相続財産に不動産が含まれると、相続税や相続人でトラブルになりがちです。
不動産を巡る相続トラブルを避ける1つの方法として、相続前、つまり親が生前中に売却してしまうことが挙げられます。
しかし、相続前の売却にはメリットやデメリットがあるので、相続前と相続後どちらの売却が適しているかは慎重に検討しなければなりません。
この記事では、相続前と相続後のそれぞれで、不動産を売却するメリット・デメリットや、実家じまいで後悔しないポイントについて分かりやすく解説します。
相続前に不動産を売却するメリット
相続時の不動産の対処法としては、相続前に売却してしまう方法が検討できます。
相続前に売却してしまうことで、相続財産から不動産がなくなるだけでなく、まとまった売却金が親の老後費用を賄うことや、現金で相続できるようになります。
具体的な、相続前に売却するメリットとしては以下の3つが挙げられます。
- 遺産分割がスムーズになる
- 生前の老後資金に充てられる
- 各種税制優遇を受けやすくなる
なお、親名義の不動産は親でなければ売却できません。
たとえ子どもであっても、勝手に売却できない点には注意しましょう。
遺産分割がスムーズになる
不動産は現金のように公平に分割できないので、相続時の分割方法で揉めやすい財産です。
相続人が複数人いると、資産価値の高い不動産では誰が相続するかで揉め、逆に資産価値が低い不動産では誰も相続したくないことで揉めてしまいます。
「自分の家族に限って相続トラブルは起きない」と思っていても、お金が絡むとどうなるかは分からないものです。
また、相続財産がわずかな現預金と不動産だけという場合、相続税が発生すると、現預金で対応できず、相続人の自己資金で納税が必要になる可能性もあります。
生前に売却して現金化することで、仮にその現金が相続財産に加わっても、相続人で公平に分割しやすくなり、相続税にも対応できるようになります。
生前の老後資金に充てられる
売却金は所有者の財産となるので、まとまった資金を老後資金に充てられるようになります。