中古マンションの売却時、「エレベーターが無い」という理由で販売に苦戦するケースがあります。
同じように「エレベーターの停止階ではない(スキップフロアである)」ことで売却まで時間がかかることも多いです。
では、こうしたマンションはどのように売却すれば良いのでしょうか?
エレベーターの設置義務について
1970年の建築基準法の改正により、高さ31mを超える建物ではエレベーターの設置が義務化されました。
さらに2001年に施行された「高齢者の居住の安定確保に関する法律」により、3階建て以上のマンションでエレベーターを設置することが原則として義務付けられました。
また、各自治体によって規模や用途に応じてエレベーターの設置を義務付ける条例が定められ、1990~2000年代初頭にかけて、エレベーターの無いマンションの建設は徐々に減少したという背景があります。
売れないのはマンションが古いから?
エレベーターの無いマンションはおおむね築20年を超えるため、「そもそも物件として古いから売れにくい」ことが考えられます。
- 水回り等を含めた大規模なリフォームが必要
- 管理費や修繕積立金が割高
- 旧耐震基準のマンションでローン審査が厳しい
といった築古マンションのデメリットに、「エレベーターが無いことによる不便さ」が加わり、1年以上売り出していても買主が見つからないことがあります。
エレベーターが無くても低層階であれば「利便性」の部分はクリアできますが、人気のエリアでない場合は、仲介での売却は苦戦するでしょう。
一番の対策は価格を下げること
人口減少が著しい地域でなければ、基本的に価格を下げることで買い手は見つかりやすくなります。
築古マン ションは立地が良い物件も多いため、周辺相場と比較して安めの金額を設定することで、エレベーターが無くても購入者が見つかる可能性があるでしょう。
エレベーターが無く3~4階以上に位置する区分マンションを売却する場合、周辺物件の相場価格から500万円以上値段が下がるケースも珍しくありません。
多くの不動産会社は「エレベーターが無いことによって需要が低くなる」ことは理解しているので、売り出し価格の基準となる査定額を算出する時点で、エレベーターが無いことを織り込んだ価格が提示されるはずです。
しかし、物件情報のみを伝える机上査定(簡易査定)の段階では見落とされてしまうことがあるので、売却価格と売却にかかる期間を見積もる上では、エレベーターが無いことを伝えることが重要です。
買取にも対応してもらえないことがある
不動産の売却時は、不動産会社に買主を探してもらい、その相手と売買契約を結ぶ「仲介」の取引になるのが一般的です。
一方で「仲介で販売しているマンションがなかなか売れない」「手間をかけずに早く売却したい」などの理由がある場合は、不動産会社が直接購入する「買取」の形で売却されることもあります。
しかし、エレベーターが無い(+マンション自体が古い)という理由で、不動産会社も直接買取しないケースが少なくありません。
不動産会社による買取は、リフォームして再販することや、賃貸物件として運用することを前提にしているため、
- エレベーターの無い区分マンションは買取不可
- エレベーターが無くてもエリアによっては買取する
- エレベーターが無くても低層階であれば購入する
など買取できるマンションの条件を社内で取り決めており、需要が低い物件は購入しないことがあるのです。
「仲介で売れなければ不動産会社に買取してもらえれば良い」と考えていても、そもそも買い取ってもらえず、買取会社が見つかってもかなり安く買い叩かれる可能性があります。
エレベーターが無いマンションの成約実績も多数
イエウリ の不動産査定はこちら
エレベーターが無いマンションの売却に成功した事例
筆者が過去に確認したケースでは「価格を下げても買い手が見つからず、不動産会社にも買取してもらえなかったエレベーター無しのマンション」が、「物件近くの会社(不動産会社ではない)が社宅として購入することになり、売却できた」というものがあります。
当該のマンションは仲介で売り出してから1年半経っても購入者が現れず、仲介会社を変更して3カ月ほどで前述の社宅で購入する会社が見つかり、売却に至りまし た。
「不動産会社によって扱う物件の得意不得意がある」ことはご存じの方も多いと思いますが、法人向けの営業が得意な仲介会社に依頼することで、売却に成功したケースです。
「たまたま運が良かった」可能性も十二分に考えられますが、思うように売却できない場合は、仲介会社の変更も視野に入れると良いかもしれません。
また、「イエウリ」で過去に買取査定依頼を受けたエレベーター無しのマンションでは、買取を断る不動産会社も多かったものの、売主が納得する高値で購入できる業者が見つかったケースがありました。
