがリフォームして販売する物件は、プロが市場のニーズを調査したうえで手がけているため、魅力的な仕上がりになっているケースが多くあります。
トレンドを取り入れたおしゃれなデザインや、需要の高い間取り・設備が 採用されていることが多く、築年数が古い物件でもデザイン性や利便性に優れたものが多いのが特徴です。
また、不動産会社などの業者が販売するリフォーム済み物件であれば、住宅ローン控除の適用や契約不適合責任の期間などで、中古物件よりも有利になる場合があります。
たとえば、業者が販売する場合は最低2年間の契約不適合責任が義務づけられていますが、個人が販売する場合は3ヵ月程度と短くなるのが一般的です。
保証される期間が長くなるため、安心して購入しやすくなるでしょう。
住宅ローン控除に関しては、一般の売主から購入する場合は適用期間が最長10年なのに対して、不動産会社が販売する一定の基準を満たすリフォーム済み物件の場合は、最長で13年適用できる可能性があります。
中古住宅を購入してからリフォームするのと比べて早く住むことができる
中古住宅を購入してからリフォームするとなると、打ち合わせや工事の時間がかかり入居までの時間が長くなります。
一方、リフォーム済み物件であれば購入後はそのまま入居できるので、住むまでの期間が短くできるだけでなく仮住まいと言った費用の削減も可能です。
また、購入後にリフォームすると「完成してみたらイメージと違った」ということもありますが、リフォーム済み物件ならそうした心配もいりません。
内見時のイメージのままで入居するので、購入後に「想像と違った」と後悔しないのもメリットと言えるでしょう。
住まい選びで失敗しないための注意点
ここでは、住まい選びで失敗しないための注意点として以下 の3つを解説します。
- 内見時に実施したリフォームの内容について確認する
- 可能であれば建築に詳しい人に内見に同行してもらう
- ホームインスペクションの利用を売主に相談する
それぞれ見ていきましょう。
内見時に実施したリフォームの内容について確認する
見た目はきれいでも、内部までしっかりリフォームされているとは限りません。
内見時には、リフォームした場所と内容を必ず確認するようにしましょう。
とくに、構造や断熱材といった内部のリフォーム状況は細かくチェックする必要があります。
リフォーム履歴や写真・図面などを見せてもらうようにしましょう。
この際、リフォームにかかった費用も確認しておくと、過剰にリフォーム費用を上乗せされるのを防ぎやすくなります。
可能であれば建築に詳しい人に内見に同行してもらう
建築の知識のない人が、リフォーム履歴や図面を見てもよく分からない可能性があります。
そのため、内装工事業者や建築士など、内見時に建築の知識がある人に同行してもらうと、家の状態をより詳しく把握しやすくなるでしょう。
ホームインスペクションの利用を売主に相談する
ホームインスペクションとは、専門家による住宅診断のことです。
住宅の劣化状況や不具合の有無などをチェックしてくれるので、正確な建物の状況と修繕の必要な個所の把握ができます。
売主にホームインスペクションの利用を相談しチェックしてもらうことで、見た目では判断できない問題点も分かり、購入判断を付けやすくなるでしょう。