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傾いた家を売却する時の注意点|価格はどれぐらい下がる?契約不適合責任は大丈夫?

もし自分の住んでいる家が傾いていたら、売却する際にどのような影響を及ぼすのでしょうか。「売却価格が相場よりも下がるのではないか」「売却後に契約不適合責任を問われるのではないか」など、いろいろと悩みの種は尽きません。

この記事では、そうした悩み・疑問に回答した上で、傾いた家を売却するときの注意点を解説していきます。

  • 傾いた家は、工事費用を差し引いた額で売却されるのが一般的
  • 傾きを直して瑕疵保険に加入した上で売却することもできる
  • 傾いたまま売却した場合、不具合に関して売却後に契約不適合責任を問われることがある
  • 個人の買い手が見つかりにくい場合は、解体前提の土地価格で売り出す、更地にしてから売る、買取業者に売却するといった選択肢が考えられる
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売却で問題になる家の傾きとは

売却をした後で家が傾いていることが判明した場合、契約不適合責任を問われることがあります。

契約不適合責任とは

では、実際に売主が責任を負わなければいけない「傾いた家」というのは、どの程度の傾きが対象になるのでしょうか。

ここでは、契約不適合責任を問われる家の傾きの度合いについて解説をしていきましょう。

インスペクションでは6/1000以上

住宅の売却に際して、事前に瑕疵を調査する既存住宅状況調査(インスペクション)という制度があります。

インスペクションは、国土交通省の定めたガイドラインに基づき調査をおこないますが、この中で建物の傾きも調査項目のひとつに挙げられています。

傾きに関する部位は「柱」と「床」で、それぞれ6/1000以上の傾きがあれば、「傾斜有り」として報告されることになります。

6/1000の傾きというのは、2.5mの柱で上下約1.5㎝以上のずれが生じているようなケースを指します。

また一辺の長さが5mの部屋で、床に3㎝以上の高さの差が生じているものを指します。

品確法では6/1000以上は瑕疵の可能性が高いと判定

住宅の品質確保の促進や紛争の適正な解決を図ることなどを目的として定められた品確法では、第74条において

国土交通大臣は、指定住宅紛争処理機関による住宅に係る紛争の迅速かつ適正な解決に資するため、住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準を定めることができる

とされています。

これに基づき定められた「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」において、壁と柱の傾きの度合いごとの「構造耐力上主要な部分に瑕疵が生じる可能性」について、次のように分類しています。

  1. 3/1000未満の勾配の傾斜……可能性が低い
  2. 3/1000以上6/1000未満の勾配の傾斜……一定程度存する
  3. 6/1000以上の勾配の傾斜……可能性が高い