【成約実績 No.0488】
グリーンコーポ篠原第2J棟
エレベーターがない物件のため
そこまで買取金額が伸びないかと思いきや
イエウリでつないだ会社から
希望の金額が出たエレベーターが無くて売れない方は、
イエウリで買取の検討を。#企業公式相互フォロー#イエウリ#神奈川県#横浜市港北区pic.twitter.com/rZ3e9B7h3S— イエウリ【公式】 (@ieuri_ieuri) December 27, 2024
「仲介で売れない」「買取も断られてしまった」というケースでも売却できる可能性がありますので、ぜひ一度「イエウリ」にご相談ください。
エレベーターが無いマンションの成約実績も多数
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賃貸物件や民泊として運用
エレベーターが無いことが理由で売却が難しい物件でも、賃貸物件や民泊としての運用を検討することで、収益化の可能性を見出すことができます。
築古マンションは売却時の価格も下がりやすいですが、購入から年数が経過しているほど住宅ローンの残債は減っており、ローンを切り替えて賃貸等の運用も検討しやすい点が特徴です。
賃貸物件として運用する
エレベーターがないマンションでも、物件の立地や賃料設定によっては賃貸需要を満たすことが可能です。
特に、駅から近い、または 周辺に利便性の高い施設がある場合には、賃貸物件として魅力的になるでしょう。
賃貸の場合、購入に比べて短期的に住む人がターゲットになるため、エレベーターがない点をあまり問題視されない場合もあります。
民泊として活用する
また、地域によっては、民泊やレンタルルームとして活用することも選択肢の一つです。
観光地に近い物件であれば、短期の滞在者に向けた宿泊施設として利用することで、物件の収益化が見込めます。
民泊であれば宿泊者が短期的に利用するため、エレベーターが無いことはそれほど問題視されず、賃料も通常の賃貸物件より高めに設定できる可能性があります。
ただし、民泊として運用する場合は、自治体の規制や許可が必要になるため、事前に確認しておくことが重要です。
エレベーターが無いマンションは、売れない理由の再確認から
エレベーターが無いマンションは、「エレベーターが無い」ことよりも、そもそも築古であることや、自主管理マンションであるといった理由が複合的に関与して売れにくくなることが多いです。
価格を下げることで買い手が見つかることも多いため、過去の成約事例や、周辺物件の売り出し価格をチェックしてましょう。
そして「エレベーターが無いことを加味した価格設定ができているか」「エレベーターが無いこと以外に、需要が少なくなる要因は無いか」を確認した上で、不動産会社と「売れる価格の目線」を見直すことを推奨します。
他には、エレベーターが無いデメリットを相殺できる だけの魅力を伝えることも重要です。
例えば、エレベーターが無い代わりに、管理費が周辺の競合物件と比べて安めに設定されているケースがあります。
割安で購入でき、維持費も抑えられるという条件を考慮すると、購入を検討する人が出てくることもあります。
不動産会社に周辺物件の条件を調査してもらい、購入者にメリットとして伝えられる情報を整理するのが良いでしょう。
エレベーターが無いマンションの成約実績も多数
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「イエウリ」でエレベーターの無いマンションが売却できた事例
「イエウリ」ではエレベーターの無いことで売却に苦戦していたマンションの成約実績もあります。
【成約実績 No.0109】
エミネンス長池 11街区6号棟
エレベーター無しの5階の物件。
仲介で売りに出していたが、買手がつかないことに焦り、
買取を検討。10社から金額提示を受け、
希望額で買取ってもらえる会社を繋ぎ、
無事に成約。#企業公式相互フォロー#イエウリ#東京都#八王子市pic.twitter.com/SgYlgQ0MM8— イエウリ【公式】 (@ieuri_ieuri) December 5, 2023
上記の八王子市のマンションは「仲介で販売して内覧もそれなりに入っていたものの、中々売れない」という状態でしたが、10社の買取価格を比較して、買取でも納得のいく価格で売却できました。
「イエウリ」は、買取でも多くの不動産会社の査定を集められる仕組みになっており、仲介会社経由で買取業者を探すよりも、効率的に多くの業者の目に留まる可能性が生まれます。
エレベーターが無いといった条件が悪いマンションでも、高値での買取実績が豊富です。
「売れないから仲介会社の変更を検討している」「買取も断られたけど、売却できる可能性を探りたい」という方は、ぜひ「イエウリ」にご相談ください。