「相続セミナーってなんだか怪しいけど大丈夫?」
相続セミナーは相続について有益な情報を得られる反面、なかには怪しいものも存在します。
相続セミナーで騙されないためには、セミナーの目的や注意点・怪しいセミナーの特徴を理解しておくことが大切です。
この記事では、相続セミナーが開催される目的や参加時の注意点・怪しいセミナーの特徴などを詳しく解説します。
無料の相続セミナーが開催される理由
基本的に無料の相続セミナーは、自治体が開催するようなケースを除いてその次の商品販売などが目的です。
主催する側もボランティアではなく事業の一環として無料セミナーを開催するので、セミナー後に有料商品が案内されるのは当たり前と考えてよいでしょう。
とはいえ、なかには度を超えた高額な商品を売りつける悪質な無料セミナーもあるので注意が必要です。
ここでは、無料の相続セミナーが開催される代表的な理由として以下の4つを紹介します。
- 金融商品を販売する
- 有料の口座に勧誘する
- 有料の個別相談に勧誘する
- 有料のオンラインサロンに勧誘する
それぞれ見ていきましょう。
金融商品を販売する
金融機関系の相続セミナーなどでは、相続後の資産運用について触れ、金融商品を紹介するケースが一般的です。
代表的な金融商品には以下のようなものがあります。
- iDeCo・NISA
- 株式投資
- 投資信託
- FX
- ファンドラップ など
ただし、セミナーで紹介される金融商品の中には投資詐欺につながる案件も少なくありません。
他には、相続税対策のための不動産投資として、分譲マンション保有やアパート経営が提唱されることもありますが、基本的に投資は失敗のリスクもあるものです。
絶対に儲けるなどと謳っている場合 は注意した方がよいでしょう。
有料の講座に勧誘する
セミナー後に、より詳しい内容はこちらと有料の講座に勧誘するケースもあります。
相続セミナーでは、金融商品の運用方法や不動産投資のノウハウ・相続対策などの講座が代表的です。
講座は複数人が会議室などに集まって講話を聴く形で開催するケースや、マンツーマン形式などさまざまでしょう。
有料講座は、月数万円や一括で数十万円するケースも多いので、慎重に検討することが大切です。
有料の個別相談に勧誘する
無料セミナー参加者に対して個別相談やコンサルティングを行うケースもあります。
個別相談の中には無料のものもありますが、具体的な解決やサポートとなると、有料になるケースが一般的です。
また、相談を受け付けるのは弁護士や司法書士といった専門家であるケースが多いでしょう。
有料のオンラインサロンに勧誘する
オンラインサロンとは、インターネット上の会員制のコミュニティです。
主催者側が提供するノウハウや知識を学ぶ場だけでなく、メンバー同士でのコミュニケーションができるなどの特徴があります。
オンラインサロンは無料から有料までさまざまありますが、セミナー後に勧誘されるのは月謝制など有料のものが多いでしょう。
有料の商品が一概に悪いわけではありません。
なかには、対価を支払っても十分有益となるものもあります。
一方、対価に見合わないものや中には詐欺的なものもあるので、慎重に判断することが大切です。
とくに、セミナー自体が怪しい場合は紹介される商品も怪しい可能性が高いので注意しましょう。
以下では、怪しい相続セミナーによくある特徴を紹介するので、見極めの参考にしてください。
怪しい相続セミナーのよくある特徴
相続セミナーといってもさまざまで、すべてが怪しいわけではありません。
しかし、以下のような特徴を持つ相続セミナーは避ける方が無難でしょう。
- セミナーの内容や目的がよく分からない
- 参加するだけでギフト券などの特典が貰える
- 口コミや評価が悪い
- ○○万円お得!などと誇張表現が使われている
それぞれ解説します。
セミナーの内容や目的がよく分からない
基本的にセミナーは、内容や講師などを明確にして告知されます。
何を目的として何が学べるのか分からないようなセミナーは、怪しくなかったとしても参加するだけ時間の無駄になりかねません。
また、セミナー参加時には主催者側に個人情報を提供することになります。
主催者が怪しい場合、個人情報を提供することで、後日営業を受けたり悪用されたりするリスクがある点にも注意しましょう。
参加するだけでギフト券などの特典が貰える
無料の相続セミナーで特典まで提供していると、主催者側は赤字です。
どこかで採算を合わせるために商品の勧誘や個人情報の収集があると考えてよいでしょう。
もちろん、特典のある相続セミナーのすべてが悪いわけではなく、集客の一環として行っているケースも珍しくありません。
セミナーに問題がなく自分にとって有益と感じるなら、参加しても問題ないでしょう。
ただ、特典目当てで安易に参加を決めるのはおすすめできないことを覚えておくことが大切です。
また、セミナーによっては特典の進呈条件が設けられている場合もあります。
たとえば、セミナー後の個別相談を受けるなどが挙げられます。
特典を得られる条件まできちんと理解して検討するようにしましょう。
口コミや評判が悪い
過去のセミナー参加者などの口コミをチェックするのも大切です。
口コミのすべてを鵜呑みにする必要はありませんが、あまりに評価が悪い場合は注意が必要でしょう。
ただし、良い口コミだから安心というわけではありません。
口コミの中にはサクラ(おとり)が紛れ込んでいる可能性もあるので、良い口コミ・悪い口コミ両方を冷戦に判断することが大切です。
〇〇万円お得!などと誇張表現が使われている
「必ず儲ける」「○○万円の利益」などは魅力的な表現ですが、安易に参加するのはおすすめできません。
世の中そうそううまい話はないものです。
本当に簡単に利益を手にできる方法なら世の中にすでに周知されているか、主催者が無料でノウハウを提供するメリットはないでしょう。
誇張表現を鵜呑みにして飛びつくとトラブルになる恐れもあるので、数字の根拠をチェックするなど注意が必要です。
相続セミナーに参加するときの注意点
相続に関する知識をつけるうえでセミナー自体は有効な方法です。
ただし、相続セミナーに参加する際には以下の点に注意しましょう。
- ためになった内容はメモを残しておく
- 目的 に合ったセミナーに参加する
- 高額なセミナーには申し込まない
それぞれ解説します。
ためになった内容はメモを残しておく
よくあるケースが、セミナーに参加することで満足してしまい、しっかり内容を理解していないケースです。
「良いことを聞いたな!」と思っていても具体的な内容はさっぱりという人もいるでしょう。
相続セミナーは参加して終わりではなく、得た知識を活用することが大切です。
セミナー中は、ためになると思った点はしっかりメモし、セミナー後に活かせるようにしましょう。
目的に合ったセミナーに参加する
相続セミナーといっても内容はさまざまです。
代表的な内容としては以下のようなものがあります。
- 不動産相続
- 相続税対策
- 資産運用
- 終活 など
主催する側も金融機関や弁護士などの士業・FP・不動産会社・コンサルティング会社などさまざまです。
目的に合わないセミナーに参加しても得るものはないでしょう。
まずは、相続の何を解決したいのか自分の目的を明確にすることが大切です。
そのうえで、その悩みを解決してくれるようなセミナーを選ぶようにしましょう。
また、参加するセミナーを選ぶときは以下のような点もチェックすることが重要です。
- 主催者の信頼性
- 講師の実績
- セミナーの規模や開催頻度
- 口コミや評判
高額なセミナーには申し込まない
最初から高額なセミナーに申し込んでしまうと、自分に合っていない場合に、損してしまう恐れがあります。
高額なセミナーが必ず自分にとって有益とは限らず、無料でも十分悩みを解決できるケースはあります。
セミナーに参加するとしても、まずは、無料のものからスタートすることをおすすめします。
怪しい相続セミナーに関するよくある質問
最後に、怪しい相続セミナーの関するよくある質問をみていきましょう。
無料の相続セミナーでも役に立つ?
無料の相談セミナーでも自分の目的に合っているなら十分役に立ちます。
ただし、参加するセミナー選びが重要です。
主催者だけでなく講師の専門性や実績などもチェックしたうえで検討するようにしましょう。
オンラインで受けられる相続セミナーはある?
近年はオンライン開催している相続セミナーも多くあります。
オンラインセミナーなら場所や時間に縛られずに自分の好きなセミナーに参加できるというメリットがあります。
ただし、対面ではないからと言って、勧誘などの心配がないわけではありません。
後日営業電話がかかってくるなどのリスクはあるので、慎重にセミナーを選ぶようにしましょう。
銀行主催の相続セミナーってどうなの?
銀行開催なら主催者側の信頼性が高く、怪しいセミナーであるリスクは少ないといえます。
とはいえ、銀行主催のセミナーも金融商品などの案内をしているのが一般的である点は覚えておきましょう。
まとめ
無料の相続セミナーでも有益な情報を得られるものがある反面、怪しいセミナーがあるのも事実です。
また、相続セミ ナーと一口に言ってもセミナー毎に内容は異なるため、自分の解決したい悩みに合っているかが重要になります。
セミナーの内容や主催者・評判などはしっかり調べたうえで、自分の目的に合ったセミナーを選ぶようにしましょう。