これにより、6/1000以上の勾配の傾斜がある家は、構造耐力上の主要な部分に瑕疵が生じる可能性が高いと判定されます。

傾きから派生する不具合にも要注意

国土交通省のガイドライン等から、家の傾きが6/1000以上であれば、瑕疵となる可能性が高いことが分かりました。

しかし、これらの基準は柱や床の傾きに着目した判定にすぎません。

柱や床に傾きが生じた場合、壁や床に隙間が生じるといったことや建具の開閉が困難になるといった不具合が生じることがあります。

もし、これらの事象が家の傾きが原因で生じたのであれば、たとえ家の傾きが6/1000以下であったとしても、瑕疵に該当することがあります。

家の傾きが瑕疵に該当するか否かは、数値基準だけでなく、居住において具体的にどんな支障があるのかということが、判断基準になるということです。

傾いた家の売却価格はどうなるのか

それでは傾いた家を売却するとすれば、どのくらいの価格になるのでしょうか。

傾いた家を購入した人は、そのままの状態で居住することはまずありません。

居住できる状態に修直してから入居すると考えるのが一般的です。

このため、少なくとも家の傾きを直す工事費を差し引いた価格で売却することになるでしょう。

床のみの傾きであれば100万円ダウン

一概に「家の傾き」といっても、傾きが発生した原因によって売却価格は異なってきます。

たとえば、柱や外壁は垂直を維持しているのに、床のみが傾いているというケースをみていきましょう。

この場合、基礎の沈下が原因ではなく、床の構造材である、土台、大引、根太、束の腐食によって、床が傾いたと推定できます。

床のみが傾いてい事象では、補修が必要な部位が限定されるため、工事費も驚くほど高くなることはありません。

したがって床のみが傾いている家は、相場よりも100万円程度価格が下がると考えればいいでしょう。

基礎の沈下による傾きは500万円ダウン

家が傾く傾く原因のほとんどは、基礎の不同沈下によるものです。

基礎の不同沈下は、基礎が支持層に達していない、地盤が緩いといった場合に発生する現象です。

これを修繕するためには、家をジャッキアップ(建物を持ち上げること)して垂直に戻した後に、基礎を支える地盤そのものも改良する必要があります。

この工事による費用は、300万円~500万円になるため、基礎の沈下によって傾いている家の価格は相場よりも500万円程度下がります。

なぜ傾いた家は価格が下がるのか

傾いた家の売却価格が下がるのは、そのままの状態で住み続けるには、さまざまなリスクがあるからです。

想定できるリスクとしては、次のようなものがあります。

  • 土台、柱、梁に無理な常に無理な力が加わるために、やがて構造材としての機能を失う
  • 地震や台風に耐えきれず、家が倒壊する可能性が高くなる
  • 外壁にひび割れが生じて、雨水の侵入によって構造材が腐食する。
  • 建具類の開閉が困難になる
  • 壁に隙間が生じて断熱効果が下がる
  • 平衡感覚が失われ、体調不良になる可能性がある

傾いた家は、こうしたリスクを招く可能性が高いために、相場の価格で物件を購入する人はほとんどいません。

また家が傾いていることを知らずに購入して、その事実に気が付けば、契約不適合として、契約の解除や損害賠償を請求される可能性があります。

傾いた家の不具合は、客観的に証明することが容易であるため、訴訟になった場合でも、買主の言い分が通る可能性が高くなります。

このため売主としては、事前に不具合を告知して、相場より低い金額で売却せざるを得ない状況になるのです。

傾いた家を売却する3つの方法

傾いた家を売却する3つの方法

傾いた家を売却するのは、次の3つの方法があります。

  1. 現状のままの状態で売却する
  2. 傾きを直してから売却する
  3. 更地にして売却する

それぞれの方法には長所と短所があります。

具体的にどのような点に注意をして売却をしていけばいいのか、売却の方法ごとに紹介します。

現状のままの状態で売却するときの注意点

傾いた家のまま、まったく修繕の手を加えずに売却する場合には、どのような点に注意をすればいいのかを解説していきましょう。

値引きの根拠を明確にする

現状のまま売却する場合、相場の金額で購入する人は、まずいないと考えなければいけません。

このため、傾きを直す工事費相当分を差し引いた価格を設定することで、売却できる可能性が高くなります。

ただし、家の価値をまったく考慮しない「古家付き土地」として売却する場合は、「土地代-建物解体費用」が売却価格になります。

傾いた家の売却に際しては、家の価値を計上しているのか、あるいは土地のみを売却対象としているのかを提示したうえで、値引きの金額は何の費用に相当するのかを明らかにしておく必要があります。

家の傾きを直す費用を値引きする場合は、可能であれば施工会社から見積もりを取って、より実態に近い価格を設定しましょう。

また、単価が高い都市部の土地で境界標などが無い場合は、確定測量の実施が必要なケースも多いため、売却を検討している場合は、修繕の見積もりや測量について不動産会社に相談するのがオススメです。

欠陥はすべて告知する

傾いた家を現状のままで売却する場合、欠陥(瑕疵)となり得る傾き以外の不具合も可能な限りすべて網羅して、重要事項説明で告知する必要があります。

傾いた家が保有する瑕疵は多岐にわたるために、売却後に告知されていなかった不具合が判明すると、契約不適合として、賠償責任を問われることになります。

買取専門の不動産会社に買い取ってもらう

仲介による売却が困難だと予測できる場合は、買取専門の不動産会社に買い取ってもらうという方法があります。

買取専門の不動産会社は、不具合がある住宅を買い取って、補修やリフォームをすることで商品価値のある住宅として売り出します。

このため、駅に近いなどの立地条件の良い物件だと、たとえ傾いた家であっても、意外と高値で買い取ってもらえることがあります。

傾きを直した後で売却するときの注意点

傾いた家のままで売却しようとしても、なかなか買主が現れない可能性があります。

たとえ売れたとしても相場よりも価格を下げることになりますから、傾きを直してから売却するという方法は、有力な選択肢のひとつだといえます。

傾きを直してから売却する場合、どのような点に注意をすればいいのか解説していきましょう。

不同沈下の原因を探ったあとで直す

傾いた家を直すには、家をジャッキアップした後で土台を水平にして地盤を強化するといった施工手順になります。

しかし、これを実施する工法はいくつかあり、また費用もまちまちです。

単に金額が安いという理由で採用した工法が、不同沈下の原因対策に即していない場合、再び傾き始める可能性がないとはいえません。

まずは不同沈下の原因をしっかりと調査したうえで、原因に適した工法を採用することが重要です。

このため、施工者の意見を鵜呑みにするのではなく、専門家である建築士のアドバイスを受けたうえで工法を決定する方法が望ましいでしょう。

擁壁の施工不良による不同沈下対策は高額になることがある

土地を盛土によって造成した場合、土を擁壁によって支えていることがあります。

この擁壁の施工不良が原因で不同沈下が発生している場合、地盤改良をしてもまったく効果がありません。

これを解決するためには、根本的に擁壁の改修工事を手掛けるか、支持層を探って長い杭を打ち込む工事が必要です。

これらの工事は、傾きを直す一般的な工法と比較して、かなり高額の費用が必要となるために、売却方法を根本的に見直す必要が生じることもあります。

インスペクションを実施する

家の傾きを直した後は、既存住宅状況調査(インスペクション)を実施しましょう。

家の傾きを直した場合でも、地震等の他の要因によって、再び家が傾く可能性がないとはいえません。

インスペクションを実施することにより、少なくとも売却時においては瑕疵が存在していなかったことを証明することができます。

修繕の履歴を告知する

重要事項説明において、インスペクションの調査結果である「建物状況調査の結果の概要(重要事項説明用)」を添付することで、建物に瑕疵がないことを説明することができます。

しかし、補修によって不具合を解消したことは事実なので、補修の履歴についても併せて告知をした方が、買主の信頼を得られるでしょう。

既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入する

家の傾きを直したり、その他の不具合を直したりしても、その後買主から契約不適合として訴えられる可能性はゼロだとはいえません。

せっかく高額の費用を投じて修繕をしたのに、後に買主から損害賠償請求をされたら、すべてが無に化してしまいます。

こうした事態に備えて既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入するという方法があります。

もし損害賠償をしなければいけなくなったとしても、それらの費用は保険金によって支払われるシステムになっています。

この保険は、インスペクションを実施して、不具合がすべて解消されていれば加入することができます。

万が一の事態に備えて保険に加入することで、売却後の安心が得られるでしょう。

▼関連記事:インスペクションを実施して中古住宅で瑕疵保険に加入する方法

更地にして売却するときの注意点

家の傾き具合が著しく売却の見込みが低いと判断した場合、家をすべて解体して土地だけを売却する方法があります。

更地にして売却する時の注意点を解説していきましょう。

解体費用は100万円~150万円

木造2階建て住宅の解体費用は、条件によって異なりますが、1平方メートル当たり8千円~1万2千円です。

標準的な規模の120平方メートルの住宅だと、家の解体に100万円~150万円の費用が必要になります。

固定資産税が6倍になることがある

現在の固定資産税は、住宅付きの土地に対して税額を6分の1にする優遇措置がとられています。

固定資産税は、その年の1月1日の時点の所有者に課せられますが、もし更地にしたままで年を越してしまうと特例が適用されず、その年の固定資産税額が一気に6倍になることがあります。

まとめ

傾いた家に住みたいと考える人は、まずいないと考えた方がいいでしょう。

そのため、売却にはさまざまな困難に直面しますが、それでも今回提示した3つの方法によって売却の道は開けてきます。

この中で、比較的簡単な方法は、買取専門の不動産会社による買取です。

ただし、業者買取は、どの会社に依頼すればいいのか判断がつかないのが課題です。

「イエウリ」の買取マッチングサービスは、「無料査定スタート」ボタンから、売却したい不動産情報を入力すると、買取意思のある不動産買取会社から「イエウリ」運営者に仮査定額が届く仕組みになっています。

これを取りまとめたものを売主であるお客様に連絡します。

交渉する買取会社を決定するまでは、不動産会社から直接連絡がくることはありませんから、安心して納得のいく買取会社を選択することができます。

傾いた家の売却を検討の際は、ぜひ「イエウリ」も選択肢としてご検討ください。
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執筆者
田中 良男
田中 良男

ことの葉行政書士事務所・代表/建築主事として建築確認申請の審査経験を有す/行政職員時代に都市計画策定、開発許可、生産緑地指定業務に携わる/ライター(切塗よしを)としても活動中【保有資格】特定行政書士、1級建築基準適合判定資格者 、既存住宅状況調査技術者(インスペクター)、終活カウンセラー、著作権相談員

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