「マンションの一階は売れないって本当?」
マンションの一階は売れないということを耳にして、売却を諦めている方もいらっしゃるでしょう。
確かに、防犯上の問題などで一階は他の階に比べ売りにくい面もあります。
しかし、一階であってもメリットが実はたくさんあるものです。
一階マンションは、デメリットを対策しメリットを上手にアピールすることで売却につながります。
本記事では、マンションの一階が売れない理由から売却のコツまで分かりやすく解説します。
マンションの一階が売れない4つの理由
マンションの一階が売れない理由として次の4つが考えられます。
- セキュリティ面
- 日当たりの問題
- 浸水
- 道路の騒音
セキュリティ面
一階でもっとも心配されるのは、セキュリティ面でしょう。
道路や庭から侵入しやすいため、泥棒に入られないか心配という方は多いもの。
もちろん、二階以上なら絶対に泥棒の心配がないかというわけではありませんが、二階以上に比べリスクが高い位置ではあります。
家に入られないにしても、ベランダに洗濯物を干しておくと下着が盗まれるのでは?という懸念もあるでしょう。
そのように、防犯上の心配から一階の購入を避ける方もいるものです。
日当たりの問題
一階のデメリットは、他の階に比べ日当たりが悪くなりがちという点にもあります。
とくに、近隣に高い建物があると日当たりに大きな影響があるでしょう。
日当たりが悪いことでは、次のような問題もあるものです。
- 洗濯物が乾きにくい
- 部屋に湿気がたまりカビの原因になる
- 部屋が暖まりにくい
- 家の中が暗い
このように、日当たりの悪さからさまざまな影響が出てしまいます。
浸水
近年は、大雨による浸水被害の報道を目にする機会が増えています。
この浸水の心配も一階が売れにくい原因となります。
大雨などによる災害は、今の日本ではいつ・どこで起こっても不思議ではありません。
万が一、浸水が発生すると二階以上に比べ一階が被害に遭う危険 性は高いといえるでしょう。
道路の騒音
一階は、道路との距離が近く、上の階に比べ騒音も入りやすいものです。
車の音や行き来する人の声、電車があれば電車の音など、さまざまな騒音が日常的に繰り返されることに我慢できないという方も多いでしょう。
また、道路との距離が近い場合、排気ガスが気になり洗濯物を干せないという場合もあります。

マンションの一階のメリット4つ
デメリットばかり気になる一階ですが、実はメリットもたくさんあります。
一階のメリットを把握することで、アピールポイントとすることもできるでしょう。
マンション一階のメリットとしては、次の4つがあります。
- 専用庭があるケースがある
- 階段を 上がらなくていい
- 下の階への騒音を気にしなくていい
- ベランダから落下する心配がない
専用庭があるケースがある
最近のマンションでは、一階に専用庭が付いているケースが増えてきています。
専用の庭があることで、ガーデニングや家庭菜園、子どもを遊ばせるスペースなど、さまざまな楽しみ方ができるでしょう。
マンションにいながら庭つきの戸建てのような感覚で生活できるのは、大きなメリットです。
階段を上らなくていい
上の階になればなるほど、移動の労力がかかります。
二階や三階なら階段でもすぐに上れると思っても、荷物を多く抱えているときなどは大きな負担になるものです。
エレベーター付きのマンションであれば上がるのは難しくありませんが、エレベーター待ちということもあります。
とくに、朝の忙しい時間にエレベーターがなかなか来ないとなると、出勤時間にも関わるだけでなくストレスにもなるでしょう。
また、エレベーターの場合は、地震などの災害時に停止する可能性もあるので、避難に問題が出る場合もあるので注意が必要です。
一階であれば、エレベーター待ちも階段の上り下りも不要です。
ちょっとした忘れ物でも、すぐに出入りできる気軽さは、一階ならではのメリットと言えるでしょう。
下の階への騒音を気にしなくていい
マンションで暮らすうえで配慮しなければならない生活音。
とくに、小さいお子さんがいる家庭では下の階に足音や声が響くのではと、ひやひやすることもあるでしょう 。
階下に騒音の迷惑をかけると、トラブルに発展する可能性もあります。
また、トラブルまでとはいかなくても気まずくなってしまうと、簡単に引っ越せない場合は生活しにくい状態が続いてストレスになってしまいます。
一階であれば、迷惑をかける階下の住人がいないため騒音への配慮の負担が減ります。
子どもも比較的自由に遊ばせられ、ストレスなく過ごせるのは大きなメリットでしょう。
ベランダから落下する心配がない
高層階のベランダからの落下事故という痛ましいニュースは度々発生しています。
小さいお子さんは、大人が思っているよりも簡単にベランダの柵を乗り越えてしまうものです。
一階であれば、小さい子供が落下して大事故に発展する心配もしなくていいでしょう。
また、洗濯物や鉢植えが落下して階下や通行人に被害を出すという心配もないでしょう。
小さいお子さんの安全性を気にする家庭には、一階はおすすめとも言えます。
売れやすい一階のマンションの特徴
ここでは、売れやすい一階マンションの特徴を見ていきましょう。
売れやすい一階マンションの特徴としては、次の3つがあります。
- 専用庭がついている
- 日当たりがいい
- セキュリティ対策がしっかりしている
専用庭がついている
専用庭がついているのは、大きなアピールポイントになります。
- ガーデニングを楽しみたい
- 子供を遊ばせたい
- 庭でのんびり過ごしたい
- 友人とのちょっとしたガーデニングパーティ
上記のような希望がある買い手には、特に人気があるでしょう。
また、前面道路との間に庭があることで、部屋の中を見えにくくしプライバシーも保ちやすくなるというメリットもあります。
内覧時は専用庭をしっかり手入れしておくことが必要です。
草刈りや片づけをして、少しでも広く見えるようにしておくと、買い手の印象も良くなります。
日当たりがいい
マンション一階でも、近隣に高い建物がないなどで日当たりがいい物件は人気があります。
日当たりは、購入判断の一つになる大事なポイントでもあるため、日当たりがいい場合は、しっかりアピールするとよいでしょう。
内覧時も、日当たりが良い時間に来てもらうと効果的です。
セキュリティ対策がしっかりしている
セキュリティ面に不安のある一階ですが、防犯対策をしっかりすることでアピールポイントにすることも可能です。
マンションによっては、一階部分のみ専用の防犯カメラや防犯センサーが付いているという物件もあります。
また、ベランダや窓への補助鍵や防犯フィルムを窓に貼る・ホームセキュリティーを利用するなど、個人でもセキュリティを強化することは可能です。
防犯対策としてどのようなことをしているのかを伝えることも重要なので、物件情報の掲載時や内覧で伝えられるように情報をまとめておきましょう。
一階のマンション売却のコツは「ターゲット選定」と「メリットのアピール」
一階のマンションであっても、メリットは十分にあり魅力的な物件も多いものです。
売却するためには、そのメリットをアピールする必要があります。
ただし、だれにそのメリットをアピールするのかも重要です。
マンションを売却するには、ターゲットを絞って、ターゲットに向けたアピールが必要になります。
一階のマンションのターゲット層
一階のマンションのターゲット層としては、次のような世帯が想定されます。
- 小さい子どもがいるご家庭
- 階段を上り下りしたくない高齢のご家庭
- セキュリティの不安を解消しやすい男性の親が長く家に居る家庭
- ガーデニングが趣味の人
- 戸建てが欲しいけど手が出ないという家庭
小さい子どもがいるご家庭
小さい子どもがいるご家庭なら、一階のメリットを大きく得られるので、積極的にアピールするとよいでしょう。
- 階下への足音を気にせず室内で遊べる
- ベランダや窓からの落下の危険性がない
- 庭で滑り台やプール遊びができる
- のびのびと子育てできる
- 子どもを連れての移動がラク
階段を上り下りしたくない高齢のご家庭
一階なら移動距離が短く、階段の上り下りが不要です。
毎日の階段ののぼりが煩わしい、足腰に不安のある方、高齢者のいるご家庭に向いているでしょう。
とくに、災害時にエレベーターが止まってしまった場合は、高齢者は避難が大変です。
一階なら災害時や、万が一車いすになった場合でもスムーズに移動できます。
セキュリティの不安を解消しやすい男性の親が長く家に居る家庭
セキュリティ面に不安がある場合でも、大人の男性が家にいる時間が長いのであれば、その不安も解消しやすいものです。
近年では、在宅で仕事をするケースも増えてきているので、そのような家庭ならアピールするとよいでしょう。
ガーデニングが趣味の人
専用庭付きのマンションの場合、ガーデニングや家庭菜園を自由に楽しめるというメリットがあります。
ベランダでプランターを使って楽しむのと、庭で楽しむのとは大きく異なるため、ガーデニング好きには庭付きは大きな魅力です。
自分でもガーデニングしている場合は、内覧時に見てもらうことでより興味を引けるでしょう。
戸建てが欲しいけど手が出ないという家庭
専用の庭があると、ちょっとした戸建て住宅感を味わえるものです。
庭付きの戸建てにしたいけど手が出ないという家庭にも人気があるので、アピールしてみるとよいでしょう。
内覧時にはしっかりメリットをアピールする
マンションの内覧時には、一階ならではのメリットをしっかりアピールすることが必要です。
一階というとデメリットのほうが目立ってしまい、住んでいない人にはメリットが分かりにくいものです。
住んでいるうえでのメリットを、一度書き出ししっかりアピールできるように準備しておきましょう。
ただし、空室にして売却する場合は内覧時には立ち会わないほうがいいケースもあります。
内覧に売主が立ち会わないことで、内覧希望者は売主に遠慮せずにゆっくり見学でき、それが購入の決め手になることもあるのです。
しかし、それではせっかくのアピールポイントが伝わらないので、事前に不動産担当者にメリットを伝えておくようにしましょう。
また、内覧に立ち会う場合でも、アピールしたい気持ちが強すぎて終始しゃべっていては、内覧希望者も落ち着いて内覧できません。
基本的には、見守る程度に付き添い、ここぞというときにだけメリットをアピールするようにしましょう。

まとめ
マンションの一階が売れない理由や一階のメリット・売却のコツをお伝えしました。
マンションの一階は、セキュリティや騒音などのデメリットがあり、売れにくいという現実があります。
しかし、一階には一階ならではの魅力も多いので、ターゲットを絞ってしっかりアピールすることで売却につなげられるのです。
この記事を参考に、マンション一階のデメリットを対策しメリットを上手にアピールして、一階マンションを売却できるようにしましょう